「全品100円」と 「2割引」どっちがお得?
数ある商品やサービスの中から、私たちはなぜそれを選んでしまうのか?

2024年2月26日

流通お店づくりトピックス

■業種・業態:小売業  
■キーワード:フレーミング効果/文脈効果/訴求力

スーパーで1980円の値札が付いたお寿司を手に持っている女性のイラストイメージ

「フレーミング効果」を活用する

夕方、おにぎりを買おうとスーパーマーケットに立ち寄ったところ、定価120円のおにぎりが「全品20%引」で売られていました。ところが、いつものコンビニエンスストアでは、同じく120円のおにぎりが「全品100円」。

さて、どちらが安く感じるでしょうか。「全品100円」の方が安く感じませんか。

その理由は、100円の方が価格としてイメージしやすいからです。実際にはスーパーのおにぎりの方が2割引で96円になり、安いはずなのですが、2割という数字が価格としてイメージされにくいため、高く感じてしまいます。

このように表現の仕方が変わると印象も変わることを、「フレーミング効果」と呼びます。ちなみに価格の高いものは割引率表示、安いものは金額表示にすると、より効果があるといわれています。

フレーミング効果の代表的な例が、栄養ドリンクなどで見かける「タウリン1000mg」といった栄養成分の表記です。グラムで表示すれば1gなのですが、1000mgの方が多く入っているように感じます。

このように具体的にイメージしにくいものは、単純に数字の大きい方が量が多く、効果も高いと思われやすいのです。

フレーミング効果は「文脈効果」とも呼ばれ、広告の訴求力アップや商品の販売促進などに幅広く活用されています。例えば、売れ残った商品を「訳あり」と称して値引販売したり、好みの分かれそうな色を「限定カラー」と表現して購買意欲を誘うなど、マイナス面をプラスに変える力があります。

お客様を引きつける効果的な表現方法として、POPやチラシなど、日常的な販促活動にもぜひ活用したいものです。

※当記事は2022年10月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。