クラウド型コラボレーションツールの魅力とは?
メリットや活用例、導入時の注意点を解説

2025年3月24日

コラム

■業種・業態:一般オフィス  
■キーワード:働き方改革/業務効率化/情報共有/業務継続性/業務改革

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クラウド型コラボレーションツールは、業務の効率化やコミュニケーションの円滑化を実現する便利なツールです。本記事では、ツール導入のメリットや活用例、導入時の注意点を解説します。

テレワークの普及や働き方の多様化に伴い、チームの連携をスムーズにし、業務を効率化する「クラウド型コラボレーションツール」が注目を集めています。チャットやビデオ会議、ファイル共有などの機能を活用することで、場所を問わず円滑なコミュニケーションが可能になる便利なツールです。

本記事では、クラウド型コラボレーションツールの概要やメリット、導入時に押さえておくべきポイントについて詳しく解説します。

目次

クラウド型コラボレーションツールとは?

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はじめに、クラウド型コラボレーションツールの概要や種類について理解を深めましょう。

コラボレーションツールとは?

コラボレーションツールは、チームや組織がスムーズに連携し、業務を効率化するためのツールです。主な機能には、チャット・ビデオ会議・ファイル共有・タスク管理などがあり、情報共有や共同作業をサポートします。代表的なコラボレーションツールには、次のようなものがあります。

ツールの名称 概要
Slack チャットやファイル共有ができるコミュニケーションツール。音声会議やビデオ会議などもできる。
Teams チャット、ビデオ会議、ファイル共有、タスク管理などを統合したコラボレーションツール。チームメンバーが共同作業を効率的に行うことができます。
Zoom ビデオ会議に特化したツール。会議中はチャットやリアクションなどでもコミュニケーションが取れ、録画もできる。
Dropbox ファイル共有に特化したツール。動画などの大容量なファイルもリンク一つで共有できる。

※2025年3月時点

コラボレーションツールのチャットやビデオ会議を活用すれば、離れた場所にいるメンバーともリアルタイムで円滑にコミュニケーションが取れます。また、ファイル共有機能を使えば、同じ資料を見ながら意見を交わしたり、タスク管理機能で業務の進捗を見える化したりすることも可能です。

こうしたツールを導入することで、チームの生産性が向上し、業務の効率化やコミュニケーションの活性化が期待できます。特に、テレワークの普及により、コラボレーションツールの重要性はますます高まっています。

クラウド型とオンプレミス型の違い

コラボレーションツールには、大きく分けて「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つの種類があります。それぞれの違いを次の表にまとめました。

  クラウド型 オンプレミス型
初期費用 比較的安い 高い(サーバー構築費用が必要)
運用コスト 月額・年額料金制で
コスト管理しやすい
サーバーの保守・管理費が発生する
アクセス性 インターネット環境があれば
どこからでも利用可能
社内ネットワーク内のみでアクセス
セキュリティ サービス提供会社が
セキュリティ対策を実施
自社でセキュリティ対策を管理
カスタマイズ ある程度の制限あり 自由にカスタマイズ可能

どちらの形式にもメリット・デメリットがありますが、手軽に導入でき、働く場所を問わず利用できるクラウド型は、特に初めてコラボレーションツールを導入する企業におすすめです。リモートワークを取り入れる企業が増える中、クラウド型の柔軟性と利便性が、多くの企業に選ばれる理由となっています。

クラウド型コラボレーションツールが求められる背景

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近年、クラウド型のコラボレーションツールが注目を集めている背景として、次の3つが挙げられます。

  1. テレワークの普及によるコミュニケーション上の課題
  2. 働き方改革による業務効率化の必要性
  3. 情報共有のスピードと正確性の要求

背景1. テレワークの普及によるコミュニケーション上の課題

2020年に流行した新型コロナウイルス感染症をきっかけに、多くの企業がリモートワークを導入し、その後も新しい働き方として定着しつつあります。しかし、オフィス勤務と異なり、リモートワークではコミュニケーションに関する課題が顕著になっています。

東京都が実施した「令和4年度多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」(注1)において、テレワークのデメリットとして最も多く挙げられていたのが「社内コミュニケーションの減少(82.2%)」でした。

また、国土交通省が実施した「令和5年度テレワーク人口実態調査」(注2)でも、テレワークの悪い影響として「コミュニケーションがとりづらく、業務効率が低下する」に対して「とてもそう思う」「そう思う」と答えた割合は43%にものぼっています。

これらのデータからも、リモートワーク環境下での情報共有やチームの連携に課題があることが明らかです。こうした課題を解決するために、チャットやオンライン会議、ドキュメント共有をスムーズに行えるクラウド型コラボレーションツールの活用が注目されています。

