導入事例
顧客利便性と店舗生産性を同時に改善
ドラッグストアのスマートレシート活用
株式会社千葉薬品
営業統括本部 営業推進部 FSP戦略グループ長
太田 直幸様
※所属は取材当時のものです
株式会社千葉薬品様は、自社アプリとの連携による利便性向上を目的に、2024年4月にスマートレシートを導入。アプリとの相乗効果により利用者数を大きく伸ばし、お客様の利便性向上だけでなく、店舗の生産性向上にもつながる成果を上げています。
株式会社千葉薬品
株式会社千葉薬品
ヤックスドラッグなどのドラッグストアチェーンを中心に、介護事業、アウトドア用品事業などを展開。
- 店舗数:
- 139店舗(2025年7月現在)
- 本社所在地:
- 千葉県千葉市中央区問屋町1-35 ポートサイドタワー28階
- 設立:
- 1960年9月15日
従来のアプリではわからない“購買履歴の課題”を解決
スマートレシート導入の経緯
スマートレシート導入のきっかけは、グループの店舗で利用できる「ヤックスアプリ」の利用促進でした。ヤックスアプリは、元々あった紙のポイントカードをアプリ化することから運用がスタートしたものでしたが、ハウスプリペイド(電子マネー)など、徐々に機能を追加。そういった中で、お客様から「アプリから商品の購買履歴を確認したい」とのご要望を多くいただいていました。
たとえば、アプリを使ってお買い物をした際、個別商品の購買履歴が残らず、アプリからは1会計の合計金額しか確認できませんでした。そのため、実際に購入した商品名や購入金額を確認するには、お客様ご自身で紙のレシートを確認いただくしかなく、他方で紛失や必要なときに見つからないといった課題があります。
また、当社はドラッグストアチェーン事業を行っているため、特定の医薬品購入で税控除を受けられる「セルフメディケーション税制」を利用されるお客様も多くいらっしゃいます。医薬品を購入された方が確定申告で控除を受ける際には、購入時のレシート(領収書)が必ず必要です。こうした背景もあり、レシートをスマホに保存・管理でき、「セルフメディケーション税制」に対応できるスマートレシートの導入を決定し、ヤックスアプリとの連携を行うことにしました。
自社アプリとスマートレシートの連携で、相乗効果を生む
導入時の工夫
従業員へのサービス告知・浸透は、マニュアルを配布しました。同時に、「レシートが発券されないのでレジがスピーディーになる」「お客様がご自身で購入商品をアプリから確認できるようになる」とメリットを明確に伝えることも重要だったと考えます。お客様への告知では、スマートレシートに関するリーフレットを作成し、レジやサッカー台に設置しました。
スマートレシートはヤックスアプリとの連携が前提となるため、お客様がスマートレシートを利用する際には同時にヤックスアプリも利用いただけます。そのため、自社アプリの新規会員獲得にも大きく貢献しています。スマートレシートとヤックスアプリが組み合わさることで、双方にとって効果的な相乗効果が生み出されています。
連携数は順調に拡大、約半数はキャンペーン経由
キャンペーンの活用
スマートレシートの連携促進施策としては、スマートレシートとヤックスアプリを連携させ、ポイントを付与する「入会キャンペーン」を販促計画に組み込み、定期的に展開しています。現在、約半数はキャンペーンをきっかけに連携し、利用いただいていますので、連携数拡大にキャンペーンは非常に効果があります。店頭・アプリ双方でのサービス認知と、キャンペーン施策を連動させていくことで、導入以来、スマートレシートの利用者数は順調に拡大しています。
レジでのアクションが1/3に。スマホ提示ひとつで完結
導入の成果①
大きな成果として感じることはふたつあります。一つは、お客様ひとりに要するレジのアクションが短縮されたことです。たとえば、以前はレジでヤックスのポイントカードを提示して、お金を出して、紙のレシートを受け取る。この3つのアクションが必要でした。しかしアプリとスマートレシートが連携されていれば、アプリを提示するだけの1アクションで済む。単純に1/3になるのです。お客様をお待たせすることもなくなりますし、従業員の負担を軽減させることにもつながりました。特にアプリを展開している企業のみなさまには、ぜひ導入をオススメしたい大きなメリットです。
セルフメディケーション税制対応
問合せ削減・業務生産性が向上
導入の成果②
導入メリットの二つ目は、冒頭でも触れた「セルフメディケーション税制」への対応です。ドラッグストアでは、確定申告を控える年明け頃にお客様からのお問い合わせが急増し、その件数は数百件にものぼります。なかでも、レシートをお持ちでないお客様の購入履歴は確認が難しく、対応に多くの時間を要することが少なくありませんでした。
しかし、スマートレシートをご利用いただくことで、お客様はご自身のスマホから購入履歴を確認できます。さらには、対象商品を自動で集計し、年間購入金額がいつでもアプリで確認でき、購入した対象商品の明細を領収書(レシート)として提出できます。結果、店舗への問い合わせ件数も減少しており、現場の業務効率化・生産性向上に大きく貢献しています。
高齢層への利用拡大と電子化の加速を見据える
今後の取り組みについて
次の目標としては、ヤックスアプリ会員の1割をスマートシートと連携していきたいと考えています。同時に、ご高齢のお客様に向けた施策も検討しています。ご高齢のお客様にとっては、新しいアプリをインストールすることに心理的ハードルを感じる方が多いことがわかっています。そこでLINEと連携しミニアプリからヤックスアプリとスマートレシートの利用ができるように、現在検討を進めているところです。
今後は紙のレシートだけでなく、あらゆるものが電子化される世の中になるはずです。ポイントカード、クーポン、キャンペーン応募のハガキやシールもそうでしょう。そういった買い物にまつわる全てのものが、電子化され、情報が連携できるようになるといいですね。たとえばスマートレシートは購入履歴が残るので、そのままキャンペーンの応募などにも活用できます。電子化の世の中にともない、スマートレシートの可能性も広がっていくことを期待しています。


