導入事例
紙のレシート削減からその先へ
スマートレシートで、“組合員様のくらし”に貢献する
生活協同組合 コープかごしま
店舗事業本部 運営課 鯵坂 史帆様
※所属は取材当時のものです
スマートレシートの導入を2019年に決定し、稼働まで1年をかけた生協コープかごしま様。その間には、まず職員が使用し、様々な意見を集約しながら組合員様の課題となりそうな点を洗い出し対策を検討するなど、実運用に向けて入念な準備を行いました。当初の導入の狙いだったレシートロール紙の削減にとどまらず、組合員様の家計管理支援、そしてその先の“組合員様のくらし”を支えようとする生協コープかごしま様の姿勢や取り組みについてお話を伺いました。
生活協同組合 コープかごしま
生活協同組合 コープかごしま
共同購入事業、個別配達事業、店舗事業など、複数の形態で事業を展開。事業を通じた社会貢献を約束し、組合員を中心に広く人々のくらしを支えている。
- 店舗数:
- 19店舗(2024年10月末時点)
- 本社所在地:
- 鹿児島県鹿児島市広木一丁目1番1号
- 設立:
- 1971年4月1日
組合員様の「環境意識」に応えるためのレシート削減
スマートレシート導入の経緯
2019年の年末ごろ、店舗で使用していたPOSレジの入れ替えを行ったのがスマートレシート導入のきっかけです。その際に東芝テックの営業担当の方から、スマートレシートを勧めていただきました。当初、最も期待したのはレシートロール紙の削減、つまり紙資源を減らせる点でした。お店として経費削減が期待できることはもちろんですが、私たち生協コープかごしまの組合員様は環境意識の高い方が多い傾向があります。たとえばこれまでも、レジ袋の廃止はもちろん、食品トレーを使わない「ノントレー商品」の発売、食品ロス削減の取り組みなど、組合員様の声に応えてきました。最近ではレシートに広告を掲載することも増えてきており、結果、レシートロール紙の消費量の増加が課題でした。スマートレシートがこうした紙の消費を減らす一助となってくれるだろうと考えたのです。
まずは自分たちで。
課題を見つけ、導入に活かす
導入時の工夫①
導入決定から、本格導入までの期間は約1年。その間に、まずは約300人の職員に自分でアプリを使ってみてもらいました。そうすると、様々な課題が見つかります。iPhoneとAndroidでの操作の違いや、機種変更をした際の対応、ブラウザがプライベートモード時のログイン方法
――職員の生の声を参考に、組合員様への本格導入へ向けたマニュアル資料に活かしました。職員の中にも、様々な人がいます。新しいアプリが好きな人もいれば、そもそもデジタルに苦手意識のある人もいる。様々な組合員様に対応するためには、様々な職員の意見が拾えたのはよかったのではないでしょうか。
店頭媒体で複合的に告知、独自の粗品で興味を喚起
導入時の工夫②
本格稼働後に行った組合員様向けの利用促進施策では、紹介チラシや店内BGMでのご案内、レシート広告、店内デジタルサイネージでの掲示など様々な店頭媒体で複合的にスマートレシートの告知を行いました。導入開始時は2ヶ月間の入会キャンペーンを実施。ポイントの付与などとは別に、店舗で粗品を配布。私たちの場合は、食品ラップなどをプレゼントしました。導入直後では、短期間で約2,000人の方がご入会くださっています。
「忘れない」「無くさない」がキャンペーン企画の強みに
キャンペーンの活用
キャンペーンは様々実施しています。たとえばスマートレシートが定期的に開催されている「レシカルキャンペーン」という抽選応募キャンペーンに当組合も参画しましたが、新規入会者や利用が停滞気味のときに実施すると効果があると思います。
また、組合員様の中でハードルを感じる方の多いもののひとつに、スマートレシートアプリと使用しているカードとの連携作業があります。面倒に感じる方も多いのですが、連携することで100円分のクーポンを発行する入会キャンペーンを行ったところ、「今この場で登録するよ」と言われる方が増えました。入会キャンペーンとレシカルキャンペーンを併せて実施することで相乗効果を高めています。
最後に、セルリキのスタンプシールのキャンペーンです。スマートレシート導入以前から、生協コープかごしまの店舗ではセルリキのスタンプシールを集めることで、調理器具などがお得に購入できるキャンペーンを行っていました。そのスタンプ集めにスマートレシートを活用できるようにしたところ大変好評となりました。デジタル上で管理でき電子シールが自動で付与されるため、集めたスタンプを忘れない点、無くさない点が組合員様にとっては重要なポイントだったのかもしれません。
「家計管理に貢献」という成果も
導入の成果
現在は、約6,000名の組合員様にスマートレシートをご利用いただいており、約220万枚分以上の紙レシートを削減しています(2024年11月時点)。また、職員からは、「レシートの受け渡しに必要だった数秒が短縮できて嬉しい」といった声もあります。ほんの数秒のことではありますが、重要な数秒だったのだなと感じます。
また組合員様からは、「レシートをちゃんと見るようになった」「家計管理が正確になった」という声が聞かれたのは、よかったポイントだと思います。これまで紙のレシートだと捨ててしまっていたけれど、電子で手元に残るからお買い物の振り返りをできるようになったということ。電子レシートを活用すると費目ごとの集計も楽ですし、レシートデータの出力も可能。組合員様の家計管理に役立てていることを実感します。
世の中のペーパーレスの流れに期待
今後の取り組みについて
レシート1枚の削減やレジでの数秒の短縮、それだけでは小さい成果です。しかし、こうした取り組みを通じて小さな成果を積み重ねていくことが、組合員様や社会にとって大切なことだと考えています。スマートレシートに限らず、世の中的にもペーパーレスであることが当たり前の空気となってきましたから、その流れとともにスマートレシートの認知もより浸透してほしいと期待しています。加えて、スマートレシートのプロモーション機能を知らない組合員様がまだ多いですので、さらに力を入れていきたいですね。様々な施策を実施しながら、組合員様の普段のくらしを支えていきたいです。