テレビショッピングで衝動買いするワケは?~行動経済学で読み解く~

お店づくりトピックス

数ある商品やサービスの中から、私たちはなぜそれを選んでしまうのか?
行動経済学の視点から消費者の購買心理を読み解きます。

直感的に答えを出す「ヒューリスティック」

インターネット通販が普及する中、根強い人気を誇っているのがテレビショッピングです。何となく見ているうちに、つい購入してしまったという方も多いのではないでしょうか。
私たちは買物をするとき、常にあらゆる情報を詳細に吟味して決断しているわけではありません。安いものやこだわりのないものを購入するときは、直感や過去の経験などを頼りに即座に判断を下します。行動経済学ではこうした意思決定のプロセスを「ヒューリスティック」と呼びます。テレビショッピングには、このヒューリスティックの発動を促す仕掛けが随所にちりばめられています。
テレビショッピングには好感度の高い人気タレントがよく登場します。こうしたタレントの起用や「〇〇教授のお墨付き」といった権威付けは「あの人が言うのなら間違いない」という信頼や安心感を与え、価格など他の要素も受け入れられやすくなります。

実店舗でも応用可能な手法ばかり

最初に高額な基準価格を提示した後で2回3回と値引きしていく手法は、視聴者に相対的に「安い」と感じさせます。
また、「今から30分以内」などと時間を区切ることでじっくり検討する余裕をなくし、直感的な判断を促す「タイムプレッシャー」も大きな役割を果たします。人は得したときのうれしさより損をしたとき(この場合は買うチャンスを逃すこと)のダメージの方が大きいからです。
こうした手法は、実店舗でもすぐに応用できるものばかりです。「本日限定」「当店だけ」「訳アリ」という特別感の演出や、メーカー希望小売価格を併記する二重価格表示などは、「今、ここで買うべき理由」をわかりやすく提示する強力な武器となります。
消費者が直感的に「お得」「良さそう」と判断するヒューリスティックの仕掛けを売場に取り入れることで、実店舗の販売力も大きく向上させることができるでしょう。

監修:阿部 誠(東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授)

  • 当記事は2026年6月時点のものです。
    時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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