(注1)出典元:東京都「令和4年度多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」より
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/
hatarakikata/telework/r4tyousa.pdf

(注2)出典元:国土交通省「令和5年度テレワーク人口実態調査」より
https://www.mlit.go.jp/report/press/
content/001733057.pdf

背景2. 働き方改革による業務効率化の必要性

日本政府が推進する「働き方改革」により、企業は長時間労働の是正と生産性向上を求められています。特に、限られた時間の中でより多くの成果を出すために、業務を効率化することは喫緊の課題です。

しかし、従来の働き方では、次のような業務の進め方が非効率になる場面が多く見られていました。

  • 会議に時間がかかりすぎる:毎回の会議で長時間を費やし、意思決定までに時間がかかる
  • 情報共有の手間が多い:紙ベースの資料やメールを用いた情報共有では、情報の確認や修正の手間がかかり、対応の遅れにつながる
  • 属人化が進む:業務プロセスやナレッジが個人に依存しやすく、チーム間での引き継ぎがスムーズにいかない

これらの課題を解決し、従業員一人ひとりの生産性を向上させるために、クラウド型コラボレーションツールの導入を検討する企業が増えています。

背景3. 情報共有のスピードと正確性の要求

ビジネス環境の変化が激しい現代において、情報共有のスピードと正確性は、企業の競争力を左右する非常に重要な要素となっています。

顧客のニーズや市場の動向をいち早くキャッチし、迅速な意思決定のもと顧客対応やトラブルシューティングを行うためには、リアルタイムで正確な情報共有が不可欠です。情報共有の遅れや誤りは、機会損失や顧客満足度低下につながりかねません。

こうしたリスクを軽減し、迅速な意思決定とスムーズな業務遂行を実現するために、社内外問わずスピーディーに情報共有できるクラウド型コラボレーションツールの導入が注目されています。

クラウド型コラボレーションツールを使うメリット

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クラウド型のコラボレーションツールを使うことで得られる主なメリットは、次の4つです。

  1. コミュニケーションが円滑になる
  2. 情報共有を効率化できる
  3. どこからでもアクセスできる
  4. コスト削減効果がある

メリット1. コミュニケーションが円滑になる

クラウド型のコラボレーションツールは、チャットやビデオ会議、ファイル共有機能を通じて、チーム内のスムーズなコミュニケーションを実現します。

例えば、「メールのやり取りが多すぎて重要な情報を放置しがち」「遠隔地のメンバーとの意思疎通が難しい」といった課題を抱える企業は少なくありません。そのようなときでもクラウド型ツールを活用すれば、リアルタイムでの情報交換が可能になり、場所や時間に縛られることなくスピーディーに対応できます。

また、クラウド型のコラボレーションツールはテキスト・音声・動画など多様なコミュニケーション手段が揃っているため、業務内容や状況に応じて最適な方法を選ぶことが可能です。これにより、チームの一体感が高まり、円滑な情報共有が実現します。

メリット2. 情報共有を効率化できる

クラウド型のコラボレーションツールを導入することで、情報を一元管理し、必要なデータをすばやく検索・共有できるようになります。

「どこに保存したか分からない」「最新版の資料がどれか不明」といった情報管理の混乱は、多くの企業で発生しがちです。クラウド型のコラボレーションツールなら、ファイル共有やドキュメントの共同編集機能を活用し、常に最新の情報をチーム全員で共有できるので、無駄な確認作業が減り、業務のスピードと正確性が向上します。

また、情報の重複や伝達ミスを防ぐことで、円滑な業務フローの構築にもつながります。

メリット3. どこからでもアクセスできる

クラウド型のツールは、インターネット環境さえあれば、オフィス・自宅・外出先を問わずアクセス可能です。

「テレワーク中の社員との連携が難しい」「出張先で会社の情報にすぐアクセスできない」といった問題を解決し、柔軟な働き方を支援します。

また、災害時などのBCP(事業継続計画)対策としても有効で、万が一の際にも業務を止めずに継続できる強みがあります。

メリット4. コスト削減効果がある

クラウド型のツールは、自社でサーバーを構築・管理する必要がなく、初期費用や運用コストを大幅に削減できます。

「ITツールの導入や運用にコストがかかる」「IT担当者の負担が大きい」といった課題を抱える企業にとっても、導入しやすい選択肢です。

また、多くのツールは月額または年額の定額料金制を採用しており、コストの見通しが立てやすい点もメリットの一つです。システム運用の負担が軽減されることで、IT部門の人的コストも抑えられます。

