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紙の雑学

伝統ある切り紙、東北地方の一部にだけ見られる網飾りとは?

鮮やかな手さばきでハサミを扱い、あっという間に一枚の紙からきれいな絵柄を創りだす「紙切り」。 伝統芸能の一つですが、江戸時代に演芸として始められたとされます。そのもととなったであろう「切り紙」をご紹介します。

目次
  1. ユネスコの世界無形文化遺産にも登録された「剪紙(せんし)」
  2. 正月飾りや神楽などに用いられる「伝承切り紙」
  3. まとめ

ユネスコの世界無形文化遺産にも登録された「剪紙(せんし)」

紙切りのように一枚の紙から形を切り出す文化は世界各国で見られます。もっとも有名なのは中国の「剪紙」でしょう。2009年、ユネスコの世界無形文化遺産に登録され注目が集まるようになりました。5〜6世紀の南北朝時代には剪紙の記録が残っているといいますから長い歴史のある工芸です。 剪紙は、6〜8世紀頃に仏教の伝来とともに日本に伝わってきたといわれています。古代中国の切り紙に関連する資料が、正倉院の宝物として残っているそうです。また一説には、弘法大師が中国からもたらし、高野山開山の際に飾ったともいわれています。

※網飾りの一例。ネット通販で「型紙」をかうこともできます。

正月飾りや神楽などに用いられる「伝承切り紙」

剪紙は中国を代表する手工芸品として暮らしに溶け込みながらも、近年では観光産業化しています。一方、日本の切り紙は、正月飾りや神楽などに用いられ、今日に至っています。これを一般的な切り紙と区別するために「伝承切り紙」と呼んでいます。 伝承切り紙は、大きく分けて三つのタイプがあります。一つが平面的な図柄である「切り透かし」、それに対して立体的な「御幣(ごへい)」と「網飾り」です。御幣は全国的に見られますし、切り透かしも広い範囲で見ることができます。でも網飾りは、東北地方の一部でしか見られない、独特の切り紙です。

幾重にも和紙を折りたたんでつくる網飾り

網飾りは、和紙を何度も折りたたんで小刀などで複雑な切り込みを入れてつくります。それをゆっくりと開いていくと、網のように広がった和紙に鯛などの縁起物が現れます。網飾りは1年間飾られた後は、どんど焼きで燃やしてしまうので、古いものはほとんど残らないのです。

2010年、南三陸町を飾った「きりこ」

2010年の夏の終わり、宮城県南三陸町のJR志津川駅から「おさかな通り」まで約1キロの街並みは約650枚もの白い切り紙で華やぎました。この地方で、正月飾りとして神職の手で作られてきた切り透かし「きりこ」をモチーフとしたアートプロジェクトでした。「きりこ」で町を盛り上げようとしたその矢先、東日本大震災によって「きりこ」を飾った街並みは跡形もなく流されてしまいました。 被災後、その絵柄を白いボードにし、大型のきりこパネルが町内数カ所に設置されました。パネルの展示は、震災1年半に当たる2012年9月11日までの予定でしたが、大きな反響を受け展示を継続することとなりました。パネルはすべて、海に向かって掲げられています。

まとめ

いかがでしたか?
伝承切り紙の物語を感じていただけたでしょうか?伝承切り紙の型紙や、もっと手軽な切り絵のハウツー本も何冊か出版されています。休日にトライしてはいかがでしょう。

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