今やグルメサイトを上回る飲食店の集客の切り札!
SNSマーケティング成功のポイントと注意点

2026年2月20日

国内流通トピックス

■業種・業態:飲食店  
■キーワード:SNSマーケティング/インフルエンサー/集客

SNSを利用する女性のイメージ画像

飲食店の集客と言えば、以前はグルメサイトやクーポン誌が大きな影響力を持っていました。しかしここ数年、SNSで店探しを行う人が増加しています。なかでもZ世代(16~30歳)や30代の若年層では、SNSのグルメ情報を重視する人が大半という状況です。今や飲食店の集客に欠かせないSNS。そのメリットや留意点を整理しました。

SNSで店探しが増えた背景

SNSで店探しをしているイメージ画像

スマートフォンの普及率の高まり(2024年には携帯電話の約97%がスマートフォン)と、SNS利用者の増加(2024年のSNS利用率は全年齢平均で80%以上)があります。また最近の調査では、SNSで飲食店を探して実際に利用したことのある人は、調査対象者全体の84%と高い割合となっています。

一方で、従来のグルメサイトの利用率は9.8%と、低い水準にとどまっています。特にZ世代の多くは、グルメサイトに「伝わりにくさ」や「古さ」を感じているといいます。

また別の調査では、「飲食店探しをする媒体」として、SNSのA社への支持が52.2%で最多でしたが、グルメサイト全体の支持率はわずか9.8%でした。SNSと回答した人の半数近くが、その理由として「店の雰囲気がよく分かるから」、「料理の見た目や量がよくわかるから」という点を挙げています。

したがって今や飲食店の業績アップには、SNSマーケティング(SNSを活用した集客)が欠かせない時代になっているといえるでしょう。

SNSマーケティング活用のメリット

PC画面を確認している店員のイメージ画像

SNSはインターネット上でさまざまな人が交流し、情報を共有するための会員制サービスです。SNSマーケティングとは、そうしたSNSの特性を生かして、自社商品やサービスの認知獲得と情報拡散、顧客との関係構築、販売促進などを図るデジタルマーケティングの手法を指します。
飲食店がSNSマーケティングを活用することで得られる主なメリットは、次の6点です。

1.低コストで活用できる

一般的にSNSマーケティングでは、企業または店舗のアカウント(登録者のIDやパスワードなどの基礎情報)を開設し、情報発信やユーザーとのコミュニケーションなどを行います。SNS広告を打ったり、デザイナーなどのプロを起用したりしない限り、運用コストはほとんどかかりません。

2.リアルタイムで情報発信できる

新メニューの発売やキャンペーンの開始などの情報をリアルタイムで発信できるので、情報発信と拡散の即時性の高いマーケティングが可能です。

3.優れた視覚効果を発揮する

料理の写真や調理の動画は、ユーザーにその味や香りを伝え、「食べたい」という欲求を喚起させます。高い集客力を発揮できる点はSNSマーケティングの大きな強みです。

4.情報拡散効果が高い

SNSには「フォロー」や「シェア」の機能があります。フォローは発信(投稿)者に対しファン登録すること。それによって発信情報を自分のホーム画面に表示することができるようになります。シェアは他のユーザーの発信情報を、自分のフォロワーや友人と共有する機能のこと。それらの機能により、興味深い情報などは瞬時に大勢の人に拡散して(広まって)いきます。

5.顧客との強い信頼関係を構築できる

SNSを利用してユーザーとの相互コミュニケーションを行うことで、両者の距離感が縮まります。それにより店や企業への信頼感が強まり、リピーターやファンの増加が期待できます。なぜ店への信頼感が強まるのかというと、直接的な相互コミュニケーションを通じて、店の「人格」や「考え方」を伝えることができるからです。

6.インフルエンサーマーケティングで飛躍的に集客を高められる

インフルエンサー(SNSに多くのフォロワーを持つユーザー)に自店の情報を投稿してもらい、それを引用リツイートなどで拡散して、集客効果を飛躍的に高めることができます。普通は1回あたり100万円近い費用がかかるとされています。

SNSを活用して狙い通りの集客増加につなげるための5つのポイント

SNSマーケティングのイメージ画像

1.目的の明確化

SNSを活用して狙い通りの集客増加につなげるには、まず目的を明確にすることが重要です。売上増加や店の認知度向上、ブランディングの強化など、できるだけ具体的な目標を設定することが成功の第一歩になります。

