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木で紙を作る手法はスズメバチに学んだ?

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生物の機能や身体の構造を参考に先端技術を開発する、バイオミメティクス(生物模倣)が盛んに行われています。パルプを原料として紙を作ることも、ある意味ではバイオミメティクスの一例です。このアイデアは、ある博物学者が18世紀に発表したものです。しかし、実際にその方法で紙が量産化されるまでには、百数十年を要しました。

 

[木から紙を作るようになったのは意外と最近]

以前の記事「紙って何?紙と紙でないものの違いはどこに?」でもご紹介したとおり、西暦105年に中国の蔡倫(さいりん)が、後漢の皇帝であった和帝に紙を献上しました。この紙は、樹皮や麻、漁網などを細かく切り、餅をつく要領で繊維を細かく砕いて漉いたもので、蔡侯紙(さいこうし)と呼ばれました。

この製法は、長い間、大きく変化することなく継承され続けました。

現在では、紙は木材を原料としてつくられますが、これは比較的最近になってからのことです。しかもそのきっかけは、昆虫に魅せられた博物学者がスズメバチの巣を観察するうちにひらめいたというエピソードが残されています。

 

[さまざまな業績を残したレオミュール]

その博物学者とは、1600年代の後半にフランスで生まれたルネ・レオミュールです。レオミュールは、水が氷になる温度と沸騰する温度との間を80等分するレオミュール度を発明したり、鉄や鋼の精錬法を考案したり、さまざまな業績を残しています。そして、6巻からなる『昆虫誌』の作者としても有名です。

 

21img_b.jpg[スズメバチは木で巣を作る]

熱心にスズメバチの巣を観察していたレオミュールは、ある日、スズメバチが作るドーム型の巣が、枯れ木を材料に作られていることに気づきます。そしてその巣が、紙によく似ていることを発見しました。 ミツバチの巣は、働き蜂が分泌する蜜ろうでできています。それに対してスズメバチは樹皮やもろくなった木材をかみ砕き、唾液と混ぜて巣を作っていたのです。

1719年、レオミュールはこの研究結果を、フランス王位アカデミーで発表しました。

「蜂は森の木から繊維を取りだし、非常に良い紙が作れることを、われわれに教えてくれる。ぼろ布や麻でなく、木材を原料として紙が作れるのではないか」と提案したのです。

 

[百数十年後に実現した量産化]

せっかくのアイデアでしたが、レオミュール自身も他の人も、それを実行に移すことはなく、時間だけが過ぎていきました。

レオミュールの発表から50年近く過ぎた1765年、ドイツ人のシェッフェルが、スズメバチの巣を材料に紙を作ることに成功しました。それからまた長い年月が過ぎ、1840年にはドイツ人のケラーがパルプを人工的に製造する方法を見つけました。さらにケラーは、1854年には、パルプを量産するために木材を細かく砕く砕木機を開発。ようやく木材を原料として紙を大量に製造できるようになったのです。

 

いかがでしたか?

紙といえば、木を原料としてパルプから作るものと思いがちですが、その歴史はまだ200年にもなっていません。しかもその着想は、スズメバチの巣作りにあったというのですから驚きですね。

 

 

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