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コロナ後の日本人の環境意識の変化は?
コロナ禍、わたしたちの暮らしは一変しました。しかし、新型コロナウイルスは生活様式だけでなく、人々の意識にも思わぬ変化をもたらしています。当記事では、コロナ禍において日本人の環境に対する意識がどのように変化しているのか、さまざまなアンケート調査をもとに考察したいと思います。
コロナ禍で見直される環境問題
年々、悪化の一途をたどる環境問題。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大によって各国が外出自粛制限をおこない、経済活動が停滞したコロナ禍では、環境改善に関するさまざまな報告が世界中から寄せられました。
アメリカ航空宇宙局(NASA)は、人工衛星による大気汚染の観測結果を発表。中国湖北省武漢市が封鎖された後、中国での大気汚染物質の二酸化窒素(NO2)の濃度が劇的に低下したことや、大気汚染が深刻なインド北部ではエアロゾル(大気汚染の原因とされる浮遊微小粒子)が過去20年で最低の水準であったことが明らかになりました。
くわえて、スモッグと大気汚染問題が切実なカリフォルニア州ロサンゼルスでも、健康被害を招く微小粒子状物質(PM2.5)の濃度が40%も減少したというニュースが報道されています。
これらはおもに、コロナ禍のロックダウン(都市封鎖)に関係した一時的な環境改善と考えられており、環境問題の根本的な解決とは言えません。ですが、人間の暮らしや経済活動が自然環境に大きな影響を与えていることを多くの人が実感する機会となりました。
新たな環境問題「コロナごみ」
一方で、「コロナごみ」と称されるコロナ禍特有のごみ問題も発生しています。
感染症の対策として、世界中で活用されるようになった使い捨てマスクや手袋、除菌用品。新型コロナウイルス感染症の拡大以降、こうした感染症対策用の衛生用品が世界各地の海や川で頻繁に見かけられるようになったのです。
不織布のマスクをはじめとして、「コロナごみ」のなかにはプラスチックでできているものがあります。それらが海や河川を漂流して劣化するとマイクロプラスチックやマイクロファイバーになることから、生態系への悪影響が懸念されています。
日本でも世界各国と同様に、コロナ禍で、海や河川に「コロナごみ」が目立つようになったという報道がなされています。
また、こうした問題以外に、デリバリーやテイクアウトが主流となったコロナ禍において、日本では食品包装用のプラスチックごみが大量に増加するという問題も起こっており、新型コロナウイルスは人間活動と環境問題の密接な関係をより明白にしたと言っても過言ではありません。
世界からみた日本の環境意識
コロナ禍以降、世界が環境問題に強い関心を示すなかで、日本は環境に対する意識にどのような変化があったのでしょうか?
まず、コロナ禍以前の日本に焦点を当ててみましょう。
過去の記事でも触れていますが、環境にまつわる世界的な統計からは、日本の抱える環境問題を垣間見ることができます。世界的にも上位に位置する日本の環境問題には、「1人当たりの二酸化炭素排出量」「プラスチックごみ排出量」「食品ロス」などがあげられます。
【二酸化炭素排出量/世界5位】
当ブログでも幾度となくお伝えしている気候変動や地球温暖化の問題。過去の記事『なぜ、企業は地球温暖化対策に取り組まなければならないのか?』でも触れた通り、過度な二酸化炭素の排出は気候変動の人為的要因とされています。
日本の二酸化炭素(CO2)排出量は世界5位、1人当たりの二酸化炭素排出量は世界4位です。また、二酸化炭素排出量にも関連する石油の消費量は、世界4位(1日当たりの石油の消費量)ということも特筆すべき点です。石油の消費量は、プラスチックの製造(マイクロプラスチックの問題)にも関係する事柄としても押さえておきたいところです。
【プラスチック包装容器包装廃棄量/世界2位】
国連環境計画(UNEP)が2018年に報告した報告書「singleUsePlastic_sustainability」によると、日本のプラスチック包装容器の廃棄量は世界第2位。一方で、日本の陸上から海洋に流出したプラスチックごみの排出量は世界30位とされています。しかし、上位に並ぶ中国やインドネシアは、日本がプラスチックごみを輸出している国であるという事実を忘れてはなりません。前途の通り、プラスチックの包装容器は、生態系の破壊や海洋汚染の原因とされるマイクロプラスチックの問題にもつながります。このため、環境省はプラスチックごみの問題を国内に周知し、その抑制につなげるアクションを広く呼びかけています。
【食品ロス/世界6位】
食品ロスとは、本来食べられるのに廃棄されてしまう食品のことを指します。
食品ロスは食べ物を無駄にするだけでなく、環境にも人々にも負荷を与えています。例えば、廃棄された食品を焼却や埋め立てる際に発生する温室効果ガス、食料の生産過程で起こる(大規模な農業や畜産業による)環境破壊や土壌汚染の問題、食品の製造や流通にかかる多量のエネルギーやコスト、人々の労働力などがあげられます。
農林水産省の資料では、日本の食品ロスは世界第6位。日本の食料自給率が38%(カロリーベース)という点を鑑みると、日本は他国から食料を輸入し、それを捨てているということになります。
コロナ後の日本人の環境意識は?
上記は、世界規模でみた際に日本が突出している環境問題の代表例となりますが、日本人の環境意識の希薄さを反映しているという見方もあります。他方で、環境意識は、「社会問題としての環境問題への意識」と「個人の環境配慮行動」が必ずしも一致するわけではないとの意見もあり、各方面でさまざまな調査や議論が展開されてきました。
しかし、コロナ禍以降、日本人の環境意識は確実に変わっているようです。
高まる環境意識
国際環境NGO団体グリーンピースが実施した環境問題への意識調査では、「新型コロナウイルス感染症の流行の前に比べて、環境問題や環境に配慮した持続可能な暮らしに、より関心を持つようになった」と回答した人は回答者全体の半数以上にのぼっており、人々の関心が高いテーマとして「気候危機・気候変動・地球温暖化(55.9%、)」「プラスチックごみ問題(44.4%)」、「ものを大切にすること(42.9%、)」「感染症と環 境問題の関係(40.6%)」があげられます。
さらに、同調査では、「コロナ禍を機に買い物をする際の意識や行動が変わった」と回答した人が6割以上を占め、そのうちの59.6%の人は、買い物をする際の意識や行動の変化について「あまり買い物をしなくなった・必要かどうかよく考えて買うようになった」と答えています。
自然環境に意識を向けるようになった都市部の人々
また、東京都が500人を対象におこなった自然環境に関する意識変化の調査(都政モニターアンケート結果 生物多様性について)からは、コロナ禍以降、回答者の約6割が「身近な屋外空間として公園や緑地の重要性を感じるようになった」と答えていることから、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、人々が自然環境に意識を向けるようになったと報告されています。
さて、ここまで、さまざまな調査結果をもとに日本人の環境意識についてお伝えしてきました。しかし、これらの調査結果はある物事の一側面にフォーカスしたものであり、環境破壊が進むなかでこうした調査結果以上に大切なってくるのは、“自分自身が環境問題と向き合い、どのようなアクションにつなげていくのか”ということではないでしょうか。
東芝テックの「Loops」は環境負荷の低減を目指し、ペーパーリユースシステムを搭載したハイブリッド複合機です。一度印刷した用紙を5回〜10回ほど繰り返して利用できるため、オフィスで発生する約60%の用紙を削減。廃棄物の低減にも寄与します。また、トータルコストの抑制や紙の製造に由来するCO2排出量の削減にも有効です。