Toshiba 東芝テック株式会社

東芝テックのアセット活用とは?
スタートアップ展示ブースを通じて、
リード獲得と社内プロモの機会を創出

東芝テックCVCは未来の新規ビジネス創造のため、
投資先と「一緒に成長し、新しい価値を生み出していく」ことを目指して活動しており、
2019年の設立以来、AI・データやEC・ラストマイル、HR、VR/AR、Vertical SaaS領域で
様々なケイパビリティを有する12社のスタートアップ企業に投資を行なってきました。

そして現在、スタートアップ企業の事業加速、成長支援を推進していく中で、
「当社の保有するアセットやケイパビリティをどう活用することができるのか」について改めて考え、
新たな取り組みにチャレンジしています。
今回そのような中で、実際にスタートアップ企業の販売・マーケティング支援活動の一環として
実施した施策をご紹介いたします。

※2023年3月末時点の投資先実績

スタートアップ企業と一緒に、ビジネスの可能性を拡げる機会を創出

2023年2月28日〜3月3日に東京国際展示場(東京ビッグサイト)にて開催された「リテールテックJAPAN 2023」(以下、RTJ)。
東芝テックは「加速」をテーマに、小売業界の課題に取り組む最新のタッチポイントやPOSシステム、データの利活用による付加価値の高いサービスやソリューションを出展・紹介いたしました。

RTJには毎年多くの小売業界をはじめとする多数の企業の方々が訪れ、東芝テックブースにもたくさんの来場者にお越しいただいています。
この展示会が東芝テックの未来のビジネスにおける可能性をPRするだけではなく、スタートアップ企業にとっても販売やマーケティング支援の機会になると考え、当社の展示会事務局や社内関係者の協力のもと、投資先スタートアップ企業にも相談の上、展示コンセプトや出展内容について準備を行ない、スタートアップ企業のブース出展にご一緒に取り組ませていただきました。

今回は、投資先の中から株式会社Bespo、b8ta Japan株式会社、ダブルフロンティア株式会社の3社が出展。
スタートアップ各社の方に4日間ブース対応いただくことで、多くの企業の方と直接コミュニケーションを取り、デモやヒアリングを行なう機会として活用いただきました。

出展ブースでの来場者の反応や手ごたえはどうだったのか?スタートアップ3社の担当者に感想を伺いました。

■次の実証実験につなげていきたい~ 株式会社Bespo

飲食店集客パッケージとして、SNSからの集客を実現する「TABLE REQUEST」、シンプル高機能な予約管理サービス「BOOK@TABLE REQUEST」を展示。
InstagramをはじめとするSNSからの即時予約の受付と、予約・顧客の管理を一気通貫で可能にするパッケージです。例えば、お店の公式Instagramに「席を予約する」ボタンを簡単に設置することが可能で、ユーザーは予約用の店舗ページから日時や人数などを入力するだけで予約を完了できます。月額のみの料金体系で送客手数料等は一切不要である点も大きな特長です。さらに、東芝テックのPOSシステムと連携して、予約データや顧客データを集客改善やマーケティングに生かすデータ分析システムも開発中で、実際に同社代表が運営している飲食店で実証実験を重ねながらサービス改良に取り組んでいます。

展示ブースの担当者に当日の様子を伺ったところ、「過去の展示会と比べて圧倒的に来場者の数が多く、飲食店やホテル業界の方々と会話をすることができました。特にInstagramの予約機能に対する反応が非常に良いです。私たちが実現を目指す「お店の発信が集客に繋がる」世界観をお伝えすると多くの方に賛同いただけると感じています」と、好感触が得られたようです。また、すぐに実証実験できる店舗があることも同社の強みの一つであり、来場者にヒアリングしたご要望やニーズも汲み取りながら、今後のPoCに生かしていきたいと述べていました。

■思いもよらない業界の方々との出会いが多くの学びとなった~b8ta Japan株式会社

体験型ストアを展開するb8ta Japanの新事業「by b8ta」を展示。by b8taは「自店舗で体験型ストアを作りたい」というお客様のためにサービス化したもの。「店舗の一部を体験型コーナーにしたい」「顧客の声を収集するための接客をトレーニングしてほしい」といったニーズにも応えます。
体験型ストアを開業・導入・運営する上で欠かせない「ソフトウェア/ハードウェア(タブレットなど)/什器のデザイン・制作支援・店舗レイアウト/店舗デザイン・施工/売らないトレーニング/b8taテスター(b8taの店舗スタッフ)派遣/PR・ブランディング支援/カスタマーサクセス」といった8つの項目から構成され、パズルのように組み合わせてサービス提供することが可能です。

