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お客様の心をつかむSNS販促(前編)

お客様の心をつかむSNS販促(前編)

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お客様と直接メッセージをやりとりする、リアルタイムな情報発信など、メリットがたくさんあるSNS販促の最新活用法を解説します

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お客様の心をつかむSNS販促(前編)

必要な情報を必要な人に届ける

LINEやツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用が定着し、販促面での活用も増えてきました。お客様と直接メッセージをやりとりする、リアルタイムな情報発信など、メリットがたくさんあるSNS販促の最新活用法を、2回にわたって解説します。

若い世代を中心にSNSの利用時間が増加

パソコンやスマートフォンが普及し、SNSの利用時間は伸びています。2018年度の総務省調査※では、休日に「ソーシャルメディアを見る・書く」ことに費やす時間は平均35・6分。10代で98・7分、20代で64・6分など、特に若い世代で利用時間が長くなっています。

企業やお店でも、SNSをマーケティングに使うところが増えています。総務省の情報通信白書(平成27年版)では、SNSを含むソーシャルメディアについて「インターネットを利用して誰でも手軽に情報を発信し、相互のやりとりができる双方向のメディア」と定義しています。SNSマーケティングは、従来の広告のように企業側が一方的に情報を発信するのではなく、消費者の反応が直接返ってきたり、消費者がその情報を別の消費者に拡散してくれたりすることが大きな特徴です。また、SNSはチラシやCMと違って基本的に無料で始められることやリアルタイムに情報発信できることもメリットです。

今後はSNSに慣れ親しんだ世代が消費の中心になり、SNSマーケティングはますます重要になるでしょう。

※総務省情報通信政策研究所「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

自店の客層、発信したい内容でSNSを選択

現在、特にアクティブユーザー(登録するだけでなく実際に利用している人)が多いSNSは、LINE、ツイッター、インスタグラム、フェイスブックです(図表1)。LINEはメッセージやチャットの機能が充実し、企業の担当者と消費者が直接やりとりすることも可能で、飲食店の予約等に活用されています。ツイッターはリアルタイム性や拡散性があり、10~30代の若年層が主なユーザーです。フェイスブックは、利用者が実名や生年月日を登録する必要があり、任意ながら居住地なども登録されているため、ターゲットを絞って広告を打つことが可能です。インスタグラムは写真や動画の投稿がメインで、女性のユーザーが多いのが特徴です。

このほか、15〜60秒までの短い動画を手軽に投稿できるTikTokも利用者が急増中。若い世代を中心に支持を集めており、広告に利用する企業も増えています。

また、noteも利用者が増加しており、要注目です。従来のブログに似たSNSですが、広告が表示されず洗練されたデザインが特徴です。ふだんツイッターを使っている企業が、長めの文章を発信したいときはnoteに投稿し、ツイッターにnoteへのリンクを貼るといった活用もされています。

SNSの種類によって利用者層や機能は異なりますので、自店の客層や、発信したい内容に合わせてSNSを選ぶことが重要です。

図表1:各SNSの利用者と特徴

図表1:各SNSの利用者と特徴

シェアやハッシュタグ検索で潜在顧客とつながれる可能性

SNSで情報を届けるルートは、大きく分けて「フォロー」「シェア」「検索」「広告」の四つです。

利用者は、自分の好きな個人や企業のアカウントをフォロー(登録)することができ、フォローしたアカウントの投稿は「タイムライン(またはフィード)」という画面に時系列で表示されます。

自分が見た投稿を「他の人にも広めたい」と思ったときは「シェア」することができます。フェイスブックの「シェアする」、ツイッターの「リツイート」などのボタンを押すと、特定のフォロワー(自分をフォローしている人)やフォロワー全員のタイムラインにその投稿を表示させることができます。つまり、企業側にとってはフォロワー以外の潜在顧客にも情報を届けるチャンスがあります。

最近は、SNSで自分がフォローしているアカウントの投稿を見るだけでなく、知りたい情報があるときにGoogleなどの検索エンジンの代わりに使う人が増えています。キーワードを打ち込んで検索することもできますが、多くのSNSには「ハッシュタグ」と呼ばれる機能があり、「#ファッション」「#今日のランチ」のように、利用者がキーワードの上に「#(ハッシュマーク)」を付けて投稿すると、その文字列(タグ)をクリックした人が、同じタグを付けた(=同じテーマの)投稿を一覧できます。人気のタグを付けることで、多くの人に投稿を見てもらえる可能性も生まれます。

このほかに、有料の広告もあります。地域や年齢、性別などの条件を企業側が指定すると、利用者の登録情報やスマホの位置情報などをもとにターゲットが絞り込まれ、広告が表示される仕組みです。

リアルな「ペルソナ」の設定で関心を引く投稿を実現

SNSの利用者や利用時間は増加していますが、投稿の数も増えているため、発信した情報が多くの人にじっくり読んでもらえるとは限りません。利用者の関心を引かない投稿は、ほかの投稿に埋もれてしまう恐れがあります。

お店がSNSアカウントを運用する場合、商品やサービス、キャンペーンなどに関する投稿だけでなく、お役立ち情報の発信や共感できる投稿をすると、注目度がより高まります。たとえばアパレルショップであれば、服のお手入れ方法などの豆知識を投稿するのも有効です。

投稿内容は、フォロワーの関心の対象を考えて決めることが重要です。そのために、自店の典型的な顧客の人物像を具体的に設定することをおすすめします。この人物像のことをマーケティング用語で「ペルソナ」と呼びます。

ペルソナを設定する際は、年齢や家族構成にとどまらず、職業、趣味やふだんの行動パターンに至るまで詳細に決めます。自店の顧客データや、一般公開されている消費者調査データなどをもとに人物像を描くと、リアリティが増します。細かいライフスタイルまで設定することで、その人がどんなことに興味を示すか考えやすくなります。

ペルソナは1人に限る必要はありません。客層が幅広いお店ほど、複数のペルソナを設定する必要があります。

投稿する際は、対象が特定のペルソナに偏りすぎないように注意しましょう。たとえばスーパーマーケットなら、有職主婦には時短レシピの提案、高齢者にはヘルシーな惣菜、若い男性には食べ応えのある商品をすすめるといった具合です。セール情報などすべてのペルソナを対象にした投稿と、各ペルソナに深く訴える投稿を織り交ぜるとよいでしょう(図表2)。

図表2:ペルソナの設定

図表2:ペルソナの設定

ルール・ガイドラインの策定で無理な運用や「炎上」を防止

SNSアカウントの運用にあたっては、運用マニュアルの作成が必要です。どんな内容を投稿するかといった方針のほか、1日の投稿は2~3回までで営業時間内に限るなどのルールも決めます。投稿はスマホからいつでもできますが、勤務時間外など無理な運用をすると、担当者に負担がかかってしまいます。

また、「炎上」防止のためのガイドラインを決めておきましょう(図表3)。政治の話題は避ける、過去にテロや災害が起きた日の投稿には注意するなどの方針を共有し、さらに投稿者とは別の人が内容をチェックすることで不用意な投稿を防げます。(お客様の心をつかむSNS販促(後編)に続きます)

図表3:炎上予防のための注意点

図表3:炎上予防のための注意点

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