スローショッピングの取り組みとレジの多様化 導入事例
スローレジ(ゆっくり会計)をはじめとした
多様化するお客様のスタイルに合わせたレジをラインアップ
株式会社マイヤ
株式会社マイヤは、岩手県と宮城県に合わせて19店舗のスーパーマーケットを展開しています。魚の街、大船渡に本部を置き、ここで仕入れた新鮮な魚を各店舗で販売し、内陸部のお客様からもとても喜ばれ、高い支持を得ています。同社の理念は、地域社会の豊かな生活文化に貢献すること。店舗を通じ厳選した商品をお届けすることで、新しい暮らし・豊かな暮らしを提案し、より良い生活環境を提供できる地域密着型のスーパーマーケットを目指しています。
※2026年1月時点
スローショッピングの取り組みとレジの多様化
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スローショッピング
取り組み開始と目的2019年4月
認知症のお客様へ楽しいお買い物の場を提供
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スローショッピング
取り組み内容スローレジ(ゆっくり会計)
サッキング(袋詰め)サービス
わかりやすい店内表示
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導入機器
フルセルフレジ
レーン型セルフ
ピピットセルフ(カートPOS)
フラッパーゲート
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スローショッピングと
導入機器の効果認知症のお客様も楽しくお買い物
認知症に対する従業員の理解と対応が向上
お客様単価増(ピピットセルフ)
精算漏れ事故減少
スローレジ(ゆっくり会計)とサッキングサービスで
認知症のお客様も楽しめるお買い物の場を提供
大船渡に本部を構えるマイヤ各店には、新鮮で豊富な海鮮商品が所狭しと並んでいます。その中でも特に人気が高いのがお寿司です。東北地方で親しまれている魚で握ったお寿司は、年末年始やお盆などには非常に高い販売実績を誇っています。
お寿司と同様、店内で目を引くのが「しばでの極」。「しばで」とは沿岸部の方言で「おつまみ」のことを言います。従来のお惣菜に加え、地場の食材を使いボリューム満点につくられたおつまみの数々は、どれを選んでも満足の逸品です。
マイヤの看板商品
お惣菜・おつまみ
(現、取締役 グロサリー商品部 統括マネージャー)
取締役 販売部兼業務改善部担当 辻野晃寛様
(現、取締役 グロサリー商品部 統括マネージャー)
JR盛岡駅から岩手山に向かって車で約20分。住宅が建ち並ぶ郊外にマイヤ滝沢店があります。広いフロアに多くの商品が並びますが、何がどこにあるのかとてもわかりやすくレイアウトされているのが印象的です。「マイヤでは、自治体・社会福祉協議会などと連携し、2019年4月より『スローショッピング』という取り組みを行っています。店舗の近隣に住む認知症の方々を中心に、楽しくお買い物ができる環境を提供しようというものです。ここ滝沢店から取り組みをスタートしましたが、その際、店舗レイアウトにも工夫を施しました。さまざまな関係者からアドバイスをいただき、上下どちらの目線でも分かるように吊り下げPOPと床面の両方に案内表示しています。弊社だけではその発想は無かったかもしれません」そう語るのは、株式会社マイヤ取締役 販売部兼業務改善部担当(現、取締役 グロサリー商品部 統括マネージャー)の辻野 晃寛氏です。
スローショッピングとは、文字どおり、ゆっくりお買い物をしていただこうという取り組みです。毎週木曜日の13時からおよそ1時間半をスローショッピングの時間に充て、認知症の方々がパートナー(ボランティア)のサポートを得ながらお買い物を楽しんでいます。滝沢店では、ホスピタリティの観点から、有人によるスローレジ(ゆっくり会計)とサッキング(袋詰め)サービスを行っています。
「スーパーマーケットという性質上、レジはお客様の列ができないようスピーディに行うのが一般的ですが、スローレジは『ゆっくりお会計をしていただいて大丈夫ですよ』という思いを込めて専用レーンを設け、お客様のペースに合わせて対応しています。サッキングサービスについては、袋詰めする順番を間違えて卵などが割れないようにお手伝いをしていますが、現在ではレジ担当にお声がけいただければ、認知症の方に限らずどなたでもご利用いただけます」(辻野取締役)
分かりやすくレイアウト
地域住民、店舗従業員、パートナー・・・
皆で力を合わせて認知症のお客様の尊厳を守りたい
マイヤではスローショッピング実施にあたり、レジ担当だけではなく従業員全員が一丸となってサポートできるよう、認知症サポーター養成講座を店舗内で開催し受講を推進しました。通常は1時間半をかけて行う講座を3回に分けて行うことで、店舗業務の負担にならないよう配慮した結果、現在では滝沢店以外の店舗も含めおよそ200名以上の従業員の受講が完了しています。また、何度か開催するうちに一般の方の参加も増え、地域ぐるみで認知症の方を見守る、支えるといった風土も形成されています。「私も含め、家族や身近に認知症の方がいないと理解しがたい部分があります。講座を受講することで、ごく自然にお手伝いやお声がけができるようになり、従業員の意識も大きく変わったと実感しています」(辻野取締役)
