これって正しい?敬語の使い方
第3回 ウチ・ソト逆転敬語
2025年1月20日
お店づくりトピックス
■業種・業態:小売業
■キーワード:尊敬語/謙譲語/使い分け
敬語は接客の基本。よかれと思って使用している敬語に対して、相手が不快に感じている場合があります。正しい敬語の使い方を知り、お客様に好印象を与えましょう。
尊敬語と謙譲語の使い分けが大切
身内である上司や先輩のことを社外で高めてしまったり、本来高めるべき社外の人を低めてしまうのが「ウチ・ソト逆転敬語」です。例えば「まもなく弊社の社長がいらっしゃいます」は、「来る」の尊敬語である「いらっしゃる」という表現により身内である自社の社長を高めることとなり、お客様に対して失礼になってしまいます。この場合は「来る」の謙譲語である「参ります」を使うのが正解です。
一方、謙譲語は自分や身内の行動や動作をへりくだる(低める)ことで、話す相手に対して敬意を表します。したがって、お客様や身内でない目上の人などには「何時に参りますか」ではなく、「何時にいらっしゃいますか」と尊敬語を使います。
ウチを高めてしまう例と適切な表現
ソトには尊敬語を使う
社外の人に対して謙譲語を使うと、ソトを低めることになります。
お客様や目上の人の行動や動作には尊敬語を使うのが原則です。
「弊社」と「当社」の違いは?
「弊社」は自社をへりくだって表現する謙譲語です。したがって、お客様やお取引先に対しては基本的に「弊社」を使います。一方、「当社」は丁寧語であり、主に自社内や相手の会社と対等と見なされる場合に用います。他社へ抗議したり正当性を主張したりする場合なども、へりくだる必要がないため「当社」が使われます。ただし店舗の場合は、「弊店」は「閉店」と間違われやすいので、どちらも「当店」を使うのが一般的です。
監修:川道映里(かわみち えり)
徳島文理大学短期大学部講師
※当記事は2025年1月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

