ダイバーシティマネジメントの推進

マネジメント層の意識改革とコミットメント

性別・年齢・国籍など多様な人財を活かすことは、イノベーションの創出と市場変化や想定外課題へ応変する力の涵養、さらにはグローバル競争力を高めることにつながると考えています。ダイバーシティ経営を経営戦略の根幹ととらえ、経営幹部のコミットメントのもと、人財戦略ビジョン『全ての事業領域で、顧客価値の創造に資する人財と組織力があり、一人ひとりがプロとして互いを尊敬し、強い信頼関係で結ばれている』の実現に向けて、「働き方改革の実現で創造性・生産性の向上」「成長と変化を生み出す多様な自律人財の活躍」「ともにつぎを目指せる働きがいのある組織風土の醸成」を進めています。

女性の活躍推進に向けた取り組み

望むキャリアを実現しイキイキ活躍する女性を増やすことを目指して、女性活躍推進法行動計画に掲げた目標を2025年度までに達成すべく取り組みを進めています。

2022年度からは、ダイバーシティ推進の一環で女性活躍推進に向けたプロジェクトを立ち上げ、社内に向けた啓蒙活動にも取り組んでおります。
全従業員向けに、身近な多様性を理解するため、当社の多様性推進状況の紹介や両立支援制度セミナー、男性の育休取得者座談会などさまざまなイベントを開催しました。

女性比率と女性役職者比率の推移(東芝テック)

女性活躍推進法行動計画進捗状況

女性の採用に向けた採用活動

新卒採用女性比率の向上に向け、東芝テックで実際に働く姿をイメージしていただくことを目的とし、2017年度より、女子学生を対象とした会社説明会・女性従業員との懇談会を開催しています。会社説明会では、女性活躍推進に向けたさまざまな取り組み、ワークライフバランスを支える各種制度、女性従業員の活躍状況などを紹介しています。また女性従業員との懇談会では、女性従業員のこれまでのキャリアの紹介などを行っています。さらに、当社ホームページには、女性従業員比率・女性役職者比率等の実績数値や、ライフイベントに応じて活用できる社内制度を公開し、東芝テックでの働き方がよりイメージしやすいよう継続した情報発信に取り組んでまいります。

外国籍従業員の採用・活躍推進

東芝テックグループでは、外国籍従業員の採用を積極的に推進しています。また留学生採用に加えて、海外の大学を卒業する学生を採用する「グローバル採用」を2010年度から実施しており、入社後は営業・開発・設計などさまざまな分野で活躍しています。

外国籍従業員の採用・活躍推進

障がい者の雇用推進

東芝テックグループでは障がい者の雇用を積極的に推進し、職場環境の整備や活躍の場を広げる取り組みを行っています。

障がい者の雇用推進

ワーク・スタイル・イノベーション

ワーク・ライフ・バランスの促進に向けた活動を、「ワーク・スタイル・イノベーション(WSI)」という独自の名称で取り組んでいます。「ワーク・スタイル・イノベーション」とは、効率的でメリハリのある仕事をし、ライフではリフレッシュと同時