クラウド型コラボレーションツールの活用例

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ここでは、クラウド型コラボレーションツールの活用例を企業が抱えがちな課題とともに紹介します。

  1. 協力会社とのスムーズな情報共有
  2. 災害時における業務継続性の確保
  3. 属人的な業務の削減

活用例1. 協力会社とのスムーズな情報共有

企業が複数の協力会社と連携する際、調整の手間や非効率な情報共有、シャドーIT(注3)のリスク軽減などが課題になりがちです。

こうした課題に対して、クラウド型のコラボレーションツールを導入すればチャットやビデオ通話を使って円滑にやり取りできるため、業務をスムーズに進められます。また、ファイル共有やタスク管理などの機能が揃っているので、個人が用途ごとに異なるツールを使い分ける必要がなくなり、結果としてシャドーITのリスクも抑えることが可能です。

協力会社との連携やシャドーITのリスクの課題解決に、クラウド型コラボレーションツールは役立ちます。

(注3)シャドーIT…従業員が組織内での許可を取らず業務に使用しているシステムやサービスのこと

活用例2. 災害時における業務継続性の確保

近年は災害の発生が増えており、万が一の際にも業務を遂行できる環境を整えることが重要です。

クラウド型コラボレーションツールを導入すれば、インターネット環境さえあればどこからでもアクセスできるため、出社が困難な状況でも通常通りの業務を遂行できます。また、データがクラウド上に保管されていることで、端末の故障や社内サーバーのトラブルによる情報消失のリスクも軽減され、安心して業務を進められます。

災害時における業務継続性の確保やデータの保全性担保に課題を感じている企業にとって、クラウド型コラボレーションツールの活用は一つの解決策となるのです。

活用例3. 属人的な業務の削減

顧客ごとに専任の担当者を設ける業態では、担当者が不在の際に情報が共有されておらず、対応が遅れたり不十分になったりすることが課題として挙げられます。

こうした課題に対してもクラウド型のコラボレーションツールを活用することで、社内での情報共有がスムーズになり、担当者が不在でも迅速かつ適切な対応が可能です。例えば、過去のやり取りや進行中の案件状況をリアルタイムで把握できるため、他のスタッフがフォローしやすくなり、顧客への対応力が向上します。

コラボレーションツールの導入により、属人的な業務を減らし、より円滑な顧客対応の実現につながります。

クラウド型コラボレーションツールの導入時の注意点

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クラウド型のコラボレーションツールは、業務効率化やコミュニケーションの改善に役立つ便利なツールですが、導入時にはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、スムーズな導入・運用につながる4つの注意点を解説します。

  1. 導入目的を明確にする
  2. 自社の業務フローに合ったツールを選ぶ
  3. 運用ルールを策定し、社内へ周知する
  4. セキュリティ対策を徹底する

注意点1. 導入目的を明確にする

まず「なぜこのツールを導入するのか」を明確にしましょう。目的が曖昧なまま導入すると、適切なツールを選べず、期待した効果が得られない可能性があります。

「情報共有を迅速化したい」「チームのコミュニケーションを強化したい」など具体的な課題を洗い出し、それに対応できる機能を持つツールを選定することが重要です。目的が明確になれば、社内での説明や導入後の活用促進もスムーズに進みやすくなります。

注意点2. 自社の業務フローに合ったツールを選ぶ

コラボレーションツールにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や機能が異なります。自社の業務フローに合わないツールを選ぶと、使いづらさから定着しにくくなるため、選定時には注意が必要です。

導入前には「どの業務でツールを活用するのか」「どの機能が必要なのか」を整理し、具体的な要件を明確にしておきましょう。機能が多すぎると使いこなせず、逆に少なすぎると業務改善につながりません。多くのツールには無料トライアルがあるため、実際に試して操作性や機能の適合性を確認することをおすすめします。

注意点3. 運用ルールを策定し、社内へ周知する

ツールを導入しても、社員が適切に活用しなければ効果は半減します。スムーズな運用のためには、使用ルールを明確にし、社内に浸透させることが重要です。

例えば、「どの情報をどこに共有するか」「ファイルの命名ルール」などを定め、統一的な運用を推進しましょう。導入時には研修やマニュアルを用意し、定期的にルールを見直しながら改善を続けることも大切です。

注意点4. セキュリティ対策を徹底する

クラウド型のツールは社内外の関係者とリアルタイムで情報を共有できる便利さがある一方、機密情報の取り扱いには十分な注意が必要です。
セキュリティ対策として、信頼できるベンダーのツールを選定することはもちろん、次のような対策を講じましょう。

【セキュリティ対策の例】

  • ID・パスワード管理
  • 二段階認証などのアクセス制限
  • データの暗号化
  • 利用ログの監視

また、社員へのセキュリティ教育も欠かせません。不審なメールを開かない、強固なパスワードを設定するなど、基本的な対策を徹底することでリスクを最小限に抑えられます。

情報共有をするならクラウド型ストレージサービス「Collastorage」がおすすめ!

