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レシート広告とは?
見られやすい広告媒体としていま注目される理由

会計の際に手渡すレシートの余白部分を活用し、広告を掲載する「レシート広告」。レシート広告はいま、消費者に確実に届けられる実効性の高いプロモーション方法として、多くの企業から注目されています。

本記事では、レシート広告の特徴や種類などを解説。消費者により近い存在であるレシートを広告媒体とするメリットを考えていきます。

レシート広告とは

レシート広告とは、レシートの裏面や表面の余白部分を広告スペースとして活用するプロモーション手法です。

レシートは、持ち帰るかどうかは人によるものの、消費者の手に必ず一度は渡ります。値段を確認したり、家計簿をつけたりと見返す機会もあるため、広告を目にしてもらいやすい媒体として評価できるでしょう。

さらに、レシート広告にQRコードを印刷し、新規会員登録やキャンペーンへの参加を促すなど、活用の幅も豊富です。レシートをレジで手渡すだけなので特別なオペレーションも求められないことから、手軽かつ確実に消費者にリーチできるメディアとして注目されています。

レシート広告の種類

レシート広告の種類

レシート広告には、主に次のような種類があります。

  • クーポン
  • サンプリング配布
  • Webサイト誘導
  • 資料請求
  • 純広告

クーポン

レシートにクーポンを印刷する、あるいはQRコードを印刷してクーポンの取得を促す方法です。

自店舗で使用できるクーポンを印刷すれば、再来店を促せます。また、特定の商品に使えるクーポンを印刷すれば、その商品に対する購買意欲の向上を狙えるといったように、簡単ながらも使い勝手のよいプロモーション手法です。

一方、レシート自体をクーポンにすると、使用する当日に持参を求めるなどの制約が生じます。レシートを一定期間保管することを面倒に感じる人も少なくないため、よほど魅力的なクーポンでない限り、すぐに捨てられる可能性は否定できません。クーポンの内容を吟味する必要があります。

サンプリング配布

レシートに印刷された広告商品のサンプルを配布する方法です。これは「ユーザーが実際に商品を試せる」ことがポイントです。ユーザーが気に入れば購買意欲は高まり、売上の増加に貢献します。

しかし、当然ながらユーザーに気に入ってもらえなければ、購入にはつながりません。そのため、レシート広告を出す店舗の客層や、商圏内の消費者傾向を加味したうえでサンプルを選ばなければ、効果的な施策とはならないでしょう。

また、サンプルを用意する手間や、レジスタッフのオペレーション整備コストが必要になる点も懸念されます。

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Webサイト誘導

レシートにURLや検索ワードを記載するなどして、特定のWebサイトに誘導する方法です。サイトのアクセス数アップはもちろんのこと、認知拡大やECサイトからの売上増加も期待できます。

ただし、URLの文字列の記載はおすすめできません。消費者に入力する手間を強いることになり、高確率でスルーされてしまうからです。できるだけ簡単にWebサイトに遷移できるよう、QRコードを印刷する、あるいは検索ワードを記載するのが望ましいです。

また、おすすめの商品や消費者が興味を持つような情報を付記しておくと、より能動的にWebサイトへの遷移を促せます。

資料請求

レシートに専用QRコードや検索ワードを印刷し、資料請求フォームへの遷移を促す方法です。

資料請求は、住宅や冠婚葬祭、通信教育講座など、支払う総額が高額になりがちな商品・サービスに用いられるマーケティングの手法です。すでにニーズが顕在化している人は資料請求に能動的である反面、潜在層へのアピールは容易ではなく、そもそもの接点構築自体が難しい側面があります。

レシートに資料請求広告を掲載するメリットは、潜在層に向けたアピール効果にあります。競合他社よりもいち早く接点を築ければ、第一候補として検討してもらいやすくなるでしょう。

ただし、資料請求の多くでは個人情報の入力が求められるため、この点においてもハードルの高さがあります。資料の内容はどのようなものか、イメージが伝わるような情報を記載したり、資料請求で得られるインセンティブを用意したりするなど、心理的な工夫が求められます。

純広告

純広告とは、広告枠を買い取り、一定期間あるいは表示回数に応じて掲載料を支払い露出する広告手法です。新規オープンや店舗リニューアル、新商品発売やセールのお知らせ、期間限定商品のPRなど、集中的にプロモーションをかけたいと考える局面におすすめです。

こうしたケースではSNSでの告知なども有効ですが、次々に新しいポストが流れてくるSNSのタイムラインの特性上、ユーザーの記憶に残るようなプロモーションは簡単ではありません。一方、レシートは手渡されたとき、家計簿をつけるときなど、目にする機会が複数回生じることもあります。リマインドは、より記憶への定着を促す効果があります。

ただし、これは2回以上レシートを見ることが前提です。一度見た段階で「気になる!」と思わせて、レシートの保管を促す工夫も必要でしょう。

レシート広告の広告主

レシート広告の広告主は、大きく「自社」と「他社」にわかれます。

  • 自社:自社が発行するレシートに自社の広告を掲載する
  • 他社:自社が発行するレシートに他社の広告を掲載する

自社の広告を掲載する

自店舗が発行するレシートに、自社が打ち出したい情報を広告として掲載するパターンです。会員登録の案内やスタッフ募集、クーポン、ECサイトや新サービスの告知など、さまざまなプロモーションに活用できます。

このパターンでは、自社の広告媒体を活用するため、追加費用はほぼ発生しません。チラシや地方紙などに広告を掲載する場合と比べて、コストパフォーマンスは圧倒的に高まります。

