RFタグを誰が貼る?
──「RFIDのタグ手貼り」から卒業する方法

2026年1月23日

コラム

■業種・業態:製造業/物流業・倉庫業  
■キーワード:タグ手張り/タグ手貼り/RFID

製造現場でRFIDラベルを1枚ずつ手で貼り付ける作業者
RFIDの導入効果を阻むのは、タグ貼付という「手作業のボトルネック」であることが多い

はじめに:RFタグの「手貼り」が現場で面倒に感じられる理由

1枚ずつのタグ貼付作業が現場のボトルネックになる

RFIDは、バーコードに代わる自動認識技術として注目されています。複数のタグを一括で読み取れるため、棚卸や検品の作業時間を大幅に短縮できる点が大きなメリットです。しかし、いざ導入を検討すると「誰がタグを貼るのか」という問題に直面します。

サプライチェーンにおいて、RFタグを「誰が貼るのか」は長年の課題とされてきました。メーカーが製造段階で貼付する「ソースタギング」が理想ですが、実際には物流センターや倉庫で入庫時に1枚ずつ手で貼り付けているケースが多いのが現状です。国内外の大手衣料品メーカーがRFID全品貼付を実現できたのは、製造から販売まで一貫して管理するSPA(製造小売業)だからこそであり、多くの企業では生産地でのタグ取り付けが難しく、センターで入庫時に取り付けせざるを得ません。そして、取扱量が増えればますます面倒という負担感は増していくことになります。

ラベル発行・貼付・確認がすべて追加工程になっている

RFタグの手貼り作業は、単なる「シールを貼る」行為にとどまりません。タグの発行、貼付位置の確認、読み取りテスト、貼り直し──これらすべてが本来業務に上乗せされる追加工程となります。検査票や出荷ラベルにRFタグを貼り付けようとすれば、その分だけ工数とコストが膨らみます。

とくに問題なのは、タグ単価よりも貼付作業にかかる人件費の方が大きいケースが多いことです。現場では「タグの単価が高い」という議論になりがちですが、実際には貼付作業の人件費の方が導入を阻む要因になっているという指摘もあります。

「RFID 手貼り」「RFID 手張り」「RFID 手間」と検索される背景

「RFID 手貼り」「RFID 手張り」「RFID 手間」といったキーワードで検索する担当者は少なくありません。これは、RFIDの技術的なメリットを理解しつつも、現場での運用負担に悩んでいることを表しています。読み取りの自動化は進んでも、その前段階であるタグ貼付が手作業のままでは、効率化の効果は限定的になってしまいます。

※本記事では一般的な表記である「手貼り」を主に用い、同じくよく使われる「手張り」も併記しています。

RFIDのタグ手貼りがもたらす問題とリスク

大量の商品とRFIDラベルが並ぶ作業台
管理点数が多いほどタグ貼付の負担は増え、人員確保も困難になる

作業負担の増大と人員確保の難しさ

大量の商品を扱う企業では、タグ付け作業に膨大な労力と時間が必要になります。管理点数が多ければ多いほど作業者の負担は増え、場合によっては在庫管理の効率化と逆行するリスクすらあります。人手不足が深刻化するなか、タグ貼付のために人員を確保すること自体が困難になっている現場も多いのが実情です。

属人化による作業品質・生産性のばらつき

手貼り作業は担当者によって品質にばらつきが出やすいという問題があります。貼付位置が不適切だと読み取り精度が落ち、タグ同士が重なって貼付されると読み取り失敗の原因になります。どのタグが反応しなかったかを特定するのも困難で、結局は手作業での確認が必要になります。作業が属人化すると、特定の担当者がいなければ回らない状況に陥りかねません。

貼付ミス・読取不良による精度低下と手戻り

貼付ミスや貼り忘れ、さらには異なる商品へのタグ貼り間違いは、RFIDのメリットを根底から損ないます。タグと現物が紐づいていなければ、データの信頼性が失われます。せっかくRFIDを導入しても「読み取れないタグがある」「データが合わない」といった問題が発生すれば、結局バーコードや目視での再確認が必要になります。手戻りが増えれば、RFIDを入れた意味がなくなってしまいます。

現場のモチベーション低下と改善活動の停滞

「RFIDは便利だと聞いたのに、タグ貼りの手間が増えただけ」──こうした声が現場から上がれば、改善活動へのモチベーションは下がります。新しいシステムに戸惑い、最終的には「Excelと手作業を併用する」という事態に逆戻りするケースも珍しくありません。

RFIDのタグ手貼り前提をやめるために見直すべきポイント

「どこまでRFIDのタグを貼るべきか」をゼロベースで考える

まず見直すべきは、「すべての商品にタグを貼る」という前提そのものです。本当にRFIDで管理すべき対象はどこでしょうか。高頻度で動く商品、高額品、トレーサビリティが求められる品目など、優先順位をつけて対象を絞り込むことで、貼付作業の総量を減らせます。