当日の担当者へ状況をヒアリングしてみたところ「“店舗をデータ化する”と説明するとイメージしづらいところも、“データが取れるお店”という説明から始めると興味を持ってくださる」と東芝テックのブースで接客をする中で、説明の仕方のコツを徐々に掴んでいただいた様子。実際にどのような相談が多いのか聞いてみると、「スペース活用の相談」や「コロナ禍が落ち着きを取り戻し、EC中心の戦略から実店舗で差別化を検討したい」といった、様々なニーズをヒアリングしておりました。「現状のビジネスに問題意識を持っている方や、次世代の店舗のあり方を模索している方から良い反応をいただけたと感じています。そして、体験型のビジネスモデルと親和性の高い業界が見えてきたことは新たな発見でした」と感想を教えていただきました。
b8taが提供する「体験型ストア」の認知度は、担当者の体感では全体の1割程度ではあるもの、東芝テックの営業経由で普段あまり接点がない様々な業界の来場者と話す機会が得られたことや、b8taのソリューションを見るために遠方から来場するケースもあったようで、「体験型ストア」に対する関心や熱量の高さに改めて可能性を感じるとともに、学びの多い取り組みとなったようです。

■リード獲得だけでなく、顧客に響くポイントを直接伺えた~ダブルフロンティア株式会社

店舗型ネットスーパープラットフォーム「ツイディ」を展示。サービスエリアや提供時間などの設定ができるECサイトパッケージ、約9割の商品写真を予め用意する商品写真パッケージ、スタッフ向けのピッキング/デリバリーアプリなどのソリューションを通して、最短2ヶ月でネットスーパーおよび買物代行システムの導入を実現します。2020年の出資以降、プロダクト改善やエリア拡大を順調に進めていき、現在は全国約22,000店舗のスーパーマーケットをターゲットにサービスを提供しています。

今回はダブルフロンティア代表取締役の八木橋氏が自ら出展ブースに立ち、来場者の方々へのソリューション紹介や質疑応答に対応されていました。八木橋氏は「今回はリードにつながる可能性のあるお客様とできるだけたくさんコミュニケーションを取ること。そして、スーパーマーケットの皆さまの興味の度合いを知ることを目的としていました。結果的に多くのリードを獲得できたことはもちろんですが、導入時に商品写真を用意しなくて良い点や展示ブースで流す映像が商品理解に効果があるなど、ブースを訪れていただいた方から響くポイントを直接伺えたことも大きな収穫でした」と手応えを振り返ります。

そして、今後の抱負について「来場者とお話をさせていただいたことで、多くの方々に興味を持っていただけるソリューションであること、ニーズは間違いなくあることを改めて実感しました。東芝テックさんの支援を受けながら“型”を作ってきたので、ここから事業拡大に向けてスピードアップしていきます」と述べました。

お互いの文化を理解した上で、先入観を持たずに“共創”することが大切

今回の取り組みを実施するにあたり、本ブース兼スタートアップ企業との調整を担当した宮原に活動を振り返ってもらいました。

スタートアップ企業のブースを企画する際、心掛けたことはありますか?

宮原

私たちが常に大切にしているのは、スタートアップ企業と「対等な姿勢」で向き合うことです。それはつまり、自社の論理で物事を考えるのではなく、スタートアップ企業にとって最善なことは何かを考え、行動するということ。今回、スタートアップ企業の立場でこのプロジェクトにはどんなメリットがあるのか?を常に考えながらコミュニケーションを取るように心がけていました。

特にチャレンジしたことや、工夫した点を教えてください。

宮原

RTJでスタートアップ展示ブースを複数同時に設置するのは初めての試みなので、当社の展示運営ルールとスタートアップ企業各社の意向を考慮した上で、最善策を考える必要がありました。例えば、それぞれのブランドイメージや世界観を打ち出せるように、ユニフォームや配布資料デザイン、名札などに関する既存のルールをスタートアップ展示ブースに合わせて調整いたしました。柔軟にご対応いただいた事務局の協力にも感謝しております。

今回のプロジェクトから得られた学びを教えてください。

宮原

改めてお互いに対等な関係で、この場を良いものにするために一緒に作り上げていく姿勢が大切だと感じました。初めてのチャレンジだったこともあって想定外のことも起きましたし、今後も大変な部分は必ず出てくると思うので、そこを乗り越えるためにはワンチームの精神が欠かせないと思います。また、お互いの立場や各社のキャラクター・文化は理解した上で、大企業だから、スタートアップ企業だから、と先入観を持ちすぎずに目線合わせをしていくことで、物事が円滑に進むことを学びました。

