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SDGs

「サスティナブル」とは?意味や語源、提唱の経緯と「SDGs」までの流れを振り返る

これからの社会を考えるうえで欠かせない、「サスティナブル」という概念。昨今のSDGsの認知の高まりによって、その言葉は多くの人に知られるようになりました。環境保全と社会の成長を目指した次世代を切り拓くキーワードとしても、徐々に認識されています。今回は「サスティナブル」という言葉に焦点をあて、その意味や誕生の経緯に照らし合わせ、環境問題の流れについて振り返ります。

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目次
  1. サスティナブルの「意味」や「語源」とは?
  2. 「サスティナブル」という言葉の誕生
  3. 「サスティナブル」の提唱と、国際社会の動き
  4. サスティナブルという価値観を世界に浸透させた「SDGs」

サスティナブルの「意味」や「語源」とは?

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サスティナブル(sustainable)とは、英語で「sustain(持続する)」+「able(~できる)」を組み合わせた造語です。
環境・社会・経済に負荷が少なく、“その状態を将来にわたって持続していくことが可能な様子”を表しており、日本語では『持続可能な』という意味を持ちます。

言葉の使い方としては、「サスティナブルな社会」「サスティナブル経営」「サスティナブルマーケティング」「サスティナブルファッション」「サスティナブルライフ」のように、サスティナブル以降の単語の持続可能性を示す用途で用いられます。

こうした形容詞のサスティナブル(sustainable)に対して、名詞形のサスティナビリティー(sustainability)もあり、日本語では『持続可能性』と訳されています。

また、単語としてだけなく、その言葉が概念化し、豊かな人間社会を将来にわたって継続させる上では欠かすことのできない、環境保全と社会成長の両立を促す物事の基本的な考え方としても認識されています。

「サスティナブル」という言葉の誕生

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ところで、サスティナブルという言葉が誕生したきっかけをご存知でしょうか?じつは、この言葉は1980年代に登場しています。

サスティナブル(sustainable)が世に広まるきっかけとなったのは、日本の提唱で設立されたWCED(環境と開発に関する世界委員会)における報告書です。

WCEDは、1987年に『Our Common フューFuture(我ら共有の未来)』という報告書を発表。同報告書は、地球環境破壊の深刻さをデータに基づいて伝え、人間社会の破局を警告します。そして、その破局を避けるには、人類は「持続可能な開発」という考え方に基づいた行動に転換する必要があるということを訴えます。

当時、この報告がWCEDの委員長であったブルントラント・ノルウェー首相によって発表されたことから、同報告書は「ブルントラント・レポート(ブルントラント報告書)」とも言われています。

外務省によれば、同報告書の「持続可能な開発」とは、“将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発”を指し、この概念は“環境と開発を互いに反するものではなく共存し得るものとしてとらえ、環境保全を考慮した節度ある開発が重要である”という考えに立つとしています。

以降、「サスティナブル」は地球環境問題の克服と新たな人間社会を構築する上での指針として、世界に大きく広まっていきます。

「サスティナブル」の提唱と、国際社会の動き

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ここで、サスティナブルの提唱と国際社会の動きを照らし合わせてみましょう。
以下は、サスティナブル提唱の経緯にフォーカスし、国際的な地球環境問題への取り組みの流れを整理したものです。

1972年(昭和47年)
・「成長の限界」をローマクラブが発表したことで、地球環境問題が国際社会で環境問題への取り組みが始まる。
・国連が主催する初めての環境問題に関する国際会議「国連人間環境会議」が開催。
環境問題に国際的に取り組むことの必要性を謳った「人間環境宣言」を採択。国連では新たに「国連環境計画(UNEP)」が創設される。

1980年(昭和55年)
・自然保護に関する戦略計画書「世界自然資源保全戦略(World Conservation Strategy)」において、初めて公式に『持続可能性』という概念が登場する(※)。
(国連環境計画[UNEP]、国際自然保護連合[IUCN]、世界自然保護基金[WWF]の協力で策定)

