一社では実現できない新たな買い物体験を共創する──OMOで東芝テックが果たす役割とは

お買い物が変わる

東芝テックが中心となり展開するOMOサービスを紹介する記事のメインビジュアル。

商品をスマートフォンで探し、店舗で実際に手に取って確かめる。店頭で希望の色やサイズが見つからなければ、その場で注文し、自宅へ配送してもらう。あるいは、ECで購入した商品を都合のよい店舗で受け取る。 このように、消費者は店舗とオンラインを自由に行き来しながら、自分に合った方法で買い物を楽しむようになっています。小売業では、オンラインとオフラインの垣根を感じさせない購買体験である「OMO(Online Merges with Offline)」の実現が求められてきました。さらに近年は、蓄積された顧客データや購買データをAIで分析し、一人ひとりに最適な商品提案や購買支援を行うなど、買い物体験をさらに高度化する取り組みも広がっています。

すっかり身近になったOMO

手振りを交えながら説明する松本氏
東芝テック株式会社 プロダクト・プランニング&クリエーションセンター ハードウェア商品部 リテール&ロジスティクス商品企画室 エキスパート 松本 崇秀氏

オンラインと実店舗を行き来する買い物は、すでに私たちの日常に入り込んでいます。OMOについて、松本氏はこう説明します。

「買い物をする場所は、実店舗、ECサイト(店舗が運営するオンラインショップ)、ECモール(多くのお店が集まるネット上のショッピングモール)と多様化しています。こうした複数の販売チャネルを連携させ、買い物客がどのチャネルからでも商品を購入できる環境を整える考え方が”オムニチャネル”です。 そして、そこからさらに進み、オンラインとオフラインの境目をなくし、買い物客がその時々に最適な方法を選びながら、シームレスに買い物を楽しめる体験を実現する考え方が”OMO(Online Merges with Offline)”です。 スマートフォンで商品を探し、在庫を確認して購入し、店舗で受け取り、さらに購入履歴まで確認できる。そんな買い物体験が当たり前になりつつある今、OMOはもはや特別なことではありません。東芝テックにも、オムニチャネルやOMOに関するご相談が数多く寄せられています。当社がソリューションパートナーとして大切にしてきたのは、お客様の課題を解決することです。だからこそ、お客様の商売や買い物客の購買行動が変化すれば、それに応じて私たちが提供する価値やサービスの領域も広がっていきます。オムニチャネルやOMOへの取り組みも、その延長線上にあるものだと考えています」

OMOの裏側にある複雑なシステム

しかし、オンラインとオフラインがシームレスにつながる買い物体験の裏側には、POSシステムや販売管理システム、ECシステム、在庫一元管理システム、OMS(受注マネジメントシステム)、WMS(倉庫管理システム)など、複数のシステムが複雑に連携しています。しかも、それぞれのシステムを別の専門企業が提供していることが多く、それらを連携することは容易ではありません。そして、オムニチャネル化が進むほど、システム上の複雑さだけでなく、店舗スタッフの業務負荷も増加しています。

「システム間の連携が不十分だと、店舗スタッフは複数のシステムを個別に確認しながら、倉庫や他店舗の在庫を探さなければなりません。非常に手間のかかる作業ですが、その業務負荷は可視化されていないため、評価にも反映されないという課題がありました」

そう語る松本氏は、こうした現場の負担を少しでも早く解消したいと考えていました。そこで開発したのが、自店舗・他店舗・自社倉庫の在庫を横断的に検索し、スマートフォンからリアルタイムで確認できる接客支援アプリです。ゼロから開発するスクラッチではなく、パッケージとして提供することで、導入までの時間とコストを大幅に削減できるようになりました。

「市場環境や消費者ニーズは日々変化しています。時間をかけて開発している間にも、お客様が求めるサービスは変わっていく。だからこそ、システム開発にはスピードが重要だと考えています。何より、店舗スタッフの業務負荷を一日でも早く減らしたかったのです」

実際に、この課題は現場で日常的に発生していました。
例えば大手専門店様では、買い物客が希望する商品がその店舗にない場合、スタッフが別フロアの店舗やバックヤードまで在庫確認に向かうことがありました。在庫状況を確認するまでに時間がかかり、その間、買い物客との会話が途切れてしまうケースも少なくありませんでした。
しかし、接客支援アプリの導入後は状況が大きく改善されました。スタッフは買い物客と会話しながら、手元のスマートフォンやタブレットでリアルタイムの在庫を確認し、その場で注文手続きまで完了できるようになったのです。これにより、店舗に在庫がないことが販売機会の損失につながるのではなく、「他店舗や倉庫の商品も提案できる」という新たな接客スタイルに進化しました。

