2000円と1980円 売上が大きいのはどっち?
数ある商品やサービスの中から、私たちはなぜそれを選んでしまうのか?
2024年2月26日
流通お店づくりトピックス
■業種・業態:小売業
■キーワード:イチキュッパ/端数価格/威光価格
「イチキュッパ」がよく使われるワケ
小売店や飲食店に行くと、980円、1980円、2980円といった、端数が80で終わる値付けが多いことに気づきます。1000円未満の商品も、298円、398円など、キリのよい数字からほんの少し安い価格が付けられていることがよくあります。
これにはどんな理由があるのでしょうか。なぜ1000円、2000円というキリのよい数字の値付けは少ないのでしょうか。
私たちは価格を上の桁から読むため、1980円の場合、1という最初の数字が頭に残ります。そのため、2000円とは20円の違いしかないのに、1000円台という印象が強くインプットされ、実際の差以上に安く感じてしまいます。
また、「イチキュッパ」「ニイキュッパ」というゴロのよさは印象に残りやすく、1000円札で支払うとお釣りがくるというお得感もあります。
こうしたキリのよくない価格を「端数価格」といいます。端数価格がお客様の購買を促し、結果的にトータルでの売上も大きくなることが多いのです。
高級イメージを出すならキリのよい値付け
一方、5000円、1万円などのキリのよい数字に、私たちは実際の価格以上に「高い」という印象を持ちます。これを「威光価格」と呼びます。この効果をうまく利用しているのがブランド品です。
宝飾品やクルマなど、高級なイメージで売り出したい商品は、80万円、1600万円といったキリのよい数字が付けられます。ブランド品は、購入者の優越感や自己顕示欲に訴えるため、その商品が安いと感じられては逆効果になるからです(ヴェブレン効果※)。
一方で、同じブランド品でも中古の場合は、お客様が安さを求めるため、端数価格が選ばれます。
※価格が高いほど見せびらかしたい心理が働き、需要が増加する現象のこと。顕示効果ともいう
※当記事は2022年4月時点のものです。
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