2017年度グッドデザイン賞受賞!
担当デザイナーが語る「狙い」と「想い」

受賞機種イメージ

「デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくこと」を目的に、製品やシステム、サービスなど有形無形にかかわらず、そのものごと(デザイン)の質を評価・顕彰しているグッドデザイン賞。2017年度は、その対象に当社の手がけた量販店様向けPOSターミナル「M-9000」と、専門店様向けPOSターミナル「QT-20シリーズ」が選ばれました。それぞれのプロダクトデザインを担当したデザイナーに、製品に込めた想いを聞きました。


小野泰弘

量販店様向けPOSターミナル「M-9000」 担当デザイナー
東芝テック株式会社 商品・技術戦略企画部
デザイン室 参事 小野 泰弘

──グッドデザイン賞受賞の報せを聞いた時の心境は。
小野 私たちの仕事は、何よりまずユーザーに気持ちよく使用していただけるものをつくることです。グッドデザイン賞は単なる見た目の美しさだけでなく、そういった使い勝手などの部分も含めた総合的なコンセプトが評価の対象となるので、それを認めていただいたことは非常にうれしかったです。

小西 今回私は、お客様のニーズを踏まえてどのような製品が必要とされるのかという、まさにコンセプトづくりの部分から携わりました。審査委員の評価を拝見すると、まさにその部分を評価していただいており、これは非常に大きな自信につながりました。


──そのコンセプトとは?
小西 「QT-20シリーズ」のターゲットとなるのは、アパレルや美容院など店舗インテリアにこだわりのある専門店様です。そこで求められるのは、空間に調和するデザイン性の高いPOSか、あるいは来店客に存在を感じさせない空間に溶け込むようなPOS。店舗のデザインに応じて選んでいただけるよう、この2つのアプローチをそれぞれ具体化して製品に落とし込みました。

小野 私の担当した「M-9000」は、店舗によって異なるさまざまな会計シーンを考慮してモジュールを組み替えられるフレキシブルなPOSをつくりたい、という商品企画部門からのオーダーが出発点でした。


小西正太

専門店様向けPOSターミナル「QT-20シリーズ」 担当デザイナー
東芝テック株式会社 商品・技術戦略企画部
デザイン室 小西 正太

──グッドデザイン賞の受賞は、今回が初めてですか?
小野 いいえ、何度か受賞させていただきました。2013年に受賞した「POS用スキャナシステム(IS-910T)」は、今回の「M-9000」とセットで使用する製品ですので、どちらも受賞できたことは非常に喜ばしく、ぜひ、多くの量販店様に併せて導入いただけたらうれしいです。


──開発過程で、デザイナーとして特に注力したことは?
小西 「この製品だからこそ実現できる価値」とは何なのかを、明確に言語化してデザインに落とし込むことです。私の所属するデザイン室だけでなく、製品開発担当者とも何度も話し合いを重ねながら、先ほどお話ししたコンセプトを固めていきました。

小野 「M-9000」は量販店様向けの製品。スピーディに会計を行える機能性を最優先とする中で、新たに加えたモジュールの組み換え機能に対応しつつ、シャープで高級感を与えられるフォルムを実現する、というのがデザイナーとしての挑戦でした。


──ご利用いただくお客様に向けて、メッセージをお願いします。
小野 セルフレジなどの導入が進み、会計の仕方も多様化が進んでいる時代にあって、店舗や設置場所に併せてフレキシブルに展開することができるPOSを「M-9000」では実現できました。デザイナーとしても、こうした時代の変化に合わせたチャレンジができることは大きな喜びです。多くのお客様に、さまざまなシーンにおいてこのフレキシブルなPOSの使い心地を実感していただきたいです。

小西 私たちにとってのゴールは、製品を発売することでも、賞をいただくことでもなく、お客様にご利用いただいて、そしてご満足いただくことです。自分なりにベストを尽くしたと自負しておりますが、それを決めるのは実際にご利用される店舗の皆様です。「良かった」「使いやすい」という声がいただければこれに勝る喜びはありませんが、厳しいご指摘なども真摯に受け止めさせていただきますので、どうぞ忌憚なきご意見をお寄せいただければ幸いです。

受賞のポイント

M-9000

量販店様向けPOSターミナル「M-9000」

モジュール組み換えを実現しつつ、見え方を意識

傾斜による流麗なフォルムは筐体の印象に優しさを与え、全体をコンパクト化し無駄がない。環境を形成するアイテムとして見え方を意識した機器づくりを目指している。様々な会計シーンを考慮し対応するモジュール組替えと、最適な機器構成を選択可能とした。商品サイクル期間の使用に耐えうるハードな耐久性と、経年変化による黄色劣化しない清掃用薬品に強いモールド材料を採用、初心者などに対する操作性の向上も計られている。

小野泰弘

■ デザイナーのこだわり

優しさや安心感を与える佇まい

食品スーパーで使用されるPOSの特殊な操作性・機器構成は、機器をリニューアルする度に洗練されてきた。その最適な操作性を損なうことなく踏襲しつつ、従来機とは異なる新しい明快なフォルムを目指した。売り場に合わせて機器構成を変更できるというモジュール機能を新たに加えたが、どのような構成でも操作性とデザインに破綻が生じないよう気を配った。決済に特化した業務用機器ではあるが、店舗の中に存在する機器として武骨さを感じさせず、優しさや安心感を与えるような佇まいを目指した。また、先に商品化された『POS用スキャナシステム(IS-910T:2013年度G賞ベスト100受賞)』と店舗内直近で設置運用されるシステム機器であり、デザインポイント(アイキャッチ)の統一を図った。

詳細:別窓https://www.g-mark.org/award/describe/45538?token=DltTU3P0Js



QT-20

専門店様向けPOSターミナル「QT-20シリーズ」

どんな店舗にも、雰囲気を壊さず調和

POS端末を単なる会計機器として捉えていては、店舗インテリアを構成する要素として必要とされない。どんな店舗にも雰囲気を壊さず調和して欲しい。存在を極力消す選択肢をもっている機器であるということを評価している。

小西正太

■ デザイナーのこだわり

理想の店舗空間実現に寄与するPOSを

POS端末が店舗インテリアに対するマイナスファクターと考えられている現状を変え、小売店が望む店舗空間の実現に、積極的に寄与するPOS端末にすることを目指した。POS端末が店舗で適正に使用されることで、接客品質の向上、ひいてはお客様の買い物体験自体の向上につながるのでは、という思いをこめてデザインを進めた。縦型の客面パネルについては、アイデアを実現するためにデザイナー自らが加工法や業者の選定を行った。

詳細:別窓https://www.g-mark.org/award/describe/45539?token=h6KuNvGdOq



※グッドデザイン賞Webサイト(上記の各リンク先)「審査委員の評価」および「デザイナーの想い」より引用しました。 (C)JDP、ウェブサイト:GOOD DESIGN AWARD、 URL:別窓http://www.g-mark.org

POSターミナル「M-9000」
商品紹介ページへ
POSターミナル「QT-20シリーズ」
商品紹介ページへ