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リサイクル率95%以上!
用途が拡大する段ボールとSDGsの関係性

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コロナ禍でEC市場が成長するのに伴い、段ボールの需要が増えています。段ボールは、リサイクル率が高く、CO2排出も少ない素材。そのため、消費者向けの梱包物の配送や業者間の梱包物の運輸だけでなく、災害や小売の現場でも注目を集めています。

SDGsの目標達成に向けて取り組みが活発化するいま、段ボールを積極的に採用することは非常に有効といえるでしょう。今回は、段ボールのリサイクル率やSDGsとの関係性、SDGs目標達成のための取り組み例についてご紹介します。

段ボールのリサイクル率とシンボルマーク

段ボールが誕生したのは、1850年代。梱包材・包装材として注目され、現在では青果物から精密機器まであらゆるものが段ボールで梱包されて世界に流通しています。

ご存知の方も多いと思いますが、段ボールは、リサイクルが100%可能な紙資源です。日本では段ボールのリサイクルが積極的に行われており、リサイクルシステムが確立。家庭や企業からの段ボールの回収率は、95%以上といわれています。

回収された段ボールは、段ボール製品の主原料である段ボール古紙となり、その後、製紙工場と段ボール工場でリサイクルされて新しい段ボールに生まれ変わります。このように、古紙回収・製紙・段ボール加工の3つの業界が支え合い、循環システムを形成しているのです。

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左記は、国際段ボール協会(ICCA)によって制定された「国際的に共通な段ボールのリサイクル推進シンボル(略称:段ボールの国際リサイクル・シンボル)」に準拠したマーク。世界共通のシンボルで、ひと目でリサイクルできる素材だと見分けられるようになっています。

これによって、消費者の分別排出が容易になるほか、市町村の分別回収が促進され、異物の混入が避けられリサイクルの品質が向上するといったことが期待できます。

段ボールはSDGsのどのゴールに貢献する?

近年、CO2排出量の問題、プラスチックごみの問題、そして、SDGsの提言による世界的な意識の高まりなどから、段ボールをはじめとする梱包材に注目が集まっています。ここでは、段ボールに関係するおもなSDGsの目標についてご紹介します。

12「つくる責任、つかう責任」

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目標12「つくる責任、つかう責任」は、持続可能な生産と消費の形態を確保する仕組み作りを目指すもの。段ボールはリサイクル性が高く、製造時に有害な化学物質を使用しない資源であり、このゴールに貢献できます。

また、段ボールの原紙が「FSC認証」という森林の環境保全に配慮した認証を受けた企業からの材料の調達によるものであった場合も、このゴールに貢献できます。

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13「気候変動に具体的な対策を」

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目標13「気候変動に具体的な対策を」は、気候変動とその影響に立ち向かうため緊急対策を取るもの。地球温暖化にはCO2が深く関わっていることから、京都議定書やパリ協定を通して、世界各国がCO2排出量の削減を進めています。

日本ではこれらの協定よりさらに厳しい削減基準を設け、2013年から2030年までのあいだに温室効果ガスの46%削減を目標に掲げています。

段ボールはプラスチック系の包装容器と異なり、回収、洗浄、破損、紛失等に伴うCO2の排出がありません。トータルでのCO2排出量が少なく、持続可能な包装資材といえるでしょう。

14「海の豊かさを守ろう」

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目標14「海の豊かさを守ろう」は、海の資源を守り、大切に使うことを目指すもの。近年、世界的に注目が集まり、対策が急がれているのが海洋プラスチックごみの問題です。

陸上で放置されたプラスチックごみが海へとたどり着き、分解されないまま漂流を続けると、潮流で細かく裁断されます。それらがマイクロプラスチックとなって海洋生物の体内にとりこまれると、それを食べる人間を含む生物にも取り込まれて生態系を傷つけてしまうのです。

リサイクル性の高い段ボールや紙製品を普及させ、プラスチックの代替とすることで、このゴールに貢献できます。

15「陸の豊かさも守ろう」

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目標15「陸の豊かさも守ろう」は、森林などの陸域生態系をはじめとした陸の豊かさを守り、多様な生物が生きられる環境を守るもの。

段ボールなどリサイクルできる素材を使用して製品を製造することで、このゴールに貢献できます。

SDGs目標達成に向けて段ボールに注目が集まっている

全国段ボール工業組合連合会が2022年に発表した資料によると、段ボールが実際に多く使用されているのは、加工食品(約41%)と青果物(約9.5%)といった食品の物流過程です。これらの食品は、工場や生産地から小売店へと配送されますが、その過程で大量の段ボールが消費されています。このほか、日用品や衣料品、薬品など小売店に並べられる商品のほとんどは、その物流過程で段ボールが使用されています。

また近年は、このような包装・梱包以外にも、段ボールの用途が拡大しています。そのひとつが、災害現場での段ボールベッドです。これは、エコノミークラス症候群などの健康被害の防止に役立ち、床面からの粉じん対策にも有効。設置が容易で体のストレスを低減できるといったメリットもあります。

段ボールベッドが2021年東京オリンピックの選手村にも提供され、話題になったことは記憶に新しいでしょう。海外の選手から「一般的な木製やスチール製のベッドフレームよりも頑丈」といった声も上がり、その耐久性が評価されました。

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この他にも、店舗什器や展示会・イベントのディスプレイ、常設型テレワークブースなど、段ボールには幅広い用途と可能性があります。

強化段ボールを取扱っている事業者は全国に存在しますが、東芝テックの取引先である今野梱包株式会社もそのひとつです。同社では、デザイン、設計から一貫して承り、ロット1個から提供するサービスを展開。梱包用途に限らず、強化段ボール製の店舗什器や、ベッドなどの災害対策品のカテゴリーまで多彩な商品開発、モノづくりを行っています。

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※手前木製什器とサイズを同一にし、統一感を出しています。奥側3台連結、手前は従来からの木製什器

段ボールの有効活用で持続可能な社会を目指そう

脱プラスチックへの取り組みも相まって、一部の小売店舗や展示会において、看板や什器を段ボール製に切り替えるなどの取り組みが始まっています。

ただし、世の中のすべてのパネルや看板を段ボールに切り替えることは現実的に難しいもの。アルミ複合板やスチレンボード等の素材も引き続き使用しつつ、用途や使用する場所の条件を満たす場合は、段ボールを選択肢のひとつに加えて検討してみてはいかがでしょうか。

段ボールは従来の梱包資材としての利用から近年では、環境負荷軽減素材として新しい役目を担っています。

流通小売業様におかれましても、お客様へSDGsの取り組み訴求製品として店舗什器の導入、また地域のお客様、従業員様へ向けて緊急災害時ベッド、パーテションの備えなどに貢献できると考えております。

段ボール素材の活用は今後更に広がっていくものと考えており、是非ともお客様へご利用のご提案させて頂きたいと考えております。(東芝テック・岡本)

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