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商品POPとは?
販促効果や種類、設置の注意点を解説

商品POPは、安価かつ手軽に取り入れられる販促ツールであり、多くの店舗が設置しています。POPが注目を集め、売上に大きく貢献しているケースも珍しくなく、顧客の購買意欲を刺激する高い効果が期待されます。

商品POPの種類や販促効果、設置するうえでの注意点など、そのポテンシャルの高さを発揮させる工夫について考察していきます。

商品POPとは

商品POPは、商品の情報や魅力を示して購入を促すことを目的に、店舗に設置する販促ツールです。商品名や価格、セールスポイント、商品説明文などを伝える役割を主に担います。

なお、POPは「Point Of Purchase」の略語で、「購買する場所」と直訳されます。また、POPには商品POPのほか、入店促進や売り場への誘導を目的とする「誘導POP」という種類もあります。

  • プライスカード
  • ポスター
  • タペストリー
  • 黒板
  • 卓上スタンド

これらの種類のほか、最近では動画や音を流すデジタル媒体「デジタルサイゲージ」も商品POPに用いられています。

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商品POPの種類

多くの種類がある商品POP。その代表的なものとして、次の4つの種類の特徴やメリットをみていきます。

  • ポスタータイプ
  • カードタイプ
  • シールタイプ
  • 音声・光タイプ

ポスタータイプ

ポスタータイプのPOPは、壁に直接貼って掲示するほか、天井から吊るす、スタンドで床置きにするなど、多彩な掲示方法をとれることが特徴です。製作費用が比較的安価でデザインの自由度も高く、詳細な説明を記載しやすい点もメリットに数えられます。

また、窓ガラスに貼る吸着タイプもあり、店舗の外に向けてのアピールにも用いられています。

ポスタータイプは幅広い業態の店舗で採用されており、おすすめの商品やこだわりのサービスの情報を訴求する際や、セールの告知などに活用されています。

カードタイプ

商品POPの定番といえるカードタイプには、「プライスカード」と「ショーカード」に種類が区分されます。

  • プライスカード:商品名や価格、割引内容やセールスポイントを記載する
  • ショーカード:商品の特徴や機能、使い方を記載する

カードタイプはサイズのバリエーションが豊富であり、手書きでも簡単に作成できるなど、臨機応変に内容を変更できる点がメリットです。スーパーやドラックストアからフラワーショップの花の販売まで、小売業全般で幅広く活用されています。

シールタイプ

シールタイプのPOPには、商品に貼る「アテンションシール」と呼ばれるタイプと、棚にラベル状のシールを貼るタイプがあります。

アテンションシールは、商品の特徴やセールスポイントを効果的に訴求することが目的です。シャンプー、ワックスといったヘアケア製品や化粧品などに広く用いられています。また、商品からはみ出すように大胆に貼り付けられることから、商品が目立ちやすく、顧客に認知されやすいこともメリットです。

棚にラベル状のシールを貼るタイプは、主に書店などで用いられており、新刊やフェア対象商品に顧客の目を向ける効果があります。

音・光タイプ

音タイプは、商品説明や告知などの音声メッセージを再生するPOPです。人が近くを通ると人感センサーが反応して音声が流れる仕組みで、スーパーマーケットなどに設置されているケースが多いです。

光タイプは、取り付けられたLEDライトなどの演出から、顧客へのアピール効果が高いPOPです。

音・光タイプは顧客の興味を惹きやすく、効果的に商品を訴求できることがメリットです。顧客に商品の魅力をわかりやすく伝えられる特徴を活かし、家電量販店などでも使用されています。

商品POPの販促効果

店舗に商品POPを取り入れると、次に挙げるような販促効果が醸成されます。

  • 商品を目立たせる
  • 購買意欲を高める
  • 商品の魅力を詳しく伝える
  • 商品イメージをより具体的に示す

商品を目立たせる

商品POPの販促効果のひとつに、売りたい商品や注目してほしい商品に顧客の目を向ける作用があります。セール品や新商品、期間限定商品などをPOPでアピールすれば、顧客からの注目は際立って集まるでしょう。