一方、レシートの広告枠を他社に卸した場合に得られるような広告収入は当然ながら発生しません。

自社以外の広告を掲載する

自店舗が発行するレシートの広告枠に他社の広告を掲載するパターンです。自社PRはできませんが、広告収入を得られることがメリットになります。

また、競合関係にはなくとも客層が近しい店舗間にて、お互いが広告を出しあうことで、相互に送客しあいシナジーを生む戦略も有効です。たとえば、同じ道路沿いに店舗を構えていることから客層に類似性のあるガソリンスタンドとファーストフード店がお互いに広告を出しあうなどの運用です。

レシート広告の特徴

レシート広告の特徴

レシート広告の特徴をあらためて整理してみましょう。

  • 持ち帰られやすい広告媒体
  • 見返されやすい広告媒体
  • 多くの消費者にリーチできる
  • ブランディングに貢献できる

これらの特徴を総括すると、レシートは生活にすでに浸透しているため、広告媒体としても受け入れられやすいということです。

現代は、広告が氾濫している時代です。過剰ともいえる広告環境に、不快感や嫌悪感を覚える人も少なくありません。一方、生活の一部となっているレシートへの広告記載の「うるさくなさ」は、他の種類の広告媒体と比較して大きなアドバンテージとなります。

持ち帰られやすい広告媒体

レシートは買い物した際に必ず手渡されます。また、少なくない人がお釣りと一緒に財布にしまいます。「お釣りの金額が合っているか」「商品点数が合っているか」など、無意識に確認する人も多いため、露出面を鑑みても広告効果は高いです。

また、購入商品との親和性が高い広告を掲載できることなどもあり、チラシなどと比べても持ち帰られやすい傾向です。

見返されやすい広告媒体

レシートは家計簿を記帳したり、会費を集計したりする際などに見返されることがあります。これは広告の反復効果が期待できるものです。

また、金額や購入商品の確認のため、他の家族やメンバーに渡ることもあります。このように、購入者本人以外にも広告を周知できる点もレシート広告の利点です。

多くの消費者にリーチできる

雑誌やチラシなどは、消費者が自らの意志で手に取るものであり、リーチできる範囲はおのずと狭まります。一方、レシートは買い物すれば必ず発行されるものであり、受け取ることが半ば当然になっています。

多くの消費者にリーチできる特性は、広告媒体として確かなアドバンテージとなることはいうまでもありません。

ブランディングに貢献できる

レシート広告の強みは、商品やサービスを宣伝できるだけではありません。多くの人の目に留まるレシート広告は、上手く活用すればブランディングにも多大な貢献をもたらします。

たとえば2021年の正月に掲出されたある百貨店の広告は、SNSでも大きな反響を呼びました。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け発令された緊急事態宣言によって、人々の行動の自由は大きく制限されました。それを受け、百貨店では「レシートは希望のリスト」「百貨店が売っていたのは、希望でした」と特徴的なキャッチフレーズをレシート広告として掲載。SNSには共感の声が溢れ、敷居の高い百貨店のイメージを覆すことに成功しています。

東芝テックのリテールメディアプラットフォーム構想

レシート広告の特徴

本記事で紹介したレシート広告は、「リテールメディア」というプロモーション手法に分類されます。

リテールメディアとは、リテール(小売)企業が保有する顧客データ(ファーストパーティデータ)を活用して、広告を配信する仕組みのことです。消費者のリアルな生活に則ったデータを参照するため、マーケティング施策の高精度化や、消費者ニーズに合致した商品開発を推進します。

リテールメディアとは?日本国内・世界の市場規模から読み解く今後の拡大予測と注目の背景

リテールメディアの活用は、小売店の販路拡大や売上向上を促すほか、広告収入など物販以外の事業創出にもつながる施策です。中小企業や地域に根差した小売店においても、より大きな市場で勝負できるチャンスが巡ってくるでしょう。

東芝テックでは、「リテールメディアプラットフォーム構想」を推進し、小売店の挑戦を強力にバックアップいたします。

リテールメディア構想とは、メーカー・小売企業・消費者の「三方よし」を目指し、東芝テックが展開する「クーポンデリ」「スマートレシート」などのソリューションと、メーカーや小売企業が運用するオウンドメディアやSNSなどを統合。管理運営から広告・販促配信までをワンストップで牽引するプラットフォームです。

メーカーや小売店におけるリテールメディアプラットフォームの利活用は、販促活動や効果検証の高機能化を促し、マーケティングの高精度化を強力に推進します。

【リテールメディアプラットフォームの活用例】

  • レコメンド機能のリアルタイム化:
    消費者がスマホレジでスキャンした商品情報から「買い物カゴの中身」を把握。事前に獲得した顧客データと組み合わせ、高い購入確度が見込める商品をリアルタイムでレコメンドする。
  • セグメントのパーソナライズ機能:
    顧客の過去の購入データや検索履歴データ、さらにタイミングといった「リアル」に紐づいた情報などから新たなセグメントを抽出。年代や性別など、旧来のセグメンテーションでは到達できない精度で広告枠を特定・発信する。
  • 効果検証の高機能化:
    実店舗での回遊データや、店舗来店前後の行動など、これまでにないデータの利活用を実現。新しい視点からの顧客理解を促進し、商品開発やマーケティングに応用する。

リテールメディア構想の詳細内容は、下記の資料からも閲覧いただけます。

リテールメディアプラットフォーム構想|お役立ち資料はこちらから

まとめ

レシート広告は、消費者の目に留まりやすい、実効性の高い広告媒体です。高い費用対効果が見込めるほか、生活に根差した「レシート」という特性上、消費者が不快感を覚えることなく広告を受け入れられる媒体というアドバンテージも強力です。

新規顧客の獲得はもちろん、アップセルやブランディング効果も見込めるレシート広告のポテンシャルについて、リテールメディアプラットフォーム構想と合わせてご検討ください。

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