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紙の雑学

紙は食べものではないけれど、食べられる紙もあるのです

エディブルペーパー、ウエハーペーパーという言葉を聞いたことがあるでしょうか?おもな原料は「でんぷん」だそうで、お菓子作りなどに使われています。ほぼ味はなく、食用インクで印刷したりフードペンで文字を書いたり、いろいろとたのしく使えるようです。

目次
  1. 紙の家に住んで紙を食べている?
  2. 本当に紙を食べたはなし
  3. まとめ

紙の家に住んで紙を食べている?

梅雨の季節です。なんとなくいろいろのものが湿っぽくなって、海苔がすぐにしけて困るとか、障子も襖もなんとなく張りを失ったと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この、障子や襖、そして海苔の存在は、海外の方には相当インパクトがあったようで、その昔日本を訪れた外国人は「日本人は紙の家に住んでいる」とか「日本人は紙を食べている」と言って驚いたと言われています。

たしかに海苔は作り方も紙に似ている

「紙って何?紙と紙でないものの違いはどこに?」でご紹介したように、紙とは「植物の繊維をほぐして水の中でばらばらにしたものを、薄く漉いて乾燥したもの」です。海苔も「海藻を水の中でばらばらにしたものを薄く漉いて乾燥したもの」ですから、よく似ています。でも海苔は海藻の葉(葉体)を漉いたもので「植物の繊維」ではないため、厳密には紙の定義にはあてはまりません。とはいえ、海藻を食べる習慣のない外国人にとって、黒い紙状のものをおいしそうに食べる日本人の姿は驚きだったのでしょう。

本当に紙を食べたはなし

紙の博物館編「紙のなんでも小事典」には、江戸時代後期の学者、佐藤信淵(さとうのぶひろ)が著書『経済要録』に記した「紙を食べたはなし」を紹介しています。

「天明の大飢饉のとき、家にたくさんあった古紙を水に浸け、よく蒸した上でほぐし、少しの糖と混ぜて餅として食べた。非常にうまかったので近所の人にも勧め、ついには村の寺にある大般若経や一切経をことごとく食べ尽くしてしまった。しかしそのお陰で、村の住人600〜700人が生き延びることができたそうです」

天明の大飢饉とは、1782年〜1788年にかけて起きた飢饉のことで、岩木山と浅間山が相次いで噴火して、噴煙によって日射量が低下して冷害をもたらしました。これによって農作物には壊滅的な被害が発生して、深刻な飢饉が起きたのです。

冒頭でご紹介した装飾のためのエディブルペーパーとは大違い。命を守るための紙だったのですね。

紙のようなものを食べる現代

現代でも、紙のようなものを私たちは食べています。それは食物繊維です。紙も食物繊維もセルロースを含んでいるという共通項がありますが、とはいえセルロースという共通項があるだけで、もちろん紙そのものではありません。

食物繊維は、消化・吸収されずに大腸まで達する食品成分です。便秘の予防、血糖値の上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度を下げるなどの効果が分かっています。ほとんどの日本人に不足している食品成分ですので、野菜など植物性食品から摂取することが勧められています。

その他にも、人工的に作られた「粉末セルロース」とよばれる植物繊維から作られる微粉末も摂取しています。粉チーズやとろけるチーズなどの乳製品に配合された粉末セルロースには、チーズ同士がくっつかないようにしたり、粘り気を出したりなどの役割があります。ダイエット効果のあるサプリメントとしても利用されています。

まとめ

いかがでしたか?
紙であったり、紙のようなものであったり、私たちの生活はいまでも紙と深い関係があるようですね。こんなに身近な紙なのですから、大切に使いたいですね。

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