POSシステム導入事例
IT導入補助金を活用し対面式セルフを導入。
地域医療を支える医院が従前の課題を解決
医療法人 岡皮膚科医院
医師2名、看護師3名、事務スタッフ3名が働く医療法人 岡皮膚科医院では、以前からレジの入力誤差が課題になっていました。この問題を解決し、事務スタッフの負担を軽減すべく、同院はレセプトコンピュータの伝票にバーコードを付加し、それをPOSレジで読み取るソリューションを採用。大きな成果をあげています。
POSシステム
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導入時期
2023年3月~
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導入目的
IT導入補助金を活用した業務改善
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課題
人手不足
スタッフに働き続けてもらえる環境を整えること
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効果
事務スタッフの負担を軽減
レジ入力が不要になったことで患者さんとの対話が増えた
医療水準の維持に向け自由診療にも積極的に取り組む
1993年の開院以来、医療法人 岡皮膚科医院は倉敷市郊外で一貫して地域に密着した医療を提供しています。
「当院の立地は医院があるのは倉敷市ですが、東に数百メートル行くと岡山市、南に2キロ行くと早島町、北に3キロ行くと総社市です。診療エリアも4つの自治体にまたがっています」と説明するのは、理事長の岡 大介氏。ご子息である岡 大五氏が新院長に就任した2023年からは、シミ・ソバカス・ニキビ痕治療や医療脱毛など美容目的の自由診療にも力を入れています。
「今後、社会保障費が膨らみ続け、従来の医療体制の維持がより困難になることが見込まれますが、こうした中、地域医療の水準を維持する上で、美容などの自由診療ニーズへの対応は大きな意味を持つと考えています。美容というと女性を連想しがちですが、近年はひげやムダ毛の医療脱毛やシミ治療など、男性の利用も増えています」
スタッフは医師2名、看護師3名、事務スタッフ3名。人手不足が言われる中、人材の確保は同院にとっても大きな課題の一つです。
「当院のような規模では余剰人員を抱える余力はなく、今いるスタッフが1人辞めればすぐに補充する必要がありますが、同水準の能力を持つ人材が確保できる保証はどこにもありません。そう考えると、今いる人たちに働き続けてもらえる環境を整えることはとても重要な課題です」
IT導入補助金を活用し新ソリューションを導入
事務スタッフの負担を軽減して、岡氏が注目したのが会計時のレジ業務でした。
「これまで当院の会計は、レセプトコンピュータから出力した伝票を事務スタッフがレジスターに手打ちして行ってきました。毎日のレジ締めは私が行っていたのですが、レセコンと照合すると、数字が合わないことが珍しくありません。2、30円の違いですが、医院の運営には多くの人が関わる以上、額が小さいからといってないがしろにはできません。事務スタッフに話を聞くと、レジスターへの入力は面倒で、打ち間違いしやすい作業ということが分かりました」
何かいい方法がないかと考える中で出会ったのが、知人の医院が導入した対面式セルフでした。レセコンとのバーコード連携により、数字を打ち込む手間が不要になることがその理由です。まさにそのタイミングで届いたのが、東芝テックの病院向け対面式のセルフレジを紹介するダイレクトメールでした。
岡理事長が最初に展示会に出向いたのは、2022年夏のこと。その後商談を重ね、同年12月に導入を決定しましたが、その第一の理由は、ソリューション導入にIT導入補助金が利用できた点にあったといいます。
「当院の規模で、150万円から200万円の費用感だと導入は難しい。しかし、補助金制度を利用すれば100万円ほどで済むと知り、導入を決断しました。補助金申請は、東芝テックさんのサポートを受けながら作成し、最終的な申請は当院で行うという流れで行いました。申請手続きで苦労した点は特にありませんでした」
レジ入力が不要になったことで患者さんとの対話が生まれた
補助金の採択を待ち、本契約が交わされたのは2023年3月のこと。レセコンが出力する伝票に付加したバーコードを事務スタッフがリーダーで読み取り、モニターの表示金額を見て、患者様自身が精算を行うソリューションの第一の効果は業務の省力化です。
「事務スタッフは、仕事が楽になったと本当に喜んでいますよ。伝票のバーコードをピピッと読み取って、『ここにお金を入れてください』と言うだけですからね。もちろん入力ミスが発生しなくなったことも効果の一つです。さらに言えば、患者さんの顔を見て『お元気でしたか?』とか『お大事に』と声を掛ける余裕が生まれたことも導入効果ですね」
その一方で、新しい仕組みへの対応は、特に高齢の患者様にとっては難しい点も少なくないようです。
「若い人であれば問題ないんですよ。しかしご高齢の方に、新しい仕組みへの対応はやはり難しいようです。当院も含め、医療機関の利用者は3割以上が高齢者ということが一般的です。そのため現時点では、事務スタッフが手取り足取り精算のお手伝いをしている関係上、会計対応時間の削減には必ずしもつながっていないのが正直なところです」
今後の課題として岡理事長が話すのは、レセコンとPOSレジの全面的なデータ連携です。
「本来であれば、レセコンとPOSレジが完全にデータ連携することが理想と考えています。そうすれば事務スタッフがバーコードを読み取る必要もなく、患者さんが診察券をかざすだけで請求金額が表示されるようになります。ただし、その実現には二つの課題があります。一つは設置スペースの問題です。現状の対面式セルフより広いスペースが必要になるため、多くの場合、待合室のレイアウト変更から考えていく必要があります。もう一つは、これまで同様にスタッフの配置が必要になるため、省力化には直結しない点です。ただし10年後、20年後を考えると、省人化という方向に社会全体が進むことも間違いないはずです。当面は現在の仕組みを活用し、世の中の動きを見極めながら次のステップに進みたいですね」
※当記事は2024年1月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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