タグ貼付ではなく「紙・帳票そのものをデータキャリアにする」発想

発想を転換すれば、タグを「貼る」のではなく、紙の帳票そのものにRFIDを埋め込むという選択肢が見えてきます。検査票や現品票、出荷伝票など、現場で使われている紙帳票をRFID化すれば、貼付工程そのものが不要になります。

解決策の一例:東芝テックのA3カラープリンターRFIDソリューション

プリンターでRFID対応帳票を発行し、帳票そのものをタグ化する

このソリューションは、タグ貼付の課題を解決するもうひとつの選択肢です。あらかじめRFタグが貼り付けられた用紙を使用するため、ラベル貼付作業が不要になります。既存の帳票デザインを活用すれば、現場フローを大きく変えずにRFID導入を実現できる点が特徴です。

印刷と同時にRFタグへ書き込み、ラベル貼付工程を削減する

このソリューションは、帳票を印刷するタイミングでRFIDにデータの書き込みを行います。そのため、タグの誤貼り付けなどの人為的ミスを回避することができ、手戻り作業を大幅に削減できます。

取得したデータを在庫・工程管理・RPAなどのシステムと連携する

RFIDで取得したデータは、在庫管理システムや工程管理システム、RPAなどと連携できます。手入力や転記作業を減らし、データの一貫性と精度を高めることで、業務全体の効率化につなげられます。

導入事例:RFIDのタグ手貼りからの脱却で現場負担を軽減したケース(想定例)

在庫管理での手貼りをなくし、RFID一括読取で作業時間を削減(食品メーカーの想定例)

ある食品メーカーでは、在庫管理のためにRFIDを活用していましたが、入庫品にRFタグを手貼りする作業に多くの時間を費やしていました。このソリューションを導入することでタグ貼付工程が不要となり、RFID活用の幅が広がり在庫管理、棚卸業務のさらなる効率化を期待できるようになりました。

出荷検品のラベル貼付を省略し、帳票RFID化で照合作業を効率化(革製品メーカーの想定例)

ある革製品メーカーでは、出荷検品時のラベル貼付と照合作業に多くの工数がかかっていました。出荷伝票をRFID化することで、照合作業の効率化を検討していましたが、ラベル貼付工程の省略が課題でした。このソリューションを導入することで、RFIDを活用した照合作業の効率化と誤出荷リスクの低減を同時に実現できるようになりました。

工程管理帳票をRFID化し、進捗確認とトレーサビリティを効率化(製造業の想定例)

ある製造業の現場では、作業指示書や移動票にRFタグを手貼りして進捗管理を行っていましたが、貼付ミスや読み取り不良が頻発していました。このソリューションで帳票へのRFID手貼り作業を省略することによって、ミスや不良による手戻り作業を削減し、人為的ミスの防止と帳票回収の手間削減も期待できるようになりました。

RFIDのタグ手貼りの見直しとソリューション導入のステップ

現場で「手間・面倒」と感じられている作業の洗い出し

まずは現場で「手間」「面倒」と感じられている作業を洗い出すことから始めます。タグ貼付だけでなく、押印・転記・照合など、手作業が残っている工程を可視化することで、改善の優先順位が見えてきます。

タグ手貼りが前提の運用ルール・帳票設計を見直す

次に、タグ手貼りを前提とした運用ルールや帳票設計を見直します。「タグを貼る」のではなく「帳票そのものをタグ化する」という発想に切り替えれば、運用設計のあり方も変わってきます。

一つのラインや帳票から小さく試験導入して効果を可視化する

1つのラインで試験導入の結果を確認する担当者たち
スモールスタートで効果を数値化し、現場の納得感を得ながら展開を広げる

導入はスモールスタートが基本です。一つのラインや帳票から試験導入し、効果を数値で可視化することで、現場の納得感を得ながら展開範囲を広げていけます。

まとめ:RFIDのタグ手貼りの手間を減らし、現場の「面倒」を解消する

RFタグ手貼りが抱える課題とリスクを改めて整理する

RFIDは読み取りの自動化に優れた技術ですが、タグ貼付が手作業のままでは効果が限定的になります。貼付ミス、属人化、作業負担の増大──これらの問題を放置すれば、RFIDの導入効果は薄れてしまいます。

タグ貼付を減らし、工程全体を効率化する方向性を検討する

「誰が貼るのか」という問題を解決するには、タグを貼る前提そのものを見直す必要があります。帳票のRFID化など、手作業を減らす方向性を検討することで、現場の負担を軽減しながらRFIDの効果を最大化できます。

現場の「RFID 手貼り」「RFID 手間」を減らす仕組みを詳しく見る(A3カラープリンターRFIDソリューション紹介ページへ)

RFタグの手貼りに悩んでいるなら、帳票そのものをRFID化するという選択肢を検討してみてください。A3カラープリンターRFIDソリューションは、紙帳票を活かしながらタグ貼付工程をなくし、現場の「面倒」を解消します。

※当記事は2026年1月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。