スローショッピング導入のきっかけとパートナー(ボランティア)の活動について、医療法人 館 こんの神経内科・脳神経外科クリニック理事長の紺野 敏昭氏とNPO法人やまぼうしネットワーク理事の櫻野 正之氏にお話を伺うことができました。
「仕事柄、認知症の方と接することが多いのですが、まだまだ自身でできることがあるのではないか?と感じることが多々あります。それをもう一度見つけてもらう、そして自立する気持ちを持ってもらいたいと思っていました。その一つの取り組みとして考えたのが、ゆっくりと自分のペースでお買い物をする『スローショッピング』です。認知症になるとお財布を持たされなくなり、お買い物に行っても家族と一緒、買うものは家族が決めるというのが一般的です。でも、サポートがあれば自分でできるのではないか?家族の中で役割を持てるのではないか?そう思い続けていましたが、お店への負担が心配で悩んでいるうちにいつしか2年が過ぎていました。このままでは先に進まないと考え、思い切ってマイヤの会長に電話をしました。実際にお会いしてスローショッピングの提案をしたところ『ぜひやってみたい』と即決いただき、2019年にスタートしてからその輪がどんどん広がっています。パートナーのサポートをいただきながら、買いたいものを自分で選びゆっくりと時間をかけて会計ができる。お買い物が終わると、みなさん『楽しかった』とニコニコして仲間とのおしゃべりに花が咲きます。地域の一員としての実感がわいているのだと思います。そんな姿を見るたびに、この取り組みが認知症の方の役に立っている、生活の質を上げていると感じています」(紺野先生)
「妻が認知症だったこともあり、当初の活動から参加をしていました。数年が経った頃、地域での関心も高まり、また紺野先生から法人化の話もあったことから、参加する側からサポートする側へと変わりました。滝沢店でのボランティアは現在約25名です。出しゃばり過ぎず、認知症の方が困った時だけお手伝いをするといった最低限のサポートを心掛けています。認知症の方々のうれしそうな笑顔が私たちパートナーのエネルギーで、私たち自身の元気の源にもなっています」(櫻野理事)
▲オレンジのバンダナをつけたパートナーのサポートで、ゆっくりしっかりお買い物
多彩なレジを導入し
お客様のお買い物・会計スタイルをカバー
岩手県沿岸部に位置するマイヤ宮古磯鶏店では、レーン型セルフ、フルセルフ、そしてピピットセルフ(カートPOS)の3種類のレジを導入しています。利用の50%以上がフルセルフですが、お客様のご都合でレジをお選びいただけるようラインアップしています。ピピットセルフは、マイヤとして3番目の導入店舗です。利用率も上々で、休日などは20台のご用意がすべて出払う時間帯もあるといいます。
「他店舗でマイヤとして初めてピピットセルフを導入したときは、レジの生産性向上が目的でした。しかし運用を始めてみると、生産性の向上よりもお買い物金額の増加が顕著であることがわかりました。カートに設置されている画面に登録商品の合計金額が表示されますので、その日の予算まであともう1点、もう2点とお買い上げいただけているのだと思います。感覚的なところではありますが、他のレジと比較して1,000円くらいの違いがあると感じています」(辻野取締役)
ピピットセルフは店舗側だけでなくお客様側にも二つの利点があると辻野取締役は続けます。一つ目はスムーズな会計が実現できるということ、二つ目はサッキングの手間が無く、カートからマイバスケットを取りそのまま持って帰ることができるということです。「お会計から店舗を出るまでの時間短縮を実感されているお客様は非常に多いと思います」(辻野取締役)
マイヤ宮古磯鶏店では、お客様の精算漏れを防止する「フラッパーゲート」も導入しています。精算済みのレシートをかざすとゲートが上がるというもので、精算漏れ事故の減少のみならず、従来の従業員の目視による運用と比べ精神的負担が軽減されたと好評を得ています。
今後の展開と
東芝テックへ期待すること
沿岸部の人口減少が続くなか、内陸部へいかに出店できるかが課題という同社。今後の展開と東芝テックへの期待を伺いました。
「今後のマイヤの成長を考えると、有益なエリアを模索しつついかに内陸部に出店できるかが大きなポイントになると考えています。また、お客様からは『魚屋のマイヤ』と認識されています。内陸部へ新鮮な魚介をお届けするとともに、魚離れに歯止めをかける意味でも、楽しい売り場をご提供し続けたいと考えています。そのためにも、展示会などで拝見している新しい機器を、少しでも早く商品化してもらえるよう東芝テックさんに期待しています」(辻野取締役)
導入事例インタビュー動画
スローショッピングの取り組みと多様なレジの導入効果について
株式会社マイヤ取締役 販売部兼業務改善部担当(現、取締役 グロサリー商品部 統括マネージャー)の辻野 晃寛様にお話を伺いました。
※当記事は2026年1月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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