POSシステム導入事例

諏訪大社が御札・御守りの授与にPOSシステムを導入
初穂料の受取りと在庫管理を大幅に省力化しました

信濃國一之宮 諏訪大社

信濃國一之宮 諏訪大社のイメージ画像
御守り選びは神社仏閣巡りの楽しみの一つ。その一方で、参拝者の目を楽しませる多種多様な授与品の管理には少なからぬ労力が必要とされます。全国から参拝者が訪れる信濃國一之宮 諏訪大社は授与品の管理に物販POSシステムを導入。在庫管理の大幅な省力化を実現しています。

専門店物販POSシステム

  • 導入時期

    2023年5月

  • 導入目的

    神職・巫女の本来の役割を大切にしたい

    在庫管理の精度向上

  • 課題

    奉納される初穂料の管理業務の煩雑化

    巫女の本来の務めである、神に仕える時間の確保

  • 効果

    授与品受渡しがリアルタイムで正確に管理できるようになったことで、日々行ってきた在庫管理業務が大幅に省力化された

    自動釣銭機による違算の大幅な削減

授与実績を把握するため、棚卸を毎日実施

日本最古の神社の一つである諏訪大社を、モミの巨木を山から曳き出すおんばしらの神事でご存知の方も多いはずです。

諏訪湖を囲むように広がる、上社前宮・本宮、下社春宮・秋宮の四宮からなる諏訪大社の場合、御社殿の四隅に立てられる御柱は計16本。正しくは式年造営御柱大祭と呼ばれる6年に一度の神事では、大きなものでは長さ17メートル近く、重さ13トンに及ぶモミの巨木を20~25キロ離れた山中から人の力だけで曳き出します。

これほどの巨木を車もコロも使わず、人の力だけで曳行するには、一本の柱につき1,000~2,000人が力を合わせることが必要といいます。古くから続く神事は、今も諏訪地方一円の20万人の氏子が総参加して行われています。

諏訪大社上社本宮のイメージ画像
▲諏訪大社 下社秋宮

全国から参拝者が訪れる諏訪大社で、以前から大きな課題になっていたのは御札や御守り、縁起物などの授与品の管理でした。

神社仏閣では多様な授与品を用意しています。諏訪大社の御守りは、肌身袋守、御柱守、学業成就守など多岐にわたると共にカラーバリエーションも豊富です。

しかし、初穂料と引き換えに手渡しで行われる授与では、なにがどれだけ授与されたかを正確に把握することは難しく、毎日棚卸を行い、各アイテムの授与数を管理してきたといいます。

御札のイメージ画像
▲御札
御守りのイメージ画像
▲御守り

諏訪大社で長く経理を担当されてきた方は、以前の課題をこう説明します。

「初穂料として奉納されたお気持ちへの返礼としてお渡しするという授与品の本来のあり方を考慮すると、それほど厳密に在庫管理を行う必要はないという考え方もあります。しかし当社では参拝された皆様のお気持ちを活かしていきたいという考え方のもと、お預かりした初穂料を正しく管理したいと考えています。一方でその取り組みは、新たな課題にもつながりました。

ご覧になれば分かる通り、当社の授与所では巫女がこうした業務の一切を取り仕切っていますが、巫女の本来の仕事は神に仕えることです。神前における舞の奉納や、結婚式でご奉仕するにはさまざまな修練が必要ですが、授与所における事務作業の増大は、こうした本来業務の制約にもつながっていました」

巫女業務風景のイメージ画像
▲巫女業務風景

POSシステムを採用し、業務の省力化を推進

以前からこうした問題を強く意識してきたご担当者様が次の一手を考える上で大きな役割を果たしたのが、研修先の神社で出会った東芝テックのベーカリースキャンを流用したソリューションでした。ベーカリー向けに開発されたベーカリースキャンは、トレイ上のパンをカメラで一括識別するAIレジ。この仕組みを流用することで、トレイに御守りを置くだけで自動的にカラーバリエーションまで含めたアイテム識別が行えるようになります。

「デジタル機器が前面に出るような授与の姿をご参拝の皆様がどう受け止めるかは別問題です。特に当社のような地元の氏子さんに支えられた神社の場合、氏子の高齢化もあり、ベーカリースキャンによるやり方をそのままの形で導入するのは難しいと判断しました」

諏訪大社は以前から独自の管理システムを構築するなど、IT化にも積極的に取り組んでいます。システム構築・保守を委託する地元ITベンダーを介して紹介された東芝テックと共に授与品管理の仕組みを考える中で提案されたのは、東芝テックの専門店物販POSシステムを利用し、タブレット型端末で入力を行い、釣銭処理を自動化するソリューションでした。タブレット型端末を採用した理由は、POSレジの存在感を最小限に留め、従来の授与の手順を大きく変えることなく移行できる点にあったといいます。

導入決定は2023年5月。以前から同社が運用してきた管理システムとの連携を図った上で2024年3月から本格的な運用を開始しています。

POSレジのイメージ画像
▲POSレジ
レジ画面のイメージ画像
▲レジ画面

リアルタイム入力で実在庫管理の大幅な省力化を実現

POSレジを活用した新たな授与の手順は、画面に表示される授与品に対応したボタンを押し、受け取った初穂料を自動釣銭機で処理するという流れで行われます。業務を担当される巫女の方は導入時の苦労をこう振り返ります。

「特に私の場合、これまでレジ業務の経験がなかったこともあり、うまく使えるか多少の不安がありましたが、操作自体はすぐになれました。種類の多さもあり、導入当初は押し間違いも発生していましたが、表示方法を見直すことでこうしたミスもかなり減っています」

POSレジ操作の様子のイメージ画像
▲POSレジ操作の様子

導入効果は大きく二つあります。一つは違算が発生しにくくなった点。そしてもう一つが従来の在庫管理の手間がほぼ不要になった点です。

「実在庫管理は今も毎日行っていますが、POSレジで会計システムに入力されたデータと実在庫が対応するため、以前のような苦労もなく作業を終えられています。作業は大幅に効率化できていますね」

同社が東芝テックをパートナーに選んだ背景には、万全のサポート体制もありました。特に、初詣で賑わう元旦も含め、365日のサポートはとても高く評価されています。

「上社前宮・本宮、下社春宮・秋宮の四宮のうち、今回POSシステムを導入したのは上社本宮、下社秋宮の二宮ですが、今後数カ月運用し、問題がないことを確認した上で全宮に展開したいと考えています。巫女だけでなく神職にとっても、御札や御朱印、神前で読み上げる祝詞など、デジタルに頼ることができない仕事は数多くあります。

人間の手を必要としない部分をデジタル化し、神様にお仕えする時間を多く作る取り組みを今後も続けていきたいと考えています」

販売のイメージ画像
おみくじのイメージ画像

※当記事は2024年5月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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