今回の施策はあくまでも成長支援の取り組みの一つです。各社の状況などを総合的に判断して3社にご協力いただきましたが、今後も各社の状況やタイミングに合わせて最適な支援の形を提案していきたいと思います。

MQL獲得だけじゃない、社内プロモーション効果にも一定の手応え

最後に、CVC推進室 室長の鳥井に、今回の取り組みの成果を振り返ってもらいました。

RTJにおけるスタートアップ企業支援活動を振り返ってみた感想を教えてください。

鳥井

今回はスタートアップ企業の方に立っていただき、来場者と直接コミュニケーションを取っていただくことで、MQL(Marketing Qualified Lead)を獲得することに関して、まずは一定の成果が得られたと考えています。

今回の活動は、スタートアップ企業にリード獲得の機会を提供することが大きな目的だったのでしょうか?

鳥井

そうですね、MQLを獲得する場として有効活用していただくことと、スタートアップ企業の製品だけではなく、当社の製品とどう連携することでより価値を生み出せるのか、そういった連携ニーズもヒアリングできればと思っていました。それから、もう一つの狙いとして、社内プロモーションの機会も創出したいと考えていました。営業支社の社員が集うRTJでスタートアップ企業のソリューションを紹介することで、商材として効果的に認知してもらうことができます。実際に当社の営業とスタートアップ企業の担当者が会話するシーンも多く生まれ、営業から詳しく知りたいと問い合わせが来るなど、非常に良い反応が得られたと感じています。スタートアップ企業にとっても、営業やその先にいる顧客のニーズをキャッチアップする良い機会になったのではないでしょうか。

今後、投資先スタートアップ企業の成長支援についてチャレンジしたいことを教えてください。

鳥井

当社の事業アセットとして顧客基盤、営業網など、成長支援に活用できる資産はたくさんあります。しかし、持っているからといって必ずしも使えるとは限らず、それらをスタートアップ企業にとって活用可能な形にしないといけないし、単発ではなく持続的に活用できるような仕組みづくりも必要です。
そのために、今回のような取り組みを実施しました。販促・マーケティング支援に関して一定の手ごたえを感じたので、次のフェーズとしてはもう少し組織化していくことに取り組んでいきたいですね。
私たちが関わることで、スタートアップ企業の事業成長を加速させられるかが本質的にとても重要なことで、そのためにやるべき当たり前のことを、当たり前のようにやることが大切だと思っています。

もう一つのトピックとして、当社の研究所が持っている技術をスタートアップ企業に提供してソリューションを磨き上げる活動にチャレンジしています。例えば、店内のピッキング作業においてどのルートが最適なのか?といった課題に対して、数理最適化のAIモデルを活用することで課題解決が可能になるか、今まさに実証実験を進めている最中です。このように、当社の技術をスタートアップ企業に実装する形での成長支援も模索していきたいと考えています。

今後も東芝テックCVCは、投資先スタートアップ企業の事業内容やステージに合わせた支援を行い、本質的な価値の創出に向けてともに挑戦を続けてまいります。

お問い合わせ

お問い合わせいただくお客様の個人情報は、SSLによって暗号化され保護されます。SSLに対応していないブラウザをお使いの場合や、ファイヤーウォールの設定により企業内ネットワークから当該ページにアクセスできない場合がございます。ご了承ください。

【お問い合わせいただく前の注意】

下記事項にご同意の上、お問い合わせください。

  • お客様からいただく個人情報は、お問い合わせ・ご質問への回答、情報提供のために使用させていただきます。
  • 利用目的の範囲内で、お客様の個人情報を当社関係会社および株式会社東芝の関係会社や委託業者が使用することがございます。
  • お客様は、お客様ご本人の個人情報について、開示、訂正、削除をご請求いただけます。その際は上記お問い合わせ先までご連絡ください。
  • お問い合わせの内容によっては、電子メール以外の方法で回答を差し上げる場合がございますので個人情報を正しくご記入いただけない場合は、お問い合わせ・ご質問に回答できない場合がございます。
  • いただいたお問い合わせ・ご質問は、担当部門にて迅速な回答を差し上げられるよう努めますが、回答連絡までにお時間をいただく場合がございます。また、内容によりましては、お答えできない場合もございますのであらかじめご了承ください。
  • お客様の個人情報の取扱全般に関する当社の考え方をご覧になりたい方は、東芝テック株式会社の個人情報保護方針のページをご覧ください。
  • 16歳未満のお客様は、保護者の同意を得た上でお問い合わせください。
  • 土曜日・日曜日・年末年始ほか、当社休業日にいただくお問い合わせについては、翌日営業日以降の回答となりますのでご了承ください。
  • 半角カタカナや特殊記号は使用しないでください(正常に送信されない場合があります)。