業務効率化事例

人気のうなぎ料理専門店がセルフオーダーシステムを導入
フロアスタッフの業務を5割減し、新しい試みにチャレンジ中

株式会社川昌

株式会社川昌店舗外観イメージ画像

川昌の名物メニューは、ふわとろ卵とうな丼を合わせた「金のうな丼」。うなぎ料理の新たな可能性への挑戦は、首都圏を中心に多くのファンを生むことにつながりました。二代目店主が業界に先駆けて導入したセルフオーダーシステムは、フロア業務を5割削減。若い世代のお客様からは、料理をじっくりと選べると好評です。

専門店向けセルフオーダーシステム

  • 導入時期

    2023年

  • 導入目的

    フロア業務の省力化

  • 課題

    広間を個室化し、落ち着いて食事が楽しめる環境を実現したい

    個室化に伴うフロア業務の煩雑化を最小限に留めたい

  • 効果

    フロア業務の50%削減を実現

    自動釣銭機によりレジ開け、レジ締めの工数を大幅削減

名物メニューで全国にその名を知られる人気店に

埼玉県松伏町の川昌は、1981年創業のうなぎ料理専門店。店を訪ね、まず目をひくのは、趣がある古風な店構えです。二代目の飯塚 裕志氏はこう説明します。

「実はこの店は、千葉の醤油メーカーさんの江戸時代の醸造蔵を解体する際の廃材で建築しました。創業当初はここから近い自宅を改装して営業していたのですが、遠方から車でいらっしゃるお客様への道案内が難しく、1995年にこちらに移転しました」

川昌店内のイメージ
川昌店内のイメージ2

道案内がしやすくなったとはいえ、最寄り駅から車で15分という立地条件の中、専門店を維持するのは決して簡単なことではありません。主に西日本のうなぎ料理店で修業を続けてきた飯塚氏が創業者である父に呼び戻され、店を継いだ際に直面したのもこの問題だったといいます。店を維持するためまず取り組んだのが、遠方から足を運んでもらえる名物メニュー作りでした。生まれたのが、ふわとろ卵と蒲焼を組み合わせた「金のうな丼」。

「蒲焼を卵でとじたうな玉丼やだし巻き卵を乗せた金糸丼など、卵とうなぎを組み合わせた料理はすでにいくつもありますが、私自身、卵料理が好きなこともあり、なにか新しい組み合わせはないだろうかと以前から考えていました。なんとか商圏を広げたい、という思いでテレビ番組にも積極的に協力していた中、ある番組でオムライスが有名な洋食店さんと共演させていただいた際に思いついたのが、“金のうな丼”でした。ビジュアル的にも自信はあったのですが、視聴者の反応は想像以上でした」

金のうな玉丼のイメージ

加えて、金のうな玉丼は、外食チェーンともロイヤリティ契約を結ぶことで知名度は全国に広がり、契約が終了した後も、ショッピングモール等の催事への出店依頼が絶えないといいます。

現代人の味覚に合ったうなぎ料理の可能性を追求

金のうな玉丼の誕生経緯からもうかがえる通り、伝統にとらわれることなく、うなぎ料理の新たな可能性を追求することが川昌の大きな特長です。関東風と関西風の蒲焼の食べ比べができることはその一例です。

「蒸すことで脂をしっかり落とす関東風蒲焼は、マグロのトロを嫌った江戸時代の人々の味覚や価値観のもとで確立したものです。伝統を守ることはもちろん大切です。それを否定するつもりは毛頭ないのですが、では江戸前の蒲焼がすべてなのかというとやはりそれは違うと思います。私たちは、現代人の味覚にあったうなぎ料理を追求していきたいと考えています。関東風・関西風の蒲焼の食べ比べメニューを提供するのはこれまで例がなく、当初は不安もあったのですが、いざ蓋を開けるとかなり好評ですね」

うな重のイメージ

最先端の急速冷凍装置を導入して通販メニューを開発することや、オートクッカーによる新たなメニュー開発に積極的に取り組むこともこうした考え方が背景にあります。

「急速冷凍装置については、ミシュラン星付きの寿司店に学ばせてもらっています。同業の方々はあまり意識されていないと思いますが、フードクッカーについても大きな可能性があると考えています」と飯塚氏は言います。

うなぎ料理の自動販売機のイメージ
うなぎ料理の自動販売機のイメージ2

多店舗展開に向け、POSデータ活用など東芝テックの支援に期待

川昌と東芝テックとの取引は、先代がPOSシステムとハンディターミナル、キッチンプリンターを導入したことに始まります。

「私が経営を引き継いだ時には東芝テックの製品がすでに欠かせない存在になっていました。決して安い買い物ではありませんが、拡張性やサポートなどの面で、父の判断は正しかったと感じています。特に、今後成長していきたいと考える経営者であれば、東芝テックを選んで間違いないと思います」

新しいものを積極的に取り入れる飯塚氏の姿勢は、うなぎ料理専門店としてはまだまだ珍しいセルフオーダーシステムへの導入にも表れています。

「以前から個室のみセルフオーダーシステムを導入していたのですが、2023年に店内改装を行い、以前の大広間をすべて個室化したタイミングで全面的に導入しています。以前はそのメリットをあまり意識したことはなかったのですが、オペレーションを一元化したことでセルフオーダーのメリットが改めて実感できました。注文を受ける手間が不要になり、膳の上げ下げだけで済むわけですから、フロアスタッフの業務は確実に半減できていると思います」

セルフオーダーのイメージ
セルフオーダーのイメージ2

うなぎ料理専門店のような伝統的な料理店がセルフオーダーを導入するケースは、まだあまり多くありません。お客様の反応はどうだったのでしょう?

「SNSの反応などを拝見すると、確かに抵抗感を持つ方も一部にはいらっしゃるようです。ただし私たちは、接客サービスを売りにしてきたお店ではありませんし、操作に戸惑うお客様にはこれまで同様スタッフが注文を受けるようにしています。若い世代を中心に、じっくり時間を掛けてメニューが選べてよかったという反応が多いことを考えると、自信を持って提供する料理をより多くの人に味わってもらうという目的を実現する上で、決して間違っていない選択だったと考えています」

さらに、2024年7月には自動釣銭機を新たに導入しました。

「以前はレジ開け、レジ締めは私が行っていましたが、レジ開けの釣銭登録やレジ締めの集計作業など負担は非常に大きなものがありました。自動釣銭機の導入により、こうした作業がすべて自動化でき、さらに違算もなくなりとても助かっています。また操作については、会計を担当するフロアスタッフもスムーズに対応できていますね」

川昌の会計イメージ
POSシステムと会計システムの連携のイメージ

大きな課題であった商圏拡張を実現した川昌が現在視野に入れるのは、多店舗展開の実現です。東芝テックには、その支援という観点でも大きな期待を寄せています。

「POSシステムと会計システムの連携による経理業務の省力化などでご協力いただいていますが、今後は飲食業界で蓄積したノウハウを含め、これまで以上に東芝テックの力を借りたいと考えています」

※当記事は2025年2月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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