RFタグとは?
仕組み・種類と製造業・物流業での活用メリット
2025年7月28日
コラム
■業種・業態:製造業/物流業・倉庫業
■キーワード:RFID/コスト削減/業務効率化/業務改革

製造や物流の現場において、業務の効率化やトレーサビリティの強化、ヒューマンエラーの削減が求められる中、注目されているのがRFタグの活用です。RFタグは、バーコードに比べて複数同時読取り、読取り距離が長いことにより圧倒的な物品の確認等の作業スピードを向上させる自動認識技術であり、在庫管理・入出荷管理・工程進捗管理などさまざまな業務の省力化を実現します。本記事では、RFタグの基本構造や種類、それぞれの業界における活用事例、そして帳票との一体化による導入手法について詳しく解説します。
RFタグとは?その仕組みと特長
RFID(Radio Frequency Identification)タグとは、電波を使って情報を非接触で読み書きできるICタグのことを指します。内部にはICチップとアンテナが内蔵されており、リーダーから発信される電波に反応して、記録されたデータを送受信します。この通信は目視確認や直接接触を必要とせず、障害物越しや複数タグの一括読み取りが可能です。
バーコードとは異なり、RFIDはタグの方向や状態に影響されにくく、作業のスピードや精度を大幅に向上させることができます。そのため、棚卸作業、資産管理、製品の識別や追跡など、幅広い業務で導入が進んでいます。
RFタグの種類と選定ポイント
RFタグには、電源の有無や通信方式によって大きく3つのタイプがあります。
パッシブタグ:電源を持たず、リーダーからの電波で起動・通信する方式です。タグ単価が安く、小型・軽量で取り扱いやすいため、物流や製造現場での一括管理に最適です。
アクティブタグ:内蔵電源を持ち、自ら信号を発信します。長距離通信が可能で、高速移動体や広域監視が必要な場面に適しています。
セミアクティブタグ:タグは電源を内蔵しつつ、通信はリーダーからの電波で起動・通信する方式です。温度管理等で使用されています。
また、上記のタイプには、使用可能な周波数帯も分かれています。一般的なパッティブタグとして、UHF帯、HF帯、LF帯があります。UHF帯は長距離通信や大量一括読み取りに強く、物流や棚卸用途に適しています。HF帯(13.56MHz)は、水への耐性があり、製造現場での近距離読み取りに向いています。
タグの形状や素材も多様で、ラベル型・カード型・耐熱・耐薬品性タグなどから選定可能。導入する業務フローや使用環境に合わせた最適なタグ選びが成功のカギです。
製造業におけるRFタグ活用例と導入メリット
製造業では、RFタグによる棚卸、入出庫、在庫管理、仕掛品の進捗管理、工程ごとのトレーサビリティを確保するための工程毎の管理など、あらゆる場面で活用が進んでいます。例えば、工程票にRFタグを取り付けることで、各作業ステーションでの自動読み取りが可能となり、進捗の可視化や記録の自動化を実現できます。人為的ミスの防止や、帳票回収の手間削減にもつながります。
東芝テックのRFID対応A3カラープリンター「e-STUDIO4525AC RFID」を活用すれば、従来の帳票レイアウトを変更せずにRFタグ付き用紙へ印刷と同時にRFタグにデータの書き込みが可能です。帳票デザインの変更なしで、現場へ無理なくRFIDを展開できる点が、導入のハードルを下げています。
物流業におけるRFタグ活用例と業務改善
物流現場では、入荷・出荷時の検品、ピッキング、棚卸といった作業にRFタグが有効です。ラベル型のRFタグを商品に貼付し、ゲートやハンディリーダーで一括スキャンすることで、作業時間を大幅に短縮できます。また、在庫数を簡単に把握できるため、過剰在庫や誤出荷のリスクを減らし、業務の精度も向上します。
さらに、RFIDシステムと既存のWMS(倉庫管理システム)と連携することで、現場から本部までデータを一元管理する体制が構築可能です。
帳票と一体化したRFID活用で現場導入のハードルを下げる
RFIDの導入が進まない理由のひとつに、「現場フローの変更が大変そう」という不安があります。こうした課題を解決するのが、帳票とRFタグを一体化させた運用方法です。
東芝テックのRFID対応A3カラープリンター「e-STUDIO4525AC RFID」では、既存の帳票デザインを活かしながらRFタグ付き用紙に直接印刷が可能です。これにより、ラベルの貼付作業が不要になり、従来の業務フローを大きく変えずにRFID導入を実現できます。
現場担当者の負担を増やすことなく、自然な形で運用をスタートできるこの手法は、初めてRFIDを導入する企業にとって非常に有効なアプローチといえるでしょう。
RFタグ導入で現場改善を加速するために
RFタグは、単なる識別手段ではなく、業務の効率化・精度向上・可視化を一気に進めるための強力なツールです。種類や周波数帯、活用シーンを正しく理解し、自社に適したタグを選定することで、現場改善の成果を最大限に引き出すことが可能になります。
特に、帳票との一体化による導入支援や、スモールスタートによる段階的な展開など、運用しやすい仕組みを取り入れることで、導入のハードルを下げ、成功へとつなげていくことができるでしょう。
※当記事は2025年7月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

