Toshiba 東芝テック株式会社

CVCチームが目指す
「対等な関係」とは?
スタートアップ企業の成長を第一に。
その先に新規事業の創出がある

「Think Big!Act Small!Move Fast!」の精神で、
未来の新規ビジネス創造のためにスタートアップ企業の事業成長を支援する東芝テックのCVCチーム。
立ち上げから1年以上が経ち、これまでの活動を振り返るとともに、
今後のビジョンや投資スタンスをお伝えすべく、
経営企画部ビジネス・イノベーション・センター センター長の佐藤和之氏、
CVCチームリーダーの鳥井敦氏にインタビューを行いました。

CVCチームのミッションは、
イノベーションを起こすためのタネを見つけ出すこと

はじめに、ビジネス・イノベーション・センターの役割について教えてください。

佐藤

東芝テックにおける、5〜10年先の新規事業創出を率先してリードしていく部署です。もともとは社内で新規事業を起こすための社長直轄の組織として発足し、そのために必要な仕組みや体制を構築していく中で、外部の力を活用するオープンイノベーションへと徐々にシフトしてきました。現在は、スタートアップ企業への出資を行う「CVCチーム」と、投資をもとに新規事業創出を行う「ビジネスデベロップメント・チーム」に分かれて活動しています。

その中で、CVCチームが担っているミッションを教えていただけますか?

鳥井

我々のミッションは、東芝テックの未来をつくる事業を生み出していくことだと思っています。CVC投資は、東芝テックがお客様に新しい価値を提供するための手段の一つ。そのイノベーションを起こすためのタネを見つけてくることがCVCチームの役割です。

発足してから現在に至るまでの活動を教えていただけますか?

佐藤

2019年4月に立ち上げて、最初は社内の仕組みをイチから整えるところ、CVCの意義や目指すべきミッションを経営層に理解していただくことから始まりました。そこは鳥井さんが本当に尽力して、その社内整備と同時に投資案件も増やしていきました。

鳥井

何もないところからスタートして、1年で3件の出資先企業、しかも複数の事業領域のスタートアップ企業に出資できたことは一つの成果だと思っています。また、この1年間の活動を通して経営層のCVCに対する理解も深まったと感じています。

とはいえ、ようやくスタートラインに立った段階。これから投資案件を増やしていくと同時に、出資先企業と一緒に成長していくための活動にも注力していかなければなりません。

佐藤

社外の活動だけでなく、社内の事業部門メンバーにCVCを理解してもらい、仲間を増やして事業を活性化させるフェーズに入ったと認識しています。

圧倒的な顧客基盤をベースに、
出資先企業の事業やステージに合わせたサポートを実施

これまで数多くのスタートアップ企業や経営者の方とお会いしてきたと思いますが、 その中で得られた気づきはありますか?

鳥井

事業を最速に進めるための経営体制を構築し、早い意思決定のもとトライし続ける姿勢にはいつも感心させられます。アイデアそのものよりも、そのアイデアを必ずカタチにして、世の中に広めていくんだという実行力や覚悟を目の当たりにすると、一緒に成長していきたいという気持ちになります。

そのようなスタートアップ企業に対して、
東芝テックが提供できるアセットはどのようなものになりますか?

佐藤

まず、これまでに当社が培ってきた圧倒的な顧客基盤が挙げられます。お客様と常時、直接リーチできる営業力もそうですし、調達力や品質基準といった観点でも、スタートアップ企業がさらに拡大・成長していくフェーズでサポートできることは多々あると思います。

鳥井

小売業界を目指しているスタートアップ企業であれば、東芝テックという看板が付くことで、お客様からの信頼が得られるというメリットもあるかと思います。スタートアップ企業単独ではなかなか入り込めない領域を、我々があいだに入ってつなげていく。そのような動きを増やしていきたいと思っています。

これまでの活動の中で、実際に出資先企業に対して
どのような支援を行なったのか教えていただけますか?

鳥井

わかりやすい事例を挙げると、当社は毎年「リテールテックJAPAN」という展示会にブースを出展しているのですが、そこに出資先企業との共同展示スペースを設置してプロモーションを実施しました。異業種からリテール業界に参入したスタートアップ企業であるため、それまでなかなかリーチできなかったお客様と新たな接点を持つ貴重な機会になったと思います。

佐藤

ほかにも、スタートアップ企業との定例会を開いて事業戦略の「壁打ち相手」になったり、当社の事業部門や東芝グループへの情報提供を行なったりなど、スタートアップ企業の事業内容やステージに合わせた支援や連携を考えています。

鳥井

また、出資先企業の製品を用いたPoC(概念実証:新規事業の実証を目的とした検証やデモストレーション)を行うなど、出資ではなくセールスで支援する取り組みもスタートしています。

目指すのは、あくまでもWin-Winな関係。
同じ夢を見ながら一緒に成長していきたい

今後、出資するスタートアップ企業とはどのような関係を築いていきたいでしょうか?

