導入事例
10年後には「スマホで完結」がスタンダード。
ならば、今すぐ推進すべきだ
株式会社マキヤ
経理・財務部 主任 伊藤 五月様
営業企画部 黒野 真由美様
※所属は取材当時のものです
LINEミニアプリの導入やアプリ内でのスマートレシートとの連携について、「決してキレイごとではない」と語るのはマキヤ様。小売業のデジタル化やDXの波に乗り遅れてはいけない。時代の変化に追いつけなければ、企業はお客様から見放される——こうした危機感がスマートレシート導入の契機となりました。また、「マキヤLINEミニアプリ」とスマートレシートをAPIで連携し、利便性を追求したことで、月の登録者数を5倍以上にも伸ばすなど、消費者に寄り添ったDX施策を推進し、具体的な成果をあげています。
株式会社マキヤ
株式会社マキヤ
ディスカウントストア「エスポット」や食品スーパー「POTATO」などを展開。主に静岡県、山梨県、神奈川県での出店をしており、業務スーパーやハードオフもフランチャイジーとして展開している。
- 店舗数:
- 87店舗
- 本社所在地:
- 静岡県富士市大渕2373
- 設立:
- 1953年8月13日
キャッシュレス決済推進のため、
ベストな方法がLINEミニアプリの活用だった
スマートレシート導入の経緯①
国や社会全体としてもキャッシュレス決済を推進していく背景もあり、当社においても独自のプリペイド付きポイントカード「マキヤプリカ」をお客様に発行し、サービスを提供していました。今後、マキヤプリカの利用をより一層促進していくにあたり、LINE内のミニアプリを活用することとなり、ミニアプリ内で連携させれば、「スマートレシート」も利用できるようになると、東芝テックの営業担当からお話をうかがったことが導入のきっかけです。支払いもレシートの記録もスマートフォンひとつで完結できればお客様の利便性も大きく向上するため、やってみようと導入を決断しました。
お客様も、お店も、時代に乗り遅れないために
スマートレシート導入の経緯②
紙のレシートをなくし、余計な資源を使わない。デジタル化やDXを促進し、スマートフォンひとつでできることを増やす。こういったことは、5年、10年先を見据えたとき、企業にとって必須の動きになると私たちは考えます。世の中の流れをみても、一人の消費者としてみても、「これからは全部スマホで完結できないとダメだよね」と感じることが多々あるのではないでしょうか。だったら答えはひとつ、悩まずにデジタル化やDXを推進していくべきと判断しました。短期的な導入の難しさなどにとらわれてはいけません。キャッシュレス決済も、電子レシートも、10年後には当たり前のことになるでしょう。時代の変化に追いつけなければ、企業はお客様から見放されるだけです。
また、これまでデジタルの利用にあまり関心がなかったお客様にも“デジタル利用の第一歩となるきっかけ”を私たちが提供したいという想いがありました。マキヤとしてのDX推進という観点だけではなく、日本全体でのデジタル化の底上げや普及に貢献していくという観点からもスマートレシートの導入は必要なことだと考えています。
“スマホ世代ではない自分が理解できるか?”で考える
導入に際しての工夫(対お客様)
まずは店内のポスターや掲示物などで、お客様へ向けて、LINEミニアプリやスマートレシートに関する告知を行いました。登録方法などはWebサイトなどでご案内していますが、できるだけ分かりやすくすることを心がけました。操作手順の一つひとつを丁寧に説明しています。担当する私たち自身がスマートフォン世代ではないのも、逆によかったのかもしれません。「スマホ世代でない自分自身がどうしたらサービスの内容や操作手順を理解することができるか?」を常に意識し、自分ごととして捉え、よりわかりやすい伝え方を思案しながら販促物を制作し、お客様にご案内しています。
それでもやはり、スマートフォンやLINEミニアプリの操作に慣れていない世代のお客様は、最初は使い方に苦戦していたようにお見受けしました。キャンペーンなども継続的に実施し、お客様に興味や関心を持っていただけるよう取り組んできたことで、最近では70代の方の利用も増えてきました。
試験導入期間を設けつつ、実践の中で使いこなしてもらう
導入に際しての工夫(対従業員)
お客様への正式リリースよりも1ヶ月早く、従業員には試験導入期間を設けLINEミニアプリやスマートレシートを使ってもらいました。マキヤの従業員は数が多く、店舗のシフトも人によってバラバラ。少ない方だと10回以下の出勤のうちに操作を覚えてもらって、お客様リリース後の対応をしてもらわないといけません。従業員の年齢層も様々ですので、最初は個人差などもあり使いこなせるようになる時間も違っていたと思います。
ただしお客様リリース後、実際にお客様の対応をする中で使いこなせるようになった従業員も多かったのではないでしょうか。どんなサービスでも同じことが言えますが、どれだけマニュアルを読み込んだり自分の中だけでシミュレーションをしたりしても、完全にサービスを理解し、説明できるようにはなりません。お客様と真摯に向き合い、実践の中で学ぶことの方が多かったはずです。そこはある程度、やってみる中でできるようになると割り切ることも大切なのかもしれませんね。
API連携で新規登録数が5倍に増加。お客様の操作をよりラクに
LINEミニアプリ連携による効果
2023年の秋には、LINEミニアプリとスマートレシートがAPI連携で紐づけできるように改善しました。それまでのマキヤプリカとスマートレシートの紐づけ手順は、会員登録をした後に、店舗のレジで紐づけ設定をしなければスマートレシートを使えるようになりませんでした。しかし、LINEミニアプリからAPI連携が可能になると、店舗に行かずともスマートレシートを紐づけできるようになります。これはお客様からも非常に好評で、それまで約200件/月程度だった新規登録数が、約1,000件/月まで増えました。API連携と同時にお店で使用できるポイントのプレゼントキャンペーンなども行っていたので、お客様の関心も高かったのだと考えられます。
紙を完全になくし、キャンペーンをより便利に
今後の展望
これからやっていきたいことは、大きく3つあります。一つは、スマートレシートを販促キャンペーンで活用していくこと。現在でもハガキでの応募や、紙のレシートを写真に撮って応募いただくキャンペーンなどを実施していますが、スマートレシートをキャンペーンに活用すればスマホ内ですべてが完結できるため、お客様も、キャンペーンを募集する私たちも、メーカー様もより便利で効率的になります。
二つめに、私たちのアプリを「リテールメディア」※として活用していくことです。LINEミニアプリ内やマキヤでお買い物いただいた電子レシートの表示枠などに対して広告を配信していくことで、取引先のメーカー様に活用いただきたいと考えています。
最後に、レジで発行される紙を完全になくすこと。スマートレシートの活用により紙レシートの発行量は減少していますが、たとえばクーポン券など、紙でないと対応できないものが未だあるのが現状です。レジで発生する紙を徐々になくし、LINEミニアプリとアプリ内のスマートレシートに1本化することで、お客様の利便性の向上と環境負荷低減の両立を図っていきたいと考えています。
※リテールメディア:小売・EC事業者が保有する広告メディア。店頭やECサイト、アプリ内に表示される広告など。