1987年(昭和62年)
・環境と開発に関する世界委員会(WCED)にて、「サスティナブ(sustainable)」の概念が打ち出される(ブルントラント・レポート)。

1992年(平成4年)
・国連環境開発会議(地球サミット)が開催され、「リオ宣言」や「アジェンダ21」が採択される。
2000年(平成12年)
・国連ミレニアム・サミットを開催、SDGsの前身となる「MDGs(ミレニアム開発目標)」を採択。
2002年(平成14年)
・持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)、通称・ヨハネスブルグ・サミットにて「アジェンダ21」の見直しを実施。

2012年(平成24年)
・国連持続可能な開発会議(リオ+20)が開催され、「アジェンダ21」のフォローアップと「グリーン経済」の必要性が強調される。

2015年(平成27年)
・「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」が採択され、「SDGs17の目標」が全世界に共有される。

『成長の限界』への気づきから「SDG」誕生へ

上記の時系列からわかるように、国際社会では、ローマクラブが1972年に発表した報告書『成長の限界(The Limits to Growth)』をきっかけとして、環境問題が本格的に議論されるようになりました。

ローマクラブは、イタリアにあるオリベッティ社の副社長だったアウレリオ・ペッチェイ氏が設立した民間組織で、科学者、経済学者、教育者、経営者によって構成されています。その目的を、地球規模の危機を回避する道の探索として、最初の報告書である『成長の限界』は、マサチューセッツ工科大学のデニス・メドウズ氏やヨルゲン・ランダース氏などによる国際チームから公表されました。

同報告書は、「人口増加と工業投資がこのまま続けば、地球上の資源は枯渇し、環境汚染は自然が許容できない範囲まで進行し、100年以内に人類を含む地球上の成長は限界に達する」と伝えており、「人口増加」と「環境汚染」が誘発する地球規模の危機に大きな警鐘を鳴らしたことで、世界的に大きな注目を集めました。

その後、1980年に公表された「世界自然資源保全戦略(World Conservation Strategy)」にて、『持続可能性』という言葉が初めて公式に登場し、先述したブルントラント・レポート(1987年)によって、「サスティナブル(sustainable)」の概念が明確化されることとなります。そして、その概念をルーツとしたSDGs17の目標が全世界へと共有されました。

サスティナブルという価値観を世界に浸透させた「SDGs」

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国際社会における環境問題対策の歩みは、「サスティナブル(sustainable)」なしには語れません。「サスティナブル(sustainable)」という言葉は、SDGsの採択によって多くの人が知るところとなりましたが、その概念を知らずしてSDGsを理解することは不可能です。

サスティナブル(sustainable)はSDGsと組となる言葉であり、SDGsはサスティナブル(sustainable)という概念によって支えられていることを把握しておきましょう。

なお、SDGsについては過去の記事でさまざまなテーマをお届けしていますので、ぜひご覧ください。

「サスティナブル=ブーム」は勘違い

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さて、サスティナブル(sustainable)という言葉が広がる一方で、その急速な関心の高まりから、ブームとして認識する人もいます。

サスティナブル(sustainable)を「ブーム」として捉えてしまうと、その概念の継承がおこなわれず、実際の行動が持続可能性の本質から逸れてしまう恐れがあります。
また、ブームのような盛り上がりに便乗し、「サスティナブル(sustainable)」をブランディングや自身の利益のためだけに利用する行為や、グリーンウォッシュの誘発にもつながります。
「サスティナブル=ブーム」という考え方は、こうした危うさを内包しているということを、一人ひとりが認識する必要があるのです。

サスティナブル(sustainable)を一過性のブームとしてではなく、今後の社会に必要とされ続ける概念として捉えることが大切です。その一歩として、まずは日常生活にサスティナブル(sustainable)の考えを取り入れ、無理なくできることから環境対策などに向き合ってみると良いかもしれません。

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