【製造業・物流業向け】
RFIDシステムの導入コストを徹底解説!
費用目安と生産性向上の効果とは?
2025年9月22日
コラム
■業種・業態:
■キーワード:RFID/コスト/製造業/物流業

この記事のポイント
RFIDシステムの導入費用は、小規模システムで数百万円から、大規模では数千万円にのぼるなど、用途や規模により大きく異なります。本記事では、RFIDシステムの導入メリット、基本構成や費用の内訳、コスト削減のポイントまで、企業の導入判断に役立つ情報をわかりやすく解説しています。
「仕掛品の進捗が見えない」「誤出荷が多発」「資産管理が限界」――
こうした課題を抱える製造業・物流業の企業で、いま注目されているのがRFIDの導入です。
RFID(Radio Frequency Identification)は、RFタグに記録された情報を非接触で一括読み取りできる技術で、業務の自動化や在庫管理の効率化を実現できます。
この記事では、RFIDシステムの導入の費用相場、構成要素ごとのコスト、導入効果(メリット)、コストを抑えるポイントをわかりやすく解説します。
はじめに:なぜ今、製造業・物流業でRFIDが必須なのか?
RFIDとは、電波を用いて、RFタグに記録された情報を非接触で読み書きする自動認識技術のことです。
RFIDは、バーコードと異なり「複数一括」「非接触」「目視不要」での読み取りが可能です。たとえば、段ボールを開けずに中身をスキャンし、大量の物品をまとめて管理できます。
この特性が、深刻化する人手不足やDX(スマート工場・スマートロジスティクス)推進と合致し、製造業・物流業に不可欠な技術として注目されています。モノの管理や実績収集を自動化し、リアルタイムに情報を活用することで、サプライチェーン全体の競争力向上に貢献します。
RFIDシステムの導入で得られる生産性向上の効果
RFIDシステムの導入によって、以下のような業務改善効果が期待できます。導入コストを検討する前に、得られるリターン(メリット)を把握することが大切です。
- 棚卸・検品時間の大幅短縮バーコードに比べて作業時間を大幅削減可能。大量商品も一括読み取り。
- 人手不足対策と業務の省人化作業の効率化により、スタッフをより付加価値の高い業務にシフト可能。
- ヒューマンエラーの削減スキャン漏れや記録ミスの発生を防止。在庫精度の大幅向上に貢献。
- リアルタイムでの在庫可視化「どこに・何が・いくつあるか」を正確に把握でき、欠品・過剰在庫を防止。
- セキュリティ強化ゲート型リーダーで不正持ち出し・万引きの抑止が可能。
RFIDシステムの導入にかかる費用の内訳と目安
RFIDシステムの費用は、以下の4つの構成要素から成り立っています。初期費用だけでなく、ランニングコスト(保守費など)も想定しましょう。
- RFタグの費用(1枚あたり十数円〜数百円)
- 一般的なRFタグ:1枚当たり十数円~*1
- 特殊な用途のRFタグ(例:耐熱、金属対応):1枚当たり数百円*1
*1 UHF帯のRFタグの場合 - 一般的なRFIDリーダー・アンテナの費用
- ハンディ型リーダー:15~30万円程度/台*2
- ゲート型リーダー:50万〜数百万円程度/台*2、*3
*2 RFIDリーダーの運用に必要な付属品やスマートデバイスには別途費用がかかる場合があります。
*3 別途設置にかかわる工事が必要な場合があります。 - ソフトウェア費用
- パッケージソフト:数十万〜数百万円
- フルカスタム開発:数百万〜数千万円
- 運用費用(ランニングコスト)
- RFタグの追加購入費用
- 保守・サポート費用
- 機器のメンテナンス・修理費用
例えば、スモールスタートを行う場合、ハンディ型リーダー、一般的なRFタグ、棚卸パッケージソフトの組み合わせで、おおよそ100万円程度からの導入も検討可能です(※構成や数量により変動します)。
RFIDシステムの導入コストを抑える3つのポイント
- スモールスタートから始める
「どの業務の」「何の課題を」解決したいのかを明確にします。 - 過剰スペックの機器選定を避ける
必要な読み取り距離・条件に合わせて機器を選定します。 - 補助金・助成金を活用する
IT導入補助金などの活用で、最大数百万円の支援を受けられる可能性があります。
さらに、こうした導入の工夫に加えて、現場の運用負荷を抑えながらスムーズにRFIDシステムを自社で活用する方法として、帳票印刷とRFタグへのデータ書き込みを同時に行うアプローチがあります。東芝テックのRFID対応A3カラープリンター「e-STUDIO4525AC RFID」を活用すれば、普段の帳票の印刷と同時にRFタグへのデータ書き込みが可能となります。
このようなプリンターを用いれば、帳票の形式を変えずにスムーズにRFIDを利用した運用が可能であり、現場への影響を最小限に抑えながらRFIDシステムの導入を進めることができます。
まとめ|RFIDシステムの導入はコストだけでなく効果で判断を
RFIDは、単なる識別手段ではなく、業務の効率化・精度向上・可視化を一気に進めるための強力なツールです。種類や活用シーンを正しく把握し、自社に適した構成を検討することが、現場改善の成果を最大限に引き出す鍵となります。
RFIDシステムの導入には一定の初期投資が必要ですが、業務効率化・人手不足対策・在庫最適化・セキュリティ強化といった多くのメリットをもたらします。
重要なのは、単なる「費用」ではなく、「投資対効果」の観点で導入を検討することです。
RFIDシステム導入を検討中の方へ
RFIDは単なる自動認識技術ではなく、製造業・物流業の現場における業務改善やDX推進を支える基盤となる存在です。特に帳票との一体化や小さく始めることで、現場の負担やコストを抑えながら進められる工夫も数多くあります。
まずは「どこに課題があるか」「RFIDシステムで何が解決できるか」を整理し、限られた範囲や業務から試験的に導入を始めることをおすすめします。貴社の現場に適したRFIDシステムの活用方法を見つけ、次の一手としての導入をご検討ください。

