国際物流総合展2025 東芝テックブース レポート
多様なRFIDソリューションを通し物流業務の改善とDX推進を支援
■ 業種・業態 製造業/物流・倉庫業/物販・衣料店
毎年開催されているアジア最大級の物流総合展「国際物流総合展」が、9月10日から12日まで東京ビッグサイトで開催されました。物流業界が直面する人手不足によるひっ迫という大きな課題の解決に向け、東芝テックのブースではRFIDを活用した多様なソリューションが紹介されました。
CHAIN WORKSが物流の課題解決を支援
国際物流総合展は、毎年1回開催されるアジア最大級の物流専門展です。今年で4回目を迎える本展は、“物流を止めない。社会を動かす”をテーマに、持続可能な社会の実現に不可欠な物流の革新や効率化に関する多様なソリューションが一堂に集結しました。昨年に続き単独出展した東芝テックのブースでは、「“現場のDX推進”~製造・物流の業務効率化による利益率向上~ 」をテーマに、各種ソリューションが紹介されました。
物流業界は現在、少子高齢化による労働人口の減少、生産・在庫・輸送情報の非連携によるサプライチェーンのブラックボックス化、それに伴うロスの解消など、多くの課題に直面しています。東芝テックがこれらの問題を解決するカギとして提示したのが、RFIDによるデータ連携です。
その中核に位置付けられるのが、クラウド型業務効率化RFIDサービス「CHAIN WORKS」です。ブースでは、RFIDハンドリーダー「UF-3000」を用いた棚卸や商品探索、検品に加え、荷物と共にゲートを通過するだけで入荷・出荷検品が完了するトンネル式ゲートを活用したデモンストレーションも行われました。
東芝テックのRFIDトンネル式ゲートには、コンベアによる自動搬送型「TG-1800」、手動搬送型「TG-900」、ウォークスルー型「WG-1900」および「WG-900」の4種類があります。今回は「WG-900」を用いたデモンストレーションが実施されました。ウォークスルー型の最大の特長は、ハンガーラックやカゴ車をそのまま通せる広い間口にあり、入荷・出荷時に通過させるだけで煩雑な検品作業を完了できる点です。「WG-900」は「WG-1900」のショートタイプに位置付けられ、読み取り精度を維持しつつコンパクト化を実現したことで、限られたスペースでも導入可能な強みを備えています。
RFIDは近年、アパレル業界を中心に普及が進んでいます。その背景には、商品企画から製造・物流・販売までを一気通貫で手掛けるSPAと呼ばれるアパレル特有のビジネスモデルがあります。今後の普及における次のステップとして注目されるのが、EPCISによる企業の枠を超えたサプライチェーン全体での情報共有です。
EPCISは、あらゆるモノにユニークデータを付与し、その移動に関する情報をリアルタイムで共有することで、サプライチェーン全体の可視化を可能にする標準規格です。サプライチェーンの見える化を通じて生産管理や在庫管理の最適化を実現するEPCISプラットフォームとして、「CHAIN WORKS」が大きな役割を果たすことが期待されます。
AMRとRFIDの組み合わせで高精度の無人棚卸を実現
来場者の注目を集めたもう一つの展示が、株式会社松永製作所(以下、松永製作所)の事例紹介でした。松永製作所は1974年の創業以来、車椅子やストレッチャーの製造・販売を手掛け、近年ではパラリンピックでも使用される競技用車椅子の開発にも取り組んでいます。
同社が抱えていた課題は、棚卸作業の煩雑さです。少量多品種生産を前提としているため在庫管理は必然的に複雑となり、膨大な製品在庫の把握が求められていました。
さらに、従来のバーコード管理では、高所に保管された製品を毎回床まで下ろして読み取る必要があり、作業効率だけでなく作業者の安全確保の観点からも改善が急務でした。こうした状況の中で松永製作所が着目したのが、RFIDを活用した棚卸ソリューションです。当初は作業者がRFIDハンドリーダー「UF-3000」を手に持って棚卸を行っていましたが、その高い読み取り精度を生かし、AMR(自律走行搬送ロボット)と組み合わせることで棚卸の無人化を思いつきました。高所での読み取りには、市販の伸縮式ポールの先端にUF-3000を取り付けて対応。金属部品による電波障害には、AMRを回転させてさまざまな角度から読み取るなどの工夫を施した結果、ほぼ100%に近い読み取り精度を実現しています。
展示ブースでは、このAMRを活用したRFID棚卸事例を映像で紹介するとともに、実機によるデモンストレーションも行われ、大きな注目を集めました。
※当記事は2025年11月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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