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クラウドベースのコラボレーションをより便利にするなら、「Collastorage」がおすすめです。従来のファイルサーバーやNASと変わらない使い勝手を実現しながら、クラウドならではのメリットを提供します。Collastorageのおすすめポイントは次の3つです。

  1. ドキュメントレビュー機能で業務効率化!
  2. 取引先とのデータ共有も簡単!
  3. 純国産のクラウドサービスだから安心!

ポイント1. ドキュメントレビュー機能で業務効率化!

Collastorageは「ドキュメントレビュー機能」を使うことで、社内外の関係者に対して簡単に「レビュー」「回覧」「承認」の依頼ができ、進捗状況も一目で確認できます。

  • レビュー:上司や取引先に簡単に確認依頼を送信でき、フィードバックをもらった後に書類を修正して再送することも可能
  • 回覧:社外の取引先も含めて最大100人まで同時に確認依頼を送ることができ、イベント参加確認やその他の業務確認が効率化される
  • 承認:書類の承認依頼が簡単に行え、承認進捗を管理できる。また、タスク管理機能により、誰が承認中かが一目でわかり、作業の進捗を迅速に把握できる

この機能により、書類の確認や承認作業の時間が大幅に削減され、業務のスムーズな進行が可能になります。

ポイント2. 取引先とのデータ共有も簡単!

Collastorageでは、ゲストユーザーとして取引先を招待し、特定のフォルダやファイルに対して操作権限を設定できます。大容量のファイルを共有したり、プロジェクトの進行中にリアルタイムでファイルを更新したりする際に便利です。Collastorageは業務の効率化とともに、信頼性の高い情報共有を実現します。

ポイント3. 純国産のクラウドサービスだから安心!

Collastorageは、すべての開発・運用が国内で行われている純国産のクラウドサービスです。そのため、データが国外に流出することなく、安心して利用できます。

また、日本国内のデータセンターで管理されているため、地震や災害時にも安定したサービス提供が保証されており、BCP対策にも有効です。ランサムウェア対策や高いセキュリティ機能を備え、重要なデータを守るための堅牢なシステムが構築されています。

Collastorageについて詳しく知りたいという場合は、下記のボタンよりお気軽にお問い合わせください。

クラウド型コラボレーションツールのトレンド

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コラボレーションツールは進化を続けており、特にAI(人工知能)の活用が大きなトレンドとなっています。AI技術の発展により、単なるコミュニケーションツールにとどまらず、業務の効率化や意思決定のサポートまで担う高度なツールへと進化しました。

例えば、AIによる会議の自動要約機能を活用すれば、議事録作成のためのメモにかかる手間を削減できるため、会議の参加者は議論に集中できます。長時間の会議を後から振り返りたいときも、AIが作成した要約によってスムーズに内容を確認することが可能です。

また、タスク管理の最適化もAIの活用が進んでいる分野の一つです。タスクの重要度や締め切りを分析して優先順位を提案することで、効率的な進行管理を可能にし、業務の抜け漏れを防ぎます。

このように、AIの活用により、コラボレーションツールは単なる情報共有の枠を超え、業務の生産性を向上させる存在へと変わりつつあります。今後、さらに高度な機能が追加されることで、働き方そのものが大きく変化していくでしょう。

クラウドツールの導入で業務革新へ一歩踏み出そう!

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クラウド型コラボレーションツールは、業務の効率化やコミュニケーションの円滑化を実現する便利なツールです。テレワークの普及や働き方の多様化に伴い、リアルタイムの情報共有やスムーズなチーム連携の重要性が高まる中、多くの企業で導入が進んでいます。

特に、クラウド型のツールは、インターネット環境さえあればどこからでもアクセスでき、コスト管理もしやすいというメリットがあります。一方で、導入前には自社の業務フローに適した機能を見極め、運用ルールを整えることが重要です。

適切なツールを選定し、効果的に活用することで、業務の生産性向上や社内外の円滑な連携が実現できます。働き方の柔軟性を高め、より効率的な業務環境を構築するために、クラウド型コラボレーションツールの導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

※当記事は2025年3月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。