RFIDトータルソリューション導入事例

RFIDによる管理でホワイト物流を推進
ドライバーの負荷軽減と物流業務の効率化に貢献

レンゴー株式会社

ダイドーフォワードを象徴するブランドのイメージ画像
原紙からの段ボール一貫生産を強みとするレンゴー株式会社にとって、拠点間物流の効率化は重要な課題の一つです。こうした中、同社は2021年に稼働した西日本最大の物流拠点にRFIDによる自動認識ソリューションを導入。近年求められるホワイト物流の推進に大きな役割を果たしています。

RFID対応ラベルプリンタ B-EX6T1

  • 導入時期

    2021年9月

  • 導入目的

    ドライバー負荷軽減によるホワイト物流の推進

    物流業務の効率化

  • 課題

    ドライバーがバーコードを読み取る出荷管理の仕組みの改善

    段ボール原紙ロールの物流拠点の業務改善

  • 効果

    出荷管理の自動化によるドライバーの負荷軽減

    トラック積み込み作業の安全性向上

    ホワイト物流の推進

出荷管理の自動化でドライバー負荷を軽減

レンゴー株式会社は、ゼネラル・パッケージング・インダストリーという言葉のもと、あらゆる産業のすべての包装ニーズに対し、総合的なソリューションを提供する“包装”のプロ集団。1909年の創業以来、その中核にあるのが原紙製造から一貫して行う段ボール事業です。実は「段ボール」という言葉自体、同社創業者の井上 貞治郎氏の命名なのです。今日でも国内の段ボール生産の30%、ダンボール原紙生産の22%のシェアを維持しています。国内4カ所の製紙工場と26カ所の段ボール工場のネットワークによる生産プロセス最適化を強みとする同社にとって、物流の効率化は大きな課題の一つです。こうした中、同社が注目したのはRFIDによる自動認識ソリューションでした。製紙部門生産本部長 兼 研究技術開発・環境経営推進部門製紙技術開発本部長 執行役員の柏木 英之氏は、その狙いをこう説明します。

「物流の2024年問題もありドライバー不足が社会問題化する中、当社はホワイト物流の推進に積極的に取り組んでいます。その一環として着目したのが、無線通信でデータを読み取ることができるRFIDでした。検討を開始したのは2019年で、運用テストを経て、導入を決断しました。パートナーとして東芝テックさんを選んだ理由は、自社製品だけでなく、多様な関連製品を積極的に提案してくれる点を高く評価しているからです」

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▲レンゴー株式会社は、すべての包装ニーズに対し総合的なソリューションを提供しています
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▲製紙部門生産本部長 兼 研究技術開発・環境経営推進部門製紙技術開発本部長
執行役員 柏木 英之氏
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▲製造工場に導入されたラベルプリンタにより、RFタグのラベルは自動貼付されます

ミドルウェアの活用でRFタグの誤読を回避

RFIDによる自動認識ソリューションが新たに導入されたのは、2021年9月稼働の淀川流通センター。大阪市福島区の旧淀川工場跡地に建設された同社最新の物流拠点である同センターは、約2万トンの段ボール原紙の収容が可能です。西日本の段ボール工場に出荷する体制が構築されています。1日2,000~3,000トンの段ボール原紙の入出庫が見込まれる中、特に大きな課題になったのが、出荷管理の省力化でした。研究技術開発・環境経営推進部門製紙技術開発本部 技術開発部技術開発課課長の宍戸 正弘氏はこう説明します。

「原紙ロールはクランプリフトと呼ばれる特殊なリフトでトラックに積み込みます。これまでは、ドライバーが添付されたラベルのバーコードを読み取ることで出荷管理を行ってきましたが、荷台上での作業には、荷台からの転落やリフトとの接触など安全面でのリスクがありました。
これらの問題が解決できると考えたことがRFIDに注目した理由です」

▲トラックに積み込む際に原紙ロールに貼付したRFタグの自動読み取りを行い、効率アップと安全を確保

クランプリフトにRFアンテナを装着し、トラックに積み込む際に原紙ロールに貼付したRFタグの自動読み取りを行うことが、新たな管理ソリューションの基本的な考え方。電波が到達する範囲の複数タグの同時読み取りが可能なRFIDの利用には、目的のタグだけを正確に読み取る仕組みの構築が重要な課題になりました。

「通常のやり方では、クランプがつかんでいる原紙ロールだけでなく、積み込みエリアにあるほかのRFタグを誤読してしまう可能性があるため、出荷管理におけるRFID利用では誤読を回避する仕組みが不可欠です。その実現に大きな役割を果たしたのが、東芝テックさんに紹介いただいたマイティキューブ社のミドルウェア『ナイスミドル』でした。そのアルゴリズムの活用で、クランプがつかんでいるロールのRFIDだけを正確に読み取ることが可能になりました」(宍戸氏)

淀川物流センターでは、全6本のコンベアにRFアンテナを配置することで自動倉庫への入庫管理の自動化を実現していますが、その際の読み間違いを防止する工夫も注目したいポイントです。当初、誤読防止のためコンベア間にアルミパネルを仮設していた同社は、運用開始後、東芝テックからの提案で、透明で視認性に優れた軽量アクリル電波反射パネルを新たに導入。電波の遮断と視認性の確保を両立する最新素材による遮蔽パネルは、スタッフからも好評といいます。

なお、淀川流通センターの稼働に先立ち、同社は段ボール原紙を製造する金津、尼崎の2工場にオートラベラーを配備。原紙ロールへのRFタグ貼付の自動化も実現しています。

RFIDを活用しながらホワイト物流を推進

RFIDの導入効果として、尼崎工場物流部部長代理の福井泰秀氏は、このように説明します。

「特に出荷管理の自動化によるドライバーへの負荷軽減と作業の安全性の向上は、ホワイト物流推進において大きな意味を持つと考えています。また物流業務の正確化にもRFIDは大きな役割を果たしています」

同社が今後のビジョンとして掲げるのは、企業の枠組みを超えたRFID活用です。

「今回の成果を受け、今後私たちはRFID導入の全社的な推進と共に、取引先の皆さまにもRFIDの活用を積極的に働きかけていきたいと考えています。従来のドライバーの付帯作業が当社に関係する施設だけでなく、どこの現場でも発生しないような環境を目指したいと思います」(柏木氏)

同社では、RFIDによる自動認識ソリューションが企業の壁を越えて大きな役割を果たすと確信し、ホワイト物流の推進に取り組んでいます。

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▲研究技術開発・環境経営推進部門
製紙技術開発本部 技術開発部技術開発課
課長 宍戸 正弘氏
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▲尼崎工場物流部部長代理福井 泰秀氏
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▲透明で視認性に優れた軽量アクリル電波反射パネルを新たに導入し電波の遮断と視認性の確保を両立しました

※当記事は2022年10月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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