在庫一元化システムCommonsを中心に、EC、モール、販売管理、倉庫管理、店舗アプリShopUnify、CRMが連携するシステム構成図。
OMOの裏側にあるシステム構成図の一例

さらに、OMOによって得られる価値は在庫情報だけではありません。

店舗とECを横断して蓄積される購買履歴や行動データ、商品・在庫データなどは、顧客をより深く理解するための重要な情報になります。
これらのデータを活用することで、将来的には一人ひとりに合わせた商品提案の最適化や、店舗・ECのサービス設計の改善など、新たな買い物体験を生み出すための重要なヒントにつながります。

一つのシステムで囲い込まない。強みをつないで最適解をつくる

ソリューションパートナーとしてお客様と信頼関係を築いてきた東芝テックの役割は、個別のシステムを提供するベンダーから、複数の企業やシステムを結び付ける「つなぎ手」へと広がっています。松本氏は、その役割について次のように語ります。

「東芝テックは、OMOにおいてシステムのつなぎ手としての役割を果たしたいと考えています。OMOは1社だけでは実現できるものではありません。店舗・EC・在庫・物流・CRM(顧客管理)など、それぞれの領域で専門性を持つ企業が連携して初めて実現できる仕組みです。だからこそ大切なのは、どの企業が主導権を握るかではなく、お客様にとって最適な体験や仕組みは何かという視点です。その実現に向けて、パートナー企業の皆さまに協力いただきながら、最適な形をつくり上げていくことが私たちの役割だと考えています。また、パートナー企業ごとに得意領域や考え方は異なります。それぞれの強みを理解し、尊重し合いながら役割を明確にすることで、より大きな価値を生み出せると考えています。

さらに、OMOのプロジェクトは一度システムを導入して終わりではありません。お客様の事業成長に合わせて進化し続ける、長期的な取り組みです。だからこそ、技術的な連携以上に大切なのが企業同士の信頼関係だと思っています。お客様にとっての最適解をともに追求できるパートナーシップを育みながら、お客様が抱える課題の解決に貢献していきたいですね」

お客様課題の解決を熱く語る松本氏。

売り場で見つけた気づきを、次の買い物体験へ

松本氏のチームでは、新しい買い物体験を生み出すために、日頃から街へ出て、実際の店舗でサービスを体験することを大切にしています。

「社会の変化を先取りするためにも、メンバーが新しい店舗やサービスを体験し、そこから得られた気づきや、買い物体験をより豊かにするアイデアを共有しています。良いアイデアがあれば、試作品やコンセプトとして展示会で発表し、お客様の反応を直接伺う。そのサイクルをスピーディに回しています。現場の声を開発に活かすことは当社が昔から大切にしてきた考え方ですが、これからはそのスピード感がますます重要になると思っています」

さらに松本氏は、OMOを次のステージへと進化させるうえで、AIの活用が欠かせないと語ります。

「米国をはじめとする海外では、OMOによって蓄積されたデータを活用し、AIエージェントが買い物客の嗜好や状況を理解し、商品の提案から購入手続きまでを支援する取り組みが始まっています。こうしたAI活用を進める土台としても、OMOの重要性がますます高まっています。私たちもグローバルチームと連携しながら最新技術を取り入れ、日本のお客様に最適な形へ発展させていきたいと考えています。今後は、AIによるより高度な購買支援が広がり、買い物はさらに便利で快適なものになっていくでしょう」

買い物客にとって便利な体験の裏側では、多くのシステムや企業が連携し、それぞれの役割を担っています。東芝テックは、その中心となるハブとして、小売業が目指す新たな買い物体験の実現を支えています。パートナー企業との強固な信頼関係を基盤に、それぞれの強みを結び付けながら、小売業と買い物客の双方に新しい価値を届けるエコシステムを築いていく。東芝テックの挑戦は、OMOのその先にある未来の買い物体験の創造へと続いていきます。

※導入事例はこちら:直営店の増加、DtoC戦略強化を見据えたOMOサービス導入であらゆる顧客満足を実現~スタッフ向け接客支援システム導入事例~:アメア スポーツ ジャパン株式会社 | 東芝テック株式会社

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