Toshiba 東芝テック株式会社

3Dアバターによる“自由なフィッティング”を実現。
「VRC×東芝テック」の
バーチャル試着プロトタイプを展示

近年、アパレル業界では実店舗の顧客体験の再構築や、大量生産・廃棄ロス対策のため、
OMOを中心にデジタルサイネージ、Beacon活用など、テクノロジーやデータの活用が積極的に進められています。
その中で注目されているのが、デジタル上での試着を可能にするバーチャル試着(バーチャルトライオン)です。

東芝テックは、最先端の3D基盤技術を有する株式会社VRCに出資し、
成長支援を行いながら協業の可能性を検討してきました。

そして2021年11月、東芝テックのショールーム
「TEC 01 SIGHT SHOWROOM(テック・ゼロワン・サイト・ショールーム)」にて、
VRCと共同開発したバーチャル試着ソリューションの体験コーナーをオープンいたしました。

アパレル業界のEC返品率や店頭販売チャンスロスを低減する

アパレル業界でもEC活用が浸透しつつありますが、サイズ違いや、ウェブ上で見た時と実際に着てみた時の印象のギャップなどから、返品率の高さが課題の一つとされていました。また、実店舗においても店頭在庫切れのために欲しい商品の試着ができず、購入をためらう買い物客も少なくありません。このような販売チャンスロスの解決策としてバーチャル試着は大きなポテンシャルを秘めており、結果的に過剰な生産や廃棄ロスの削減にもつながります。

このような背景から、当社は出資先のVRCとバーチャル試着ソリューションの開発を進めてまいりました。

今回、東芝テックの最新ソリューションを含む先端技術を体験できるショールーム「TEC 01 SIGHT SHOWROOM」に設置したプロトタイプは、高速3Dボディスキャン装置「SHUN’X Apparel」とバーチャル試着アプリ「Virtual Palette」を組み合わせたバーチャル試着サービス。

「SHUN’X Apparel」は店舗の試着室やポップアップストアなど省スペースに設置可能で、20台以上のカメラを用いて全身を3Dスキャンすることでボディサイズを推定し、利用者本人にそっくりなアバターを生成します。

「Virtual Palette」では、アプリ上のファッションアイテムやコーディネート一覧から気になるものを選び、生成した自分のアバターに試着させることで、サイズ感や直感的な印象など、実際に試着した時と同じような体験を得ることができます。

今回開発したプロトタイプは、実際にご利用いただいたお客様からのフィードバックも参考にしながら、実用化に向けてアップデートしていく所存です。

事業部と連携し、VRCの最先端技術と顧客ニーズの接点を探る

昨今、実店舗の新たな顧客体験に対するニーズが急増したことや、アパレル業界の大量生産・廃棄ロスの問題がより深刻化していることから、例えば店頭在庫がなくて試着できない時の販売チャンスロス低減や、冒頭に述べたようにEC利用の増加とともに増える返品率の低減、そしてチャンスロスや返品を減らした先にある大量生産・大量廃棄の改善などに、バーチャル試着体験が寄与できるのではないかと考え、今回のプロトタイプ開発につながりました。

開発にあたって当社が注力したのは、最先端3Dモデリング技術と独自のクラウドレンダリング技術を使って即時に高精度のアバター生成やオートフィッティングができるという、VRCならではの技術を、どのように顧客ニーズとマッチングさせるかという点です。例えば、アパレル業界が利用するならアプリ自体にも洗練されたUI/UXが求められるなど、買い物客視点の顧客ニーズだけではなく、バーチャル試着を設置するテナントやブランド側の顧客ニーズも考慮する必要があります。

そのような理由から、新規事業開発の際は、実際に数多くのお客様との接点を持っている事業部との連携が欠かせません。今後は事業部からのフィードバックや、当社の顧客を含めた多くのお客様にプロトタイプを体験していただき、改良を重ねていく予定です

また、プロジェクト担当の入澤は、「3Dモデリング技術を活用したバーチャル試着サービスは世界を見渡しても、まだそこまで事例が多くありません。だからこそ、いち早く世の中に出せるよう、VRCと協力しながらスピード感を持ってプロジェクトを進めることを心がけました」と、スタートアップ企業のスピード感に合わせて開発したことを注力したポイントとして挙げています。

スタートアップ企業との協業で学んだこと

今回の協業プロジェクトを通して新たに得られた学びを入澤に聞いてみると、「大企業とスタートアップ企業の開発プロセスの違い」を挙げました。

「大企業の一般的な開発プロセスでは、最初に仕様書を細かく固め、マニュアルなども比較的慎重に設計しながら開発を進めます。一方、今回のプロジェクトは、とにかくいち早くプロトタイプを作ってリリースし、実際にお客様などに体験していただきながら課題や改善点を見つけてアップデートしていくといういわゆる MVP(Minimum Viable Product)開発スタイル。もちろん、大企業には詳細な仕様書やマニュアルが必要な理由があります。しかし私たちはスタートアップ企業の成長を支援する立場として、そこはなるべくスタートアップ企業のやり方を尊重し、プロジェクトにブレーキをかけないように気を付けました」(入澤)

もう一つ、大きな学びが得られたポイントとして、入澤が挙げたのは「解決すべき課題の絞り込み」です。

「新しい製品やソリューションを開発するとなると、お客様の複数の課題を解決しようと、つい機能を盛り込んでしまいがちなのですが、スタートアップ企業の場合は“どのようなお客様の、この部分の課題を解決する”という絞り込みが本当に明確なんです。その課題解決に特化したサービスで一点突破し、そこからニーズに合わせて機能を広げていくようなプロセスが非常に新鮮で刺激を受けました」と入澤は振り返ります。

3Dバーチャル試着を軸とした、新たな価値創造を目指す

バーチャル試着ソリューションは、店舗やポップアップストアでの活用だけでなく、生産工程における当サービスを活用したサンプルデザイン作成の効率化・高度化、百貨店やショッピングモールなど複数のブランド/店舗を横断したアバター活用による顧客体験の創出、ゲームや動画配信プラットフォームなどバーチャル世界での新たなファッション体験の創出など、さまざまなシーンに展開できる可能性があると考えています。

当サービスはあくまでもプロトタイプの段階で、ようやくプロジェクトのスタート地点に立ったばかり。これからお客様のニーズや課題にどう貢献し、世の中にどのような価値を創出できるのか、アパレル業界・リテール業界をはじめとするお客様と対話を重ねながら、本格的な実用化に向けて改良を重ねてまいります。

CVC推進室としては、アパレル業界に数多くの接点を持ち、日々お客様の課題解決に取り組んでいる事業部とコミュニケーションを取りながら、このバーチャル試着サービスがどのようなお客様の課題を解決するのか、どのようなアップデートが必要なのかを見極めていきたいと考えています。また、実用化に際しては、全国の営業網と連携することで販路拡大にも取り組み、今後もVRCと一緒に新たな価値創造に取り組んでまいります。

株式会社VRC 代表取締役社長 謝英弟氏のコメント

当社は創業時から最先端3D基盤技術を活用して実生活の社会課題に貢献できることがないか取り組んでおります。特にアパレル業界においては消費者視点だけなく環境視点においても大きな課題を抱えており、当社の技術はこの領域においても大きく貢献できると考え、昨年から開発を進めておりました。
先般手厚い経営支援を頂いている東芝テック様とは初の事業面での連携となりますが、今回無事に「Virtual Palette」のプロトタイプが完成したことを嬉しく思いつつ、ここをスタートとしてアパレル業界への貢献に努めて参りたいと思います。

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