レプリケーションとバックアップの違いは?
BCP(事業継続計画)を考える上で、業務システムのデータ保全が重要です。その具体的な方法としてまず挙げられるのが、クラウドサービスを活用した遠隔地におけるデータ複製です。
BCPを前提にしたデータ複製には大きく二つの方法があります。一つは「バックアップ」です。データベースをはじめとするPC内のデータを外部の記憶装置にコピーすることがその基本的な考え方。ハードディスクのトラブル対策として以前から多くの企業で行われてきた方法です。
データベースをはじめとする、大量のデータのコピーには長い時間が必要になります。そのためバックアップは、1日1回、業務終了時のデータをコピーすることが一般的です。そのため、システムに障害が生じた際に復元できるデータは丸1日のタイムラグが生じます。
また、リストア(復元)には、コピーと同じ時間が必要になる点も注目したいポイントです。災害時には、これまでデータを運用してきた本番機とは別のハードを使ってリストアを行うことになるため、復旧にはさらに長い時間が必要になります。
バックアップに対し、本番機とは別のハード(待機機)にサーバーそのものを複製することを「レプリケーション」と言います。本番機と待機機は、設定によっては数分という短い間隔で内容を同期することもできるため、障害発生時には、本番機と待機機を切り替えることでシステムをタイムラグなく復旧することが可能です。
大災害時のシステム回復措置は、ディザスタリカバリ(Disaster Recovery)とも呼ばれます。復旧時間を最小限に留めたいのであればレプリケーションが効果的です。 しかし、その一方でレプリケーションは、データバックアップのように世代を遡ってデータを復元することはできません。また短時間で同期を行う関係上、ランサムウェアの攻撃により、本番機、待機機ともに暗号化されてしまう可能性もあります。こうしたことから、BCP対策では、レプリケーションとデータバックアップを併用する動きも進んでいます。
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