TEC AI Innovation Hub取組み事例
生成AIを活用したブートキャンプを開催
コープ東北サンネット事業連合みやぎ生活協同組合

コープ東北みやぎ生協のイメージ画像

宮城県を中心に展開するコープ東北みやぎ生協。店舗も部署も異なる職員が集まり、生成AIを活用して業務課題を抽出し改善策を模索する、生成AI活用ブートキャンプを東芝テックと開催しました。今回のワークショップではアマゾンウェブサービス(以降AWS)も支援サポートに加わり、自由闊達な意見や現場社員ならではのアイデアが生まれました。

生成AIを活用したブートキャンプの実施概要

  • 生成AIの基礎知識を習得しながら実業務課題を洗い出し、その課題に対して生成AIを活用した解決策をお客様と東芝テックが一緒に考える。
  • 具体化した解決策を実現するため、東芝テックが継続してサポートを行う。

AIを活用して業務改善を!そんな思いを込めて生成AI活用ブートキャンプを開催

コープ東北みやぎ生協では、生成AIツールとしてGoogle Geminiが利用可能状況になっています。「各職員が使えるよう設定されているのですが、こんなふうに使うだとか、効果的に使うにはどうすればよいかなどは個人任せになっているのが現状です。」そう語るのは、コープ東北サンネット事業連合みやぎ生活協同組合執行役員 システム本部 本部長、デジタル戦略部 部長 新井田 匡彦氏。個人任せゆえ理解度や習熟度に大きな開きが生じ、そこをどう埋めるか、またノウハウをいかにして共有できるかといった課題を常日頃から感じていたと言います。「どのように進めたらよいものかと考えていたところ、東芝テックから生成AIを活用したブートキャンプの開催の提案をいただいたんです。話を伺ってみるとAIの使い方を習得するのではなくて、AIはこういった課題解決に向いているのではないか、というような議論をするという内容でした。これは面白いなと思い、役員会議で検討し参加を決めました。」(新井田氏)

新井田 匡彦氏
▲コープ東北サンネット事業連合みやぎ生活協同組合執行役員 システム本部 本部長、
デジタル戦略部 部長 新井田 匡彦氏
       

総勢46名がワークショップに集結 積極的に生成AI活用を検討

生成AI活用ブートキャンプは2025年4月9日、コープ東北みやぎ生協本部事務所にて開催されました。店舗や部署が異なる27名の職員が集まり、東芝テックから16名、AWSから3名が加わったサポート体制で、総勢46名のブートキャンプとなりました。

<ブートキャンプ 4つの目的>

  • 生成AIに関心を持つ
  • Geminiなどの生成AIの利用を広げる
  • 各部の課題を洗い出し、生成AIで解決できるのかを考える
  • 生成AIの利用で、どのくらいのコスト削減や売り上げアップが見込めるのかを評価する

まずは事前に決められたグループに分かれ、検討テーマとする業務課題を決め、現在その業務に関わっている職員と人数、所要工数をブートキャンプ前半でディスカッション。いつもは違う部署で仕事をしているため、ここでは普段なかなか聞けないような話をしたり、疑問に思っていることをぶつけてみたり…ブートキャンプの議論とともに、絶好の機会だからと自由闊達にいろいろな話題が交差していました。東芝テック、AWSからのメンバーも各グループの会話に加わり、議論をサポートしました。ブートキャンプ後半では、解決策の実現性やその効果を話し合い、最後にグループでの検討結果を発表、新井田氏より総評をいただきこの日は無事終了となりました。後日まとめられた報告では、それぞれの目的に対するKPI(中間目標)は概ねクリアできたという結果が得られ非常に有意義なブートキャンプとなり、今後の業務変革に直結する大きな可能性を感じさせるものとなりました。
「自分たちが持っている課題を生成AIで解決することができるのか、それが好転するのか否か、そしてそれをまた生成AIに投げかけてその回答を検証していくという、ゲーム感覚的なやり方も相まってとても盛り上がったと感じています。印象的だったのは『組合員様の声を生成AIに活用して新たなサービスを生み出せないか?』という多くの声があったことです。組合員様ファーストという思いが皆に根付いているとあらためて実感できた良い機会でした。このブートキャンプで得た経験や知識を今後の業務に生かしながら、何が正解なのかを引き続き模索していきたいと思います。」(新井田氏)

のイメージ画像
▲ファシリテーターが熱心に進め方を解説
のイメージ画像
▲それぞれのグループでは熱い議論が繰り広げられた
のイメージ画像
▲話し合いの項目ごとに付箋を色分け
のイメージ画像
▲グループワーク資料をホワイトボードに貼り付け、代表者が発表

支援サポートに加わったAWSの谷アカウントマネージャーからもコメントをいただきました。
「AWSの理念は、Customer Obsession (カスタマー・オブセッション)。お客様の真の課題を解決することを目的に活動しています。今回、コープ東北みやぎ生協様、東芝テック様、そして弊社の3社でブートキャンプをさせていただき、コープ東北みやぎ生協様の組合員様を考える熱量を感じ、たくさんいただいたアイデアに対してこう解決できるのではないか、という熱い議論がとても印象的でした。このブートキャンプを通じて、3社で組合員様に価値をお届けするというところを目指して、引き続き活動していきたいと思います。」(エンタープライズ事業統括本部 製造営業本部 インダストリアルイノベーション営業部 アカウントマネージャー 谷 梨奈子氏)

のイメージ画像
のイメージ画像
▲「熱い議論が印象的」と語るAWS 谷氏は、参加者とも活発な議論を交わしていた

これからの展望と東芝テックへの期待

ブートキャンプ参加者の生き生きとした様子を目の当たりにし、他生協でも積極的に展開を考えたいという新井田氏に、今後の展望と東芝テックへの期待を伺いました。
「全国的に言えることですが、特に東北地方は人口が減り少子高齢化が進んでいます。そのような状況下でわれわれ生活協同組合が果たさなければならない役割は非常に大きい意味のあるものであると感じています。今回学習したような生成AIを活用して考えられる施策を具現化し、地方であっても都市部と変わらないようなサービスを提供できるよう取り組んでいきたいと思います。今後も東芝テックからご提案いただき、新たなソリューションを共に創り出し、一緒に東北地方を盛り上げて行ければと思います。」(新井田氏)

■コープ東北様と東芝テックのこれまで■

コープ東北は、全7会員で構成されている東北6県(青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県)の生協の事業連合です。7会員がそれぞれの事業を助け合い効率よく業務を行うことで、組合員様・お客様へのサービス向上、ニーズの実現を図っています。

のイメージ画像

東芝テックとの取引は40年以上継続しており、POSをはじめとしたハードウェアだけではなく、スマートレシートなどの新ソリューション・新サービスをいち早く導入。
2024年にはRetail AIのセルフレジ機能付きスマートカートシステム「Skip Cart®」を導入し、東芝テックのグローバルリテールプラットフォーム「ELERA®」と連携することにより、組合員様の利便性向上と新時代のお買い物体験の実現を図っています。その一方で、コープ東北からはユーザー目線で東芝テック側にさまざまなリクエストをするなど、お互いの成長に欠かせない共創パートナーとなっています。

のイメージ画像
のイメージ画像

インタビュー動画

生成AIを活用したブートキャンプを東芝テックと開催した経緯や感想について、コープ東北サンネット事業連合みやぎ生活協同組合執行役員 システム本部 本部長、デジタル戦略部 部長 新井田 匡彦様にお話を伺いました。

※当記事は2025年4月時点のものです。
時間の経過などによって内容が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

*Gemini は Google LLCの商標です。