特に陳列棚で特定の商品だけを目立たせたいときに、商品POPは効果的です。たとえば、キャンペーン対象商品の棚だけにラベル状のシールを貼っておくと、対象商品を一目で見分けられるようになります。

購買意欲を高める

来店する顧客のなかには、特に購入する商品を決めていない人や、下見目的の人も少なからずいるものです。商品POPは、こうした購入する予定のない顧客に対して、購買意欲を発露させる効果もあります。

たとえば「数量限定」「期間限定」といったPOPが設置されていると、購買意欲は強力に醸成されるでしょう。

商品の魅力を詳しく説明できる

パッケージだけでは伝わらない、商品に関する情報をPOPに記載しておくことで、その魅力をより詳しく説明できます。

店員が都度、商品説明を担当するのは、人員配置の面からも現実的ではありません。しかし、商品説明が不足し購入の意思決定を促せないでいると、販売機会損失にもつながりかねないジレンマが生じます。

そこで、ポスターなどに商品説明を記載して掲示しておくと、顧客は購入意思を判断できます。ポスターをじっくりと見ている顧客に向けて、店員がさらに詳しい説明をして購入意欲を後押しすることも可能です。

商品イメージをより具体的にする

POPは店舗や商品のイメージを具体的に表現し、ターゲットとなる顧客層へ訴求するツールでもあります。

たとえば、オーガニック素材を使ったシャンプーを陳列し、フェアトレードを重視するライフスタイルの層をターゲットとするなら、ナチュラルかつデザイン性の高いシンプルなポスターの掲示が効果的です。「親近感」「高級感」など、ターゲットとなる顧客層と相性の良いイメージのPOPを掲示すると、訴求効果が高まります。

商品POPの効果的な設置

商品POPは該当する商品のすぐ近くに配置するのが基本ですが、レジ横に設置して「ついで買い」を促進するなど、さまざまな工夫の余地が考えられます。

また、POPはサイズが大きい方が見やすくはなりますが、大きなPOPが数多く並んでいると、商品の陳列バランスは崩れます。陳列棚にはカードタイプの小さなPOPやシールタイプを用い、壁にはポスタータイプを掲示するなど、場所に応じたサイズのPOPを選択しましょう。

商品POP設置の注意点

商品POPを効果的に活用するために、作成や設置にあたっての注意点を確認しましょう。

  • ごちゃごちゃした印象になっていないか
  • 店のイメージに合っているか
  • 伝えたい相手を想定しているか

ごちゃごちゃした印象になっていないか

顧客に多くの情報を届けようと大量のPOPを設置してしまうと、店内は雑然とした印象になりがちです。また、POPの数が多くなると、ひとつひとつが目立たなくなり、顧客の視線も分散してしまうことから販促効果が薄れてしまいます。

POPの設置は、特にアピールしたい商品や詳しい説明が必要になる商品に絞ることがポイントです。使用する色の数を抑える、大きいサイズのPOPは陳列棚には使用しないといった工夫も欠かせません。

店のイメージに合っているか

POPのデザインが、店舗のコンセプトや内装イメージと乖離していると、顧客にちぐはぐな印象を与えてしまいます。

自然素材の化粧品を陳列するアースカラーを基調とした内装の店舗に、ビビッドカラーのPOPを設置したのでは、イメージは毀損されてしまいます。POPのデザインは店のイメージと統一感を持たせましょう。

伝えたい相手を想定しているか

POPを設置しても、ターゲットに興味を持ってもらえなければ販促効果は望めません。どんな人に買って欲しいのか、ターゲットを具体的に設定することは、POP設置戦略に欠かせないアプローチです。

また、専門用語を多く使うと顧客の理解が進まず、魅力が伝わりにくいこともあります。伝えたい内容は顧客目線を意識して盛り込みましょう。

まとめ

商品POPは手書きでの作成も可能で、低予算で取り入れられるツールでありながらも、高い販促効果が期待できるものです。顧客の購買意欲を刺激できるよう、ターゲットを明確に設定する、店舗のイメージにマッチしたデザインのPOPを作成するなどの工夫を考えてみましょう。