店頭で“おなじみの商品”を 選んでしまうのはなぜ?
数ある商品やサービスの中から、私たちはなぜそれを選んでしまうのか?

2024年2月26日

流通お店づくりトピックス

■業種・業態:小売業  
■キーワード:ヒューリスティック/意思決定プロセス

スーパーで1980円の値札が付いたお寿司を手に持っている女性のイラストイメージ

人は「記憶に残っているもの」を信用する

スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで商品を選ぶとき、店頭でよく見かける商品やどこかで見聞きしたことのある商品を選んでいませんか。

パソコンのように高額な商品や洋服などこだわりの強い商品を買う際は、機能や価格、用途、デザインなど様々な要素を吟味して選びますが、比較的安いものやこだわりのない商品の場合、価格や機能をよく検討することなく直感的に選びがちです。

「よく見かける」「友人が使っている」といった商品は私たちの記憶に残りやすく、商品を選ぶ際にその記憶を利用しているためです。

そうした意思決定プロセスを「利用可能性ヒューリスティック」と呼びます。

「ヒューリスティック」とは、効率よく情報を処理するための単純化された意思決定プロセスのことで、過去の経験などを元に瞬時に答えを導き出せますが、自分に都合よく解釈するなどのバイアス(偏った考え方)を引き起こすこともあります。

このように、人は記憶に残っているものを過大評価し、無条件で信用する傾向があります。そのため、多くの企業は自社の商品やサービスができるだけ多くの消費者の記憶に残るよう、テレビやインターネットなど様々な媒体を使い、インパクトの強い広告を制作しています。

小売店の売場でも、テレビCMなどを積極的に展開している商品を目立つ場所に陳列し、「人は見聞きしたことのあるものを選ぶ」という購買行動に訴えると効果的です。

SNSなどもチェックし、話題になっている商品は欠かさず品揃えしておきましょう。

※当記事は2023年4月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。