これって正しい?敬語の使い方
第2回 二重敬語にご注意!

2024年10月29日

お店づくりトピックス

■業種・業態:小売業  
■キーワード:二重敬語/三重敬語/謙譲語/勘違い敬語

これって正しい?敬語の使い方のイメージ

敬語は接客の基本。よかれと思って使用している敬語に対して、相手が不快に感じている場合があります。正しい敬語の使い方を知り、お客様に好印象を与えましょう。

敬語は重ねず、シンプルに表現

一つの単語に同じ種類の敬語を重ねることを「二重敬語」といいます。

例えば、「お客様がお見えになられました」は、「来る」の尊敬語である「お見えになる」に、「〜られる」という尊敬語が重なっており、自分では丁寧に話しているつもりでも、まわりくどい印象を与えます。

同様に、謙譲語の場合も二重敬語になりやすいので注意が必要です。

例えば、「ご注文をお承りいたしました」は、「受ける」の謙譲語である「承る」に余計な「お」が付いており、二重敬語です。さらにこの場合は、「〜する」の謙譲語である「〜いたす」も重なっており、三重敬語になっています。「ご注文を承りました」が適切な表現です。

二重敬語の回避例

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「おっしゃる」は「言う」の尊敬語です。そこに「〜られる」という尊敬語を重ねており、二重敬語になっています。
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「使う」の尊敬語である「お使いになる」に、「〜られる」という尊敬語が重なっています。「お会いになられる」「ご利用になられる」などは、すべて二重敬語になります。
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「拝受する」は「受け取る」の謙譲語であり、「ご」を付けると二重敬語になります。相手に間違いなく受け取ったことを伝えるときは「確かに拝受しました」を用います。
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役職に「様」を付けると一見、丁寧に聞こえますが、役職自体が敬称であり、「様」を付けるのは二重敬語です。シンプルに「○○社長」「〇〇部長」といいましょう。

本当は間違い?「勘違い敬語」

日常語として広く使われており、正しいと思い込んでしまいがちなのが「勘違い敬語」です。日常的によく用いられる言葉も多いので注意しましょう。

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「お世話様」は目上の人に対して使うと失礼にあたります。ビジネスシーンでは「お世話になりました」が適切です。
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「ご一緒する」は対等な関係で使います。目上の人には「同行させてください」や「喜んでお供させていただきます」を。
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「とんでもない」には謙遜や否定のニュアンスが含まれています。「光栄です」や「ありがとうございます」と言いましょう。

監修:川道映里(かわみち えり)
徳島文理大学短期大学部講師

※当記事は2024年10月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。