導入事例
“もっと早く導入すべきだった”
お客様の声が動かした、ホームセンターのレシート改革
ロイヤルホームセンター株式会社
総務部 部長 渡邉 崇様
情報管理部 寺原 裕起様
※所属は取材当時のものです
ロイヤルホームセンター様は、2025年1月にスマートレシートを導入。導入から3ヶ月で、目標数の1.4倍にあたる22,000件以上の「ロイヤルホームセンターアプリ」との連携数を獲得しました。好調に利用者が拡大する一方、検討時には一度導入を見送った経験もあるといいます。再度検討し導入を決めた背景や、ホームセンター業態だからこそお客様に提供できたスマートレシートのメリットなどについて、お話を伺いました。
ロイヤルホームセンター株式会社
ロイヤルホームセンター株式会社
大和ハウス工業株式会社の一事業部として発足後、2004年に独立。工具・金物・塗料・資材・リフォーム・インテリア・ガーデニング・ペットを主体としたホームセンターを展開している。
- 店舗数:
- 64店舗(2025年5月現在)
- 本社所在地:
- 大阪府大阪市西区阿波座一丁目5番16号 大和ビル5階
- 設立:
- 1993年7月14日
長過ぎるレシート。お客様からも声が上がっていた
スマートレシート導入の経緯
導入を検討し始めたのは2022年頃。背景には、大きく2つの理由がありました。1つは、企業としてSDGsへの貢献を模索していたこと。もう1つは、紙レシートの消費量の多さです。ロイヤルホームセンターで発行しているレシートは、購入明細・領収書・ポイント履歴が一体化しているため、購入点数が1点だけでもレシートが20cm近くになることもあり、お客様から「長すぎる」という声をいただいていました。
ちょうどその頃、東芝テックの営業担当の方からスマートレシートをご紹介いただきました。他社様の事例を拝見し、「便利そうだな」というのが最初の印象でした。ただ当時は、スマートレシートがどの程度お客様に浸透するかが見えづらく、本当にご利用いただけるのかという懸念もあり、導入には至りませんでした。しかし翌年に営業担当の方からの再提案をきっかけに改めて検討を行い、導入を決定。2025年1月から本格的に稼働しています。スマートレシートの導入はとてもスムーズでした。今では「もっと早くに導入すればよかった」と思います。スマートレシート利用者ももっと増えていたでしょう。世間の浸透を待つのも一手ですが、自社が先頭を切って広めていくという考え方もあるのだと実感しました。
「具体的なメリットの提示」で、社内周知をスムーズに
導入時の工夫
導入の社内決裁を得る段階では、SDGsへの貢献という観点を中心に説明を進め、企業としての社会的責任を果たす取り組みであることを強調しました。その結果、経営層からの理解と承認を得ることができたと感じています。
導入決定を受け、特に注力したのは具体的な運用について各店舗へ落とし込む工程です。スマートレシートをPRするためのポスターや店内放送について各店舗へ周知。従業員にも実際にスマートレシートを使用してもらい、実感を持ってお客様へ勧められるようにしてもらいました。
導入後の入会・利用促進施策をテックが手厚くサポート
キャンペーンの活用
キャンペーンは、現在(2025年5月末時点)までに2回実施しています。1度目は、導入直後のスマートレシート入会キャンペーン。こちらはロイヤルホームセンターの会員証とスマートレシートを連携させることで、ロイヤルホームセンターのポイントを100ポイントプレゼントするものです。2度目は、一定金額以上の買い物で応募できる「レシカルキャンペーン」で、魅力的な商品の抽選にスマートレシートから応募できるキャンペーンでした。キャンペーンの実施については東芝テックさんに手厚くサポートいただきました。
目標数の1.4倍達成も、さらなる連携者拡大を目指す
導入の成果
導入から3月末までに、ロイヤルホームセンターの会員証とスマートレシート連携数は約22,000人となりました。これは、スマートレシート入会キャンぺーンの目標数の1.4倍です。とても順調に会員数を伸ばすことができていると感じます。一方で、ロイヤルホームセンターアプリの利用者数から考えると、まだまだ伸びしろは大きく、さらなる連携数の拡大を目指しています。
キャンペーンなどの施策も重要ですが、店舗での「声かけ」など日々の働きかけが地道ながらも最も効果的です。たとえば、レジでお会計の際に、従業員からお客様へスマートレシートをご案内ができるかどうか。こうしたちょっとした声かけは、導入当初は皆が意識して取り組みますが、業務が忙しくなるとつい忘れがちになるものです。しかし、こうした地道な取り組みこそが、サービスの理解や浸透には欠かせません。今後も現場としっかり連携しながら、スマートレシートの利用促進の取り組みを進めていきたいです。
レシートをなくさない、間違えない。
ホームセンターだからこそ活きる利便性
導入による期待効果
ホームセンターは、返品・交換が多い業態です。たとえば、DIY用品などの場合、サイズや用途違いによる誤購入が起こることも多いですが、返品・交換にはレシートが必要です。レシートをなくしてしまうことなく”スマホの中で保管”できる点は、お客様にとって大きなメリットになっていると思います。
スマートレシートにより、セルフレジでのレシートの取り違いといったトラブルも防止可能になります。特にセルフレジでは、前の人のレシートを誤って持ち帰ってしまうケースも散見されましたが、こうしたリスクも軽減されます。また、セルフレジに不要なレシートがどんどん溜まっていく様子は、見た目にも好ましくありませんでした。スマートレシートの導入によって、こうした状況の改善にもつながることを期待しています。
スマートレシートからDXへ
今後の取り組みについて
まずはスマートレシートの利用者をさらに増やすことが大きな目標です。この取り組みは、当社だけで完結するものではなく、スマートレシートを導入している企業や、これから導入を検討している企業全体で取り組んでいくべきテーマかもしれません。社会全体にスマートレシートが広く浸透することで、より多くの企業・消費者が恩恵を受けられると考えています。
これまではSDGsや経費削減の観点からスマートレシートを捉えていましたが、今後はデータ活用などDXの分野にも期待したいですね。購買データから地域ごとの買い物傾向やトレンドなどが見えてくると、さらなる活用が望めると思います。スマートレシートをレシートのデジタル化にとどめず、DXの足がかりとして活用していきたいと考えています。