佐藤

同じ領域にソリューションを提供する企業同士として、両者がお客様に価値提供できて、事業を通じてお互いにメリットを感じられるような関係性をつくれると、その先5〜10年後に目指す新規事業の創出に近づくことができると思っています。

鳥井

個人的には近年、大企業とスタートアップの関係性が崩れてきていると感じています。CVCは本来、スタートアップだけが得する、大企業だけが得するスキームがあってはならず、Win-Winの関係であるべきです。片方だけに都合がいいことをやるのではなく、お互いにビジネスパーソンとして対等な関係を維持しながら、新しいマーケットを切り拓いたり、目指す目標に向かってドライブしていくことが大切だと思っています。

その上で、大前提として我々が一番に考えるべきなのは、スタートアップの事業成長です。彼らの成長なくして、東芝テックの新規ビジネス創出はなし得ません。たとえばスタートアップ企業の事業成長のために、東芝テックとの案件ではなく、他の企業との案件を優先させなければいけない時もあるでしょう。そのような状況を当社のメンバーに伝えて理解を得るようなパイプ役も、私たちCVCチームのメンバーが担っていくべきだと考えています。

スタートアップ企業に求めることはなんでしょうか?

佐藤

明確なビジョンと情熱を持ったスタートアップの方と一緒に仕事をすることで、当社に新しい文化が生まれると良いですね。良くも悪くも、これまで自分たちだけで新規事業創出や価値創造をしてきた会社なので、いきなり時代が変わって共創にシフトするのは難しい側面もあります。そこを変えるのが、スタートアップ企業の方々との出会いだと思っています。

今後、注力していきたいことや目標を教えていただけますか?

佐藤

これまで、出資先に対しては情報提供や知識・スキル・ノウハウの提供など、企業の状況に合わせて柔軟なサポートを行なってきました。これから、出資先が増えても適切なサポートができるような体制づくりをしなければならないと思っています。

加えて、CVCチーム単独で生み出せるインパクトは限られているので、社内外に認知を広げて仲間を増やす活動にも注力していきます。また、グローバルカンパニーを目指す企業として、海外展開の道筋も切り拓いていきたいと考えています。

鳥井

引き続き有望なスタートアップ企業を探しながら、同時にスタートアップ企業の皆さまに「東芝テックから出資を受けたい」「東芝テックとなら一緒に成長できそう」と思ってもらうための活動、我々のCVC投資のスタンスを正しく認知していただくための活動も必要だと思っています。

どうしても事業会社のCVCから資本を受け入れるという観点において「資本業務提携」を意識されることがよくあります。しかし、東芝テックのCVCの投資スタンスは良くも悪くも業務提携をすぐに行うことを前提とした出資ではありません。理由は、スタートアップ企業が取り組む事業テーマ・領域では事業環境や状況に合わせてフレキシブルにピボットなどをする必要が出るケースが往々にしてあるためです。

もちろん、CVCとしてはフィナンシャルなリターンもストラテジックなリターンも両方出ることが望ましいですが、まずは出資先企業の事業成長を第一に考え、事業の方向性が変わった場合も、フィナンシャルリターンが出るのであればそれはそれでよしとするスタンスも必要だと考えています。あくまでも対等に、Win-Winの関係を維持しながら、スタートアップ企業の成長を支援していきたいですね。

同じ夢を一緒に見られるスタートアップ経営者の方々との出会いを、楽しみにしています!

佐藤 和之経営企画部 ビジネス・イノベーション・センター センター長

東芝テック入社後、技術部で電気設計に従事。その後、商品企画部で海外向けプリンタの商品企画を担当し、ベルギーやアメリカに常駐。帰国後、新規ソリューションの企画開発などを経て、経営企画部ビジネス・イノベーション・センターにて現職を務める。

鳥井 敦経営企画部 ビジネス・イノベーション・センター CVCチームリーダー

楽天で約10年間勤務し、楽天オークションサービスをDocomo社とのJVとして立ち上げや、動画配信サービス、電子書籍サービスなど数多くの新規事業立ち上げに携わる。2013年に東芝入社、文教文向けの新規事業PJにて教育分野向けのクラウドサービスの立ち上げ推進に従事、東芝テック転籍後、経営企画部にてオープンイノベーションを活用した新規事業創出およびCVC投資を推進している。

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