POSシステム導入事例
POSシステムのリプレースと自動釣銭機の
新規導入を業務改善助成金の活用で実現
ファミリーダイニング小玉屋
新潟県南魚沼市で飲食事業を行うファミリーダイニング小玉屋は、最低賃金改定を受け、業務改善助成金の利用を前提とした業務全体の見直しを実施。高い助成率で行ったPOSシステム入れ替えと自動釣銭機の新規導入は、フロア業務の省力化に大きな役割を果たしています。
専門店物販POSシステム
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導入時期
2024年1月
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導入目的
業務改善助成金を利用したフロア業務改善
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課題
賃金引き上げ額に応じて助成上限額が定められた制度を活用することの難しさ
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効果
最適解を導くにあたり、東芝テック担当者の迅速な見積提出が大きな役割を果たした
違算の不安がなく、毎朝レジ準備金を用意する必要がなくなったことによるマネーストレス解消
まもなく創業百年 4世代がつなぐ名店
国内有数のブランド米生産地として知られる魚沼盆地。その玄関口である上越新幹線浦佐駅前で営業を続けるファミリーダイニング小玉屋は1927年創業の老舗。1世紀近くにわたり地域の人々に愛される人気店です。
「主人の曽祖父にあたる初代が駅西口で食堂をはじめたのがそもそもの始まりと聞いています。上越新幹線開通に合わせ、二代目が1983年に現在の東口側に移転し、今日のファミリーレストラン業態に転換し、今日に至っています」と説明するのは、12年前に高校の同級生だった四代目の雄介氏と結婚し、こちらに嫁いだ取締役 総務・ホール統括の小島 藍子氏。
ちなみに現社長は三代目で、今も元気に厨房で腕を振るっているといいます。
「ファミリーダイニングの名の通り、三世代が一緒に来てそれぞれ好きなものが食べられることが当店の第一の特長です。私自身、子どもの頃からここで家族と食事をしてきました。自分の誕生日に小玉屋で食事をした思い出を持つ人がここで子どもの誕生日を祝うことも珍しくありません。こうした場を残すことはとても素晴らしいことだと私自身も感じています」
省力化実現に向け業務改善補助金に注目
飲食店経営は近年、人手不足や最低賃金改定に伴う人件費上昇など多くの課題に直面しています。小玉屋もそれは同じです。
「当店の場合、特に厨房スタッフの確保に苦労しています。フロアスタッフは近くの医療系大学に通うアルバイトが確保できるので助かっていますが、人件費の上昇にどう対応していくかは以前から大きな課題であり続けています」
こうした中、ファミリーダイニング小玉屋が注目したのは、業務のデジタル化をはじめとする多様な設備投資に対し、高い補助率が助成される厚生労働省の業務改善補助金の活用でした。
ただしその採択には、事業所内最低賃金の引き上げ計画と設備投資計画を準備する必要があります。
「最低賃金改定への対応に関し、顧問の社会保険労務士の方と話をする中で提案いただいたことが業務改善補助金に注目するきっかけでした。業務改善補助金は、最低時給の引き上げ額に応じて助成上限額が変わるため、経営全体を視野に入れて引き上げ額の設定とツール導入のバランスを図る必要があります。一連の申請業務は私が担当しましたが、最も難しさを感じたのはその点でした。最適解を見つけるための一連の取り組みにおいて、さまざまなツール組み合わせ提案をしていただいたのが、以前から取引がある東芝テックさんでした。組み合わせを変えた見積提案を依頼する都度、即座に対応いただけたことには本当に助けられました」
当初導入を検討したのは、自動釣銭機とタブレット型セルフオーダーシステムの組み合わせだったといいます。しかし、テーブル席だけで26テーブル、さらにカウンター席もあるという規模の同店全体にセルフオーダーシステムを導入しようとすると、条件を満たすことが困難になることが判明しました。
最終的に、既存POSレジの専門店向けPOSターミナル+FScompassNSへの入れ替えと自動釣銭機の新規導入を組み合わせで、高い補助率の設備導入を実現しています。
申請準備から採択までに掛かった期間は約半年。採択を受け、2023年12月に発注し、翌年から運用を開始しています。
なお、リプレースは定休日を利用して実施。早朝から作業を開始し、翌日からはなんの問題もなく運用を開始しています。
自動釣銭機がさまざまなマネーストレスを解消
自動釣銭機導入の最大の効果は、マネーストレスの解消です。
「当店では東芝テック製のPOSシステムを20年近く使い続けてきましたが、実はPOSシステム自体に不満を感じたこともなく、自動釣銭機が必要という強い思いがあったわけでもありません。補助金活用を前提とした検討を重ねる中で至った結論でしたが、特に自動釣銭機は、マネーストレス解消や業務省力化に大きな役割を果たしていることを実感しています。例えば、毎朝のレジ準備金の用意のほか、毎日の営業終了後のレジ締め作業がとても楽になり時短につながりました。違算の心配がなくなったことのほか、自動釣銭機のセキュリティ性の高さを利用し、レジ準備金をドロワーに残す運用に切り替えたことで、準備金を用意する必要がなくなったことも大きな効果の一つです。これまで当り前のこととして行ってきましたが、毎朝レジ準備金を用意するための苦労の多さを改めて実感しているところです」
また、東芝テックのサポートについても高い評価をいただくことができました。
「導入後、1カ月はレジの導入を担当してくださったサービスマンが、いつでも電話に出てくれる対応をしていただきました。使い始めたころは何度か困ったことがありお電話しましたが、とても心強く助かったことを覚えています」
4世代にわたり地域の人々に愛されてきたファミリーダイニング小玉屋は、次の百年に向けた新しい取り組みを開始しています。それは、地元・南魚沼の生産者との協業による、ここにしかない料理の開発です。
魚沼天恵菇と名付けられた肉厚なプレミアム椎茸を使ったメニュー開発はその一例。大きさ・肉厚・旨味の三拍子揃ったその味わいは、山のあわびとも呼ばれ、天恵菇の刺身は多くの食通をうならせてきました。
「コロナ禍を受け、通販用の商品開発も行っていますが、この土地ならではの食材をきっかけに、日本中、さらには世界中の方々が南魚沼を訪れていただきたいと考えています」
地域の人々に愛されてきた、祖父母からお孫さんまでの3世代がともに楽しめる場を守り続けるにも時代に応じた変化は必要です。人手不足が大きな課題として浮上する中、自動釣銭機による業務省力化は、次の百年に向けたファミリーダイニング小玉屋の取り組みをこれからも支えていくはずです。
※当記事は2024年10月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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