プレスリリース

指静脈認証を活用したキャッシュレス決済の実証実験を実施
カードやQRコードを使わない指静脈認証決済の利便性を検証

2019年3月4日
株式会社エブリイ
東芝テック株式会社
アララ株式会社
株式会社日立製作所

株式会社エブリイ(代表取締役社長:岡﨑 浩樹/以下、エブリイ)と東芝テック株式会社(代表取締役社長:池田 隆之/以下、東芝テック)、アララ株式会社(代表取締役社長:岩井 陽介/以下、アララ)、株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、指静脈認証を活用したキャッシュレス決済の実証実験を2019年5月7日から7月19日まで実施します。
本実証実験では、中国・四国地方でスーパーマーケットを運営するエブリイの鮮Do!エブリイ蔵王店(広島県福山市南蔵王町2-11-19)において、エブリイの本部社員を対象に、指静脈認証によるユーザー登録・本人認証を行った上で、カードやQRコードなどを使わずに指静脈の生体認証のみで決済を行う一連の流れを検証します。これにより、指静脈認証による手ぶらでの決済の有効性や消費者の利便性などを検証するとともに、課題の洗い出しを行います。

近年、キャッシュレス社会の実現に向けて、スマートデバイスや電子マネーの活用などさまざまな取り組みが推進されています。また、経済産業省では、昨年10月に「キャッシュレス・ビジョン」を策定し、現在、全国平均約20%のキャッシュレス決済比率を、2025年に向けて、40%まで引き上げる目標を掲げています。
一方、キャッシュレス決済の手段として、小売店などでは、自社店舗でのみ利用できるプリペイド式カードを用いた決済の導入が進んでいるものの、カードを用いた決済では、カードの紛失・忘れや、他人が利用できてしまうという課題があります。そのような中、カードの代わりとなり、より利便性が高く安全な認証手段として、生体認証への期待が高まっています。

本実証実験では、東芝テックのPOS*1システムと、そのPOSに標準採用されているアララの電子マネーシステム、日立の指静脈認証システムを組み合わせて決済システムを構築し、現在アララの電子マネーシステムを導入しているエブリイの店舗でその有効性を検証します。具体的には、エブリイのプリペイド式ハウスカード「エブリカ」と指静脈による生体情報を紐付け、認証を実施します。

*1 POS (Point of Sale System)

エブリイは、店舗運営の中で、キャッシュレス決済に取り組み、一般的なスーパーマーケットの利用率に比べ、エブリカによるキャッシュレス決済において高い利用率を有しています。本実証実験では、キャッシュレス決済利用率で高い実績を有しているエブリイの取り組みをベースにした指静脈認証決済の有効性や消費者の利便性の検証を行うことにより、エブリイにとどまらず、汎用的に活用できるキャッシュレス決済の課題の洗い出しを行います。
なお、商用化にあたっては、日立の独自技術であるPBI*2を活用予定です。PBIは、従来の生体認証技術と異なり、指静脈などの生体情報自体を保存する必要がないため、漏えいリスクを最小化します。これにより、ユーザーは認証基盤に登録した指をかざすだけで本人認証ができるため、カードやスマートデバイスを持ち歩くことなく、より安全に決済を行うことが可能となり、利便性の向上とともに、他人利用による決済を防止します。

エブリイと東芝テック、アララ、日立は、本実証実験の結果を踏まえ、今後も、高い利便性と安全性を実現する決済サービスの提供について、共同で検討を進め、キャッシュレス化の推進を加速させていきます。

本実証実験と同等のデモンストレーションを、3月5日(火)~8日(金)に、東京国際展示場で開催される「リテールテックJAPAN2019」の東芝テックおよび日立のブースにて展示します。

*2 PBI (Public Biometrics Infrastructure) 技術: 静脈パターンなどの生体情報の「揺らぎ」を補正することで秘密鍵を抽出し、公開鍵暗号方式に基づく電子署名を生成する日立独自の技術。ICカードやパスワードに依存した鍵管理が不要となり、便利で低コストかつ確実な本人確認が可能な電子認証基盤が実現できる。また生体情報は「一方向性変換」により暗号学的に復元困難なデータ (PBI公開鍵) に変換して登録・照合されるため、元の生体情報はどこにも保存されず、漏えいリスクを最小化することができる。なお、従来技術では生体情報は「揺らぎ」を持つため毎回同じデータが取得できず、一意なデータである暗号鍵を生成することはできなかった。


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