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ペーパーレス

需要が減っているはずなのに、印刷用紙の価格が高騰する理由とは?

新型コロナウイルス感染症をきっかけにテレワークが浸透し、業務のペーパーレス化はもはや、珍しいことではありません。そして、ペーパーレス化によって電子文書のやりとりが日常的になった現在、印刷用紙の需要は以前に増して減少傾向にあります。しかし、印刷用紙の需要は減っても、その価格は依然として上昇傾向にあります。需要が減っているのにも関わらず、なぜ印刷用紙の価格は高騰しているのでしょうか?当記事では、その理由を探りたいと思います。

需要が減っているはずなのに、印刷用紙の価格が高騰する理由とは?

目次
  1. 需要と供給のバランスで決まる「価格」
  2. 印刷用紙の需要と価格推移
  3. コロナ禍のペーパーレス化が印刷用紙の需要減少に拍車をかける
  4. 需要減でも価格が高騰する印刷用紙
  5. 印刷用紙が値上がりしている理由とは?
  6. コロナ禍で変わる紙への意識

需要と供給のバランスで決まる「価格」

需要と供給のバランスで決まる「価格」イメージ

印刷用紙に限ったことではなく、モノの価格は需要と供給のバランスによって決まります。
まず、モノの価格の決まり方についておさらいしていきましょう。

需要とは「消費者が商品を買おうとすること」であり、一方、供給とは「生産者が商品を売ろうとすること」です。

それを表した図が、下記の需要曲線(Demand)と供給曲線(Supply)のグラフです。

以下のグラフの需要曲線(Demand)は消費者を表しており、「価格が安いほど買いたい」という人が多くなります。供給曲線(Supply)は生産者を表すもので、「価格が高いほど売りたい」という人が多くなります。

グラフ

すなわち、需要曲線からは、「商品を買いたい」という消費者が多ければ商品の価格は高くなり、「この商品はいらない」という消費者が増えれば商品の価格は安くなることが読み取れます。

一方、供給曲線からは、「商品を売りたい」という生産者が多ければ商品の価格は安くなり、「商品を売りたくない(希少性があって多く売ることができない等)」という生産者が増えると、商品の価格はおのずと高くなります。

そして、両者の事情を同時に満たすのが、需要曲線と供給曲線が交わる「均衡点(Equilibrium)」という値で、「均衡点」から導き出される価格を「均衡価格」と呼びます。均衡点は取引が成立する値と定義されており、モノの価格はこうした仕組みのなかで決められていきます。

印刷用紙の需要と価格推移

イメージ

では、次に、上記の仕組みを「印刷用紙」に当てはめて考えてみましょう。

印刷用紙の需要は、人口減少・少子化・ICT化などの構造的な要因から、年々減少傾向にあります。日本製紙連合会(製紙産業の現状)によると、過去10年間で印刷・情報用紙の需要(内需)は年間900万トン台から700万トン台に推移しており、それに合わせて生産量も落としています。

また、昨今の社会状況から、印刷用紙の需要は今後大幅に減少していくことが予測されていますが、その大きな要因が業務のペーパーレス化です。

コロナ禍のペーパーレス化が印刷用紙の需要減少に拍車をかける

業務のペーパーレス化については、プリンター用紙にかかる膨大なコストを削減できるというメリットがあることから、以前よりさまざまな会社が高い関心を示していました。しかし、ペーパーレス化には課題が多々あり、導入に足踏みをする企業も少なくありませんでした。

ところが、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、人々は働き方の改革を迫られ、多くの会社がテレワークを導入。それと並行して、各所では業務のペーパーレス化が進みました。紙文化が根強く残っていた公官庁までもがテレワークやペーパーレス化に乗り出したこともあり、印刷用紙の需要は急速に落ち込みつつあります。

さらに、業務のペーパーレス化のほかにも、パンデミックによる経済活動の停滞が印刷・情報用紙の需要の激減に拍車をかけました。
イベントをはじめとして、販促や宣伝活動が軒並み中止となったコロナ禍では、広告や店舗ポスターなどの販促・宣伝に使用される印刷物も激減。その影響は、出荷量に如実に現れており、2020年の紙・板紙の国内出荷は、大きく減少し、リーマンショック直後に匹敵する数値まで下落しています。

