集客力をアップさせるターゲット設定・差別化戦略
集客力が上がらない落とし穴とは?
集客力は、売上アップに欠かせない要素です。顧客の数が変わらなければ、顧客1人あたりの購入金額が上がっても、売上アップにはいずれ限界が訪れます。売上の大幅な増加と集客力の向上に相関関係があることは明らかです。
集客力をアップさせる方法や、集客のための施策を展開したものの集客力が上がってこない原因を考えていきます。
集客力をアップさせる方法
ここでの「集客力」とは、店舗やWebサイトなどにお客様を呼び込む力と定義します。
ただし、単に人を集めればよいというものではありません。集客を売上に結び付けていくには、自社の商品やサービスを利用する確度が高い「見込み顧客」を集め、「顧客」へと醸成していくための施策展開も重要になります。
集客力を高め売上につなげていくためのプロセスを、順に紹介していきます。
- 目標を設定する
- 集客したい見込み顧客を定める
- ターゲット顧客の要望を確認する
- 集客方法を選択する
1.目標を設定する
まずは集客目標の設定です。マーケティング施策を検討・実行し、効果を検証していくには、目標設定なしでは始まりません。集客目標は、はじめに売上目標を設定して、そこから購買人数や購買回数、購買金額を逆算していく形を採用しましょう。
【集客目標の設定例】
- 1ヶ月の売上目標:300万円
- 購買人数600人、平均購買回数2回、平均購買金額2,500円
2.集客したい見込み顧客を定める
次に、自社の商品やサービスに応じたターゲットを設定します。確度の高い見込み顧客となるターゲット設定として、性別や年齢層、居住エリアなどの基本属性を決めていきましょう。
さらに一歩踏み込んで、商品やサービスを利用するユーザー像を具体化した「ペルソナ」を設定するのが理想的です。
ペルソナは「特定の人物」を想定できるように、より詳細な項目を設定するのがターゲット設定と異なる点です。ペルソナを設定すると、具体的な施策を検討しやすくなるほか、事業に関わる関係者が共通認識を持ちやすくなるメリットがあります。
ペルソナ設定では、先述の基本属性のほか、家族構成や学歴、年収、趣味、ライフスタイル、休日の過ごし方などをリストアップします。
【ペルソナ設定の例】
ヒガシ リナ
- 32歳女性
- 東京都目黒区で一人暮らし
- 大卒
- 年収450万円
- 料理や食べることが好き
- 休日は友人と話題のお店巡りをすることが多い
3.ターゲットのニーズを確認する
さらに、設定したペルソナのニーズを深掘りしていきます。
- どのような商品やサービスを求めているのか?
- 自社の商品やサービスのどこが良い・悪いと思っているのか?
- どんな情報を欲しいと思っているのか?
これにより、商品やサービスの企画、あるいは品ぞろえに反映するほか、広告展開での訴求ポイントを見出していきます。
ただし、ニーズ確認は思い込みや感覚に立脚するものでは意味を成しません。アンケート調査を実施する、あるいは購買データをもとにしたRFM分析やCTB分析を活用するなど、一定の根拠を有する手法を採用してください。
4.集客方法を選択する
いよいよ集客につなげていくアクションを講じていきます。認知拡大に効果的な集客手法として、広告やSNS運用などさまざまなチャネルが検討されますが、ターゲットの年代や取り扱う商品やサービスに応じて、効果的な施策は異なります。
ターゲットに的確にアプローチするための代表的な手法はリスティング広告です。
リスティング広告は「検索連動型広告」とも呼ばれ、ユーザーがGoogleやYahoo!などで検索したキーワードに連動して、検索結果画面の上下に表示されます。商品やサービスに関連した情報を探していたユーザーにピンポイントに露出できるほか、広告費用を調整しやすい点がメリットです。
SNSの運用や広告も、認知拡大を図りやすい手法です。
- Instagram:実店舗や美容系・アパレル系のECに最適。幅広い年齢層が利用し、女性が比較的多い
- Twitter:幅広い年齢層が利用するSNS。実店舗のほか、セミナーの集客などにも向いている
- LINE:年代を問わず幅広く利用されており、地域を絞った広告展開がしやすい
- TikTok:10代の圧倒的なシェアを誇るSNS
また、シニア層に向けた商品やローカルビジネスでは、新聞折込広告やポスティングなども効果的です。新規顧客を増やすための方法については、関連記事を合わせてご確認ください。
集客力が上がらないのはなぜか
- 商品やサービスは良いはずなのに集客につながらない
- 広告を展開しても集客が伸びない
こうした悩みを解消できない局面では、ターゲット設定や競合との差別化に課題があることが疑われます。また、集客施策を展開しても、効果測定を行わずPDCAを回せていなければ集客力は伸び悩みます。
集客が上がらない主な要因と対策について考察していきます。
ターゲット設定がずれている
自社商品やサービスに対するターゲット設定に乖離があると、見込み顧客のニーズを満たすことはできません。集客のためのアプローチも見当違いな方向になるため、集客力は停滞してしまいます。
誤ったターゲット設定を行ってしまう典型的なパターンは、自社の商品やサービス、あるいは既存顧客に対する主観的な「イメージ」をもとに、思い込みや感覚でターゲットを設定しているケースです。購買データからメイン顧客層の属性を分析するなど、データに裏付けされた根拠をもってターゲットを設定しましょう。
競合との差別化を図れていない
競合他社との差別化が明確でないことも、他社に顧客が流れる要因となります。他社商品と比較して、ほんのわずかな違いから自社商品の優位性を訴えても、顧客に響かないことは少なくありません。
商品での差別化が難しければ、配達までの日数などサービス面、あるいは保証期間などで優位性を示す方法もあります。飲食店であれば、内装や家具など空間レイアウトに注力し、メニュー以外で独自性を訴求することも可能です。
なお、競合他社との差別化を図るには、競合調査を行い他社のことを深く知ることが欠かせません。ターゲットの強みを理解して、そのカウンターとなるような自社のオリジナリティを打ち出しましょう。
PDCAを実践できていない
集客施策を実施しても、効果測定を行わず「やりっぱなし」の状態になっていては、集客力は上がってきません。
- Plan(計画):集客目標やターゲット設定、ターゲットニーズの確認、集客方法決定
- Do(実行):集客施策を実施
- Check(確認):実施した集客施策の効果測定
- Action(改善):集客方法の改善策を検討
この一連のPDCAサイクルを繰り返すことが大切です。「確認」「改善」にも必ず目を向けましょう。
まとめ
集客力をアップするには、ターゲットを設定してニーズを把握し、見込み顧客を「顧客」へと醸成するような施策展開が求められます。また、購買データなどもとにした一定の根拠に立脚したターゲット設定を行わなければ、集客施策も見当違いな方向に引っ張られがちです。
ターゲット設定を適切に行い、競合他社の動向も押さえながら集客施策のPDCAサイクルを繰り返していきましょう。