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中性紙や酸性紙はあるのに、なぜアルカリ紙はないのでしょうか?

謎が謎を呼ぶ、紙の化学。

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紙には「製紙用薬品」と呼ばれるさまざまな薬品が使われています。代表的なものが、サイズ剤、填料(てんりょう)、紙力増強剤などです。こうした薬品がどんな働きをしているのか、みていきましょう。

 

古くから洋紙を利用してきた欧米では、ペンを用いてインクで文字などを書くため、インクの「にじみ」をおさえる必要がありました。そのため松ヤニを精製して作るロジンを、硫酸バンドで紙に定着させていました。紙に薬品を使うことは、古くから行われていたのです。

06img_b.jpg[水性インクなどのにじみを防ぐサイズ剤]

サイズ剤は、水性インクなどのにじみを防ぐ目的で利用される薬品で、酸性サイズ剤と中性サイズ剤があります。前述した硫酸バンド+ロジンサイズは、代表的な酸性サイズ剤で、新聞紙や雑誌用紙などによく用いられます。ただし酸性であるため、紙の寿命が50〜100年と短いことが課題です。 中性サイズ剤には、アルキルケテンダイマー(AKD)などが用いられ、紙の寿命は酸性紙の4〜6倍といわれます。

[中性紙は実はアルカリ性?]

中性紙は英語で「alkaline paper」といいます。つまり、アルカリ性紙ですね。実は中性紙は、紙を抄く工程で紙の原料を弱アルカリ性のpH7〜8くらいに調節して製造します。そのため、厳密にはアルカリ性紙と言ったほうが適切ですが、日本では一般に中性紙と呼ばれているのです。

[繊維の隙間を埋める填料]

填料は、紙の平滑度や白色度、不透明度などを高める目的で使われます。タルク、カオリン(白土)、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウムなどのほか、有機系填料として尿素樹脂も使用されています。 填料を含んでいないティッシュペーパーは、燃やしても灰がほとんど残りませんが、填料を含んでいる紙は灰が多く残ります。

[紙の強度を高める紙力増強剤]

紙力増強剤は、紙の強度を高くするために用いるものです。引っ張り強度など、紙の乾燥強度を高める薬品にはデンプンや高分子化合物であるポリアクリルアミドなどが使われます。また、紙が水に濡れたときの強度を高めるものには、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂などの湿潤紙力剤が使われています。

 

いかがでしたか?

難しい単語が多く出てきましたが、紙の機能を高めるためにさまざまな薬品が使われていることがおわかりいただけたでしょうか?

紙の化学、まだまだ奥が深そうですね。

 

【参考文献】

おもしろサイエンス 紙の科学

半田伸一 監修