製紙業界では、新型コロナウイルス感染症の影響を外しても、将来的に印刷用紙の市場が縮小していくことが予測されていましたが、コロナ禍をきっかけとして、今後、急速に印刷用紙の需要が落ち込むとの見方を示しています。

需要減でも価格が高騰する印刷用紙

需要減でも価格が高騰する印刷用紙イメージ

少子高齢化やIT化などの構造的要因と新型コロナウイルス感染症の影響が相まって、需要減少の一途を辿る印刷用紙。さて、価格はどのようになっているのでしょうか?

前途した需供の仕組みを照らし合わせると、需要が少なくなっているため、コピー用紙の価格は値下がりしていると考えられます。ところが、実際には、仕組みとは逆に、コピー用紙は値上がりしています。

2019年に製紙会社大手3社が情報・印刷用紙の価格を10%〜20%の値上げに踏み切ったことは大きな話題を呼びましたが、実のところ、それ以前から、印刷・情報用紙は値上がりを続けています。ある大手製紙会社では、2006年から断続的に印刷・情報用紙の価格を約10%前後値上げしていますが、他の製紙会社も足並みをそろえています。

印刷用紙が値上がりしている理由とは?

印刷用紙が値上がりしている理由とは?イメージ

このように、印刷用紙は年々需要が減少しているのにも関わらず、なぜ値上がりを続けているのでしょうか?

じつは、その背景には、印刷用紙の値上がりには、原材料や物流コストの高騰がありました。近年、印刷用紙の原材料となるチップや古紙、重油、薬品等の原燃料価格が高騰している状況が続いています。なかでも古紙は、海外からの需要が高く、その影響から高値を維持していると言われています。

この現状にある製紙会社は、“想定した以上に原材料が高騰し、大幅なコストアップから、その一部を製品価格に転嫁せざるを得ない”としており、このような事情から印刷用紙は需要の低迷に反して値上がりを続けているのです。

コロナ禍で変わる紙への意識

コロナ禍で変わる紙への意識イメージ

製紙産業に大きな影を落とした、新型コロナウイルス感染症。しかし、新型コロナウイルスは、情報・印刷用紙の急速な需要低下を招いた一方で、今までにはなかった新たな紙の需要を生み出しました。それが、通販による段ボールの需要と紙製の環境関連商品や感染症関連商品の需要です。

新しい生活様式やコロナ禍で高まった環境意識をきっかけに誕生した「抗ウイルス用紙」や「環境に負荷のない新素材(セルロース)」の開発、脱・プラスチックを掲げた紙製のストロー・弁当容器・フルーツトレーなどの紙製品は、まさに、その一例と言えます。

製紙会社は現在、ビジネスモデルの転換を図っており、以前の収益の主軸であった印刷・情報用紙の生産から環境関連商品や感染症関連商品の企画や生産へとその軸足を移しています。

ますます、値上がりを予感させる印刷用紙。今後、さらに大切な資源となっていくことが予想されます。したがって、印刷用紙のコストカットや使用の抑制に向けては、引き続き、臨機応変に最善の対応をおこなうことが求められそうです。

東芝テックの「Loops」は、業務のペーパーレス化に有効なハイブリッド複合機です。印刷用紙の低減と環境負荷軽減を目的として、印刷用紙を繰り返し使えるペーパーリユースシステムを採用しています。1枚のコピー用紙を5回~10回程度使用でき、1枚のコピー用紙を5回再利用した場合、一般的な複合機と比較すると約60%もの用紙を削減。印刷用紙のコストカットと紙廃棄物の抑制につながります。
また、2つの印刷モード「残す印刷」「消せる印刷」を使い分けることで、一度印刷した用紙を繰り返し使用できるだけでなく、残したい文書を従来の複合機同様に印刷することも可能です。「Loops」の消色装置は再利用できる紙とできない紙を自動仕分けするため、手間やストレスなく誰でもペーパーリユースに取り組めることも利点です。

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