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2023年8月7日
奥間青果
手打ち方式から“商品名をタッチ”に移行 レジの増設でレジ待ち行列の課題を解消
市民の台所を支える繁盛店はレジ待ち行列緩和が課題に 販売副部長 大嶺 一機氏

那覇市のメインストリートである国際通りを起点に、南に続くアーケード商店街は、観光スポットとしても有名です。土産物店や個性的な洋品店、そして沖縄の食文化が一堂に会する牧志公設市場でのショッピングは沖縄旅行の魅力の一つです。

国際通りから南に400メートルほど進んだ先の太平通り商店街にある奥間青果

国際通りから南に400メートルほど進んだ先の太平通り商店街にある奥間青果

店内や軒先にところ狭しと並べられた商品は、毎朝市場で仕入れる沖縄県産が中心です

店内や軒先にところ狭しと並べられた商品は、毎朝市場で仕入れる沖縄県産が中心です

公設市場を越え、アーケード商店街をさらに南に進むと、やがて現れるのが太平通り商店街。定食屋や惣菜店、島かまぼこ専門店が軒を連ねる、昔ながらの商店街です。終日、地元の人々で賑わう繁盛店が並ぶ商店街、奥間青果はその中にあります。

毎朝市場で仕入れる、新鮮な島野菜やシークァーサー、マンゴーといった沖縄県産フルーツがどこよりも安く手に入ることが人気の理由。値段もさることながら、一束のボリュームにまず驚かされます。

「コロナ禍前は沖縄県産フルーツ目当ての観光客も多かったのですが、今は完全に地元客が中心ですね。ここに店を構えて40年近くになりますが、観光客で賑わいはじめた公設市場はあえて避け、地元の人の利用を考え、この商店街を選んだ、とオーナーからは聞いています」と説明するのは販売副部長の大嶺 一機氏。

地場スーパーの撤退もあり、一帯がスーパー空白地帯になる中、市民の台所の役割を担い続けています。顧客には近隣の飲食店も多く、初めて訪ねた居酒屋で、実は店長や店員と顔馴染みだったことが少なくないとか。

営業時間は9~17時。午前は仕込み前の飲食店さんの仕入れで賑わい、午後は夕飯の買い物への対応に追われるというのが一日の大まかな流れ。こうした中、2台の電子レジスター「MA-550」で対応してきた混雑時のレジ前行列の緩和は、大きな課題であり続けていました。

解決に向けレジ増設を検討しましたが、そこには一つの問題がありました。青果の値段は、仕入れ値や特売に応じて日々変化します。奥間青果の場合、日々レジスタッフが値段を暗記してレジに手入力することでそれに対応していたのです。

「値札シールやバーコードを一品一品に貼付するのは、新鮮な商品を少しでも安くお客様に提供するという我々の仕事からは現実的な選択肢ではない、というのが正直なところです。店内の全商品にバーコードを貼付しようとすると、あっという間に1ロールを使い切ってしまいますからね」

奥間青果が取り扱う品目数は100品目を超えることも珍しくありません。その値段を暗記してレジに手入力する仕事はベテランスタッフにしか任せられません。もちろん、入力ミスやお釣りの間違いもあったそうです。そのためレジの増設は、業務の省力化とあわせて考える必要がありました。さらに、コロナ禍を受けた非接触のレジ運用も課題の一つだったといいます。

回、取材に応じてくださったのは、奥間青果 販売副部長 大嶺 一機氏

今回、取材に応じてくださったのは、奥間青果 販売副部長 大嶺 一機氏

東芝テックのPOSシステムの追加導入が、人手不足の解消と業務効率の改善に貢献しました

東芝テックのPOSシステムの追加導入が、人手不足の解消と業務効率の改善に貢献しました

レジの価格登録機能で青果店が直面する課題を解決

値段の変更をアナウンスし、それをレジスタッフに覚えてもらうことから始まっていたレジ業務の改善に向け、奥間青果が選択したのは、飲食店向けのPOSシステムとして開発されたFScompassの活用でした。

料理や飲み物を事前に登録しておくことで、レジ画面上で名称をタッチするだけで会計処理が行える機能を活用し、野菜や果物の値段を登録しておけば、レジスタッフが値段を覚える必要がなくなります。

ハード面は、専門店向けPOSターミナル「QT21-T」と自動釣銭機「VITESE(ヴィッテス)VT-330」によるセミセルフレジを採用。お客様との間の現金のやりとりを不要にすることで、お釣りの渡し間違いと感染症対策という従業員の二つの不安を解消しました。

POSシステムを2セット追加することが、お釣りの渡し間違いと感染症対策に貢献
POSシステムを2セット追加することが、お釣りの渡し間違いと感染症対策に貢献

MA-550を1台残し、新たに2セットのセミセルフレジを導入する3台体制を採用した点にも理由がありました。

「当店の場合、ご高齢のお客様も多いので、セミセルフレジの利用が誰でもスムーズに行えるわけではありません。それも考慮し、従来のレジを1台残すという判断をしました。実際、セミセルフ会計に戸惑うお客様は多いですね。少しでも待ち時間を減らすため、会計に時間が掛かっているお客様がいる場合は次のお客様をMA-550のレジに誘導して会計を行うなど、柔軟な運用を行っています」

ハイブリット構成で、お客様の「使い方が分からない」にも対応

新システムへの移行は、100品目に及ぶ商品の値段を覚える必要なく、誰でもレジ業務が行える環境の実現につながりました。それに加え、レジ入力のミスや釣銭ミスの削減、レジ締めの省力化も大きな効果です。その一方で、お客様の反応という面では課題も少なくないのが実情です。

「うちの場合、初めて使うお客様は必ず『これ、どうやって使うの?』という質問から入るんですよ。『あの店はセミセルフだから行きたくない』と言われても困りますから、やはり従来のレジは今後も必要になると感じています」

3台体制への移行で完全にレジ待ち行列が解消できたわけではありませんが、スペースの都合もあり、レジ打ちと袋詰めの2名体制を必要に応じて取ることで改善を図っていく考えです。FScompassとセミセルフレジにより実現した、レジ業務を誰でも即座に担当できる環境は、人手不足という課題への対応でも大きな役割を果たすことが期待されています。

国際通りから南に400メートルほど進んだ先の太平通り商店街にある奥間青果

3台体制のPOSシステムは、レジ待ち行列の解消と誰でもレジ業務ができる環境を実現

店内や軒先にところ狭しと並べられた商品は、毎朝市場で仕入れる沖縄県産が中心です

ご高齢のお客様のために従来のレジを1台残すことで柔軟な運用を行っています

<お客様情報>

  • お客様名称:

    那覇市太平通り商店街 奥間青果

  • 所在地:

    沖縄県那覇市松尾2‐24‐11

  • 電話:

    098-862-6514

  • 営業時間:

    9:30~18:00

  • 定休日:

    日曜日

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