2.情報を発信するターゲット層の明確化

SNSを活用する目的が固まったら、次は誰に情報を届けるのかという、ターゲット層の明確化を行うことが大切です。年齢や性別、地域、趣味、購買行動などのほか、外食に関する好みや価値観、興味関心事なども想定します。

3.店のターゲット層に合ったSNS選び

それぞれのSNSには独自の強みがあり、ユーザー層も異なります。そのため、ターゲット層に合ったSNSを選ぶことが大切です。最大限の効果を上げるためには、各SNSの強みやユーザー層について、まず十分に把握しなければなりません。

4.目的やコンセプトに合った魅力的なビジュアルコンテンツづくり

SNS投稿でユーザーを引きつけるには、ユーザーに喜ばれたり、親しみを持ってもらえたりするコンテンツづくりが重要です。SNSでは常に数多くの情報が流れているので、その中に埋もれてしまうようなコンテンツでは効果を期待できません。そのため、発信の目的や情報のコンセプトを明確にして、それにマッチした魅力的な写真や動画を投稿することが大切です。とりわけ重要なのは、シズル感のある料理写真や動画で見る人の興味や食欲を喚起することです。また、店内の雰囲気や居心地の良さなどが十分に伝わるコンテンツ作りも、大切なポイントになります。

5.こまめな情報発信と更新

投稿の間隔が開いたり不定期だったりすると、ユーザーが離れてしまうことになります。SNSが特によく利用される時間帯は、多くの人が仕事や学校を終えて自宅でリラックスする21~22時。この時間帯の投稿を習慣づけておくと、ユーザーの固定化や増加につながりやすいはずです。
また、店の顧客のコメントに対するスピーディな返信や、問い合わせへの丁寧な対応は、リピーターづくりのための重要ポイントになります。SNSを通じて、顧客の方と積極的に交流することが大切なのです。

SNSマーケティング活用における注意点

SNSマーケティングの注意点のイメージ画像

SNSマーケティングは多くのメリットがあるように見えますが、一方で、以下に述べるようなデメリットや注意点もあります。しっかりと心得て、対策を想定しておくことが大切です。

1.炎上のリスクがある

SNSの大きな利点は、投稿した情報が瞬時に拡散されることです。それによってフォロワーや店のファンを増やすことができます。一方で、投稿に対して悪評やいいがかりのようなコメントが発生した場合も、それがあっという間に拡散され、いわゆる炎上状態になることがあります。不特定多数の人たちとのコミュニケーションにおいて、そうしたリスクはつきものだといえます。炎上を完全に防ぐことは不可能に近いですが、次のような点を意識して、できる限り炎上を避けましょう。

  • 投稿する前に、それを読んだ人の感じ方、捉え方などを想像してみる(反感を抱かせる言葉、誤解させる表現などはないか)
  • 真偽が不確かな情報は発信しない(正しい情報であることを確認後に発信する)
  • 炎上しやすい話題を避ける(政治、宗教、性差、人種差別、社会問題その他)
  • 個人情報を安易に公開しない
  • 他人の批判や中傷となる投稿はしない
  • 従業員による不適切投稿を防ぐための教育を必ず実施する
  • 会社(や店)の公式アカウントで個人的感情による発信をしない

2.更新など、運用の手間がかかる

SNSでは常に多くの情報がタイムラインに流れているため、ともすれば投稿が埋もれてしまいます。従ってユーザーの目に触れるためには、かなり短サイクルで投稿する必要に迫られます。投稿内容を考えて更新作業を行う担当者の負担は、大変重いといえるでしょう。

つまりSNSマーケティングはローコストで高い効果が見込めるものの、同時に炎上リスクや担当者の重い負担といった課題と背中合わせなのです。誰かが片手間で担当して、期待通りの効果をあげられるものではありません。できれば経営者が、リテラシー(情報を適切に処理し、活用できる能力)を備えた専任担当者を置くぐらいの信念をもって取り組むべき戦略ツールです。短期的には効果が出にくいケースが少なくありませんが、結果の分析とこまめな情報発信を続ければ、高い成果が期待できます。

(文)流通ジャーナリスト 渡辺米英
発行・編集文責:株式会社アール・アイ・シー
代表取締役 毛利英昭

※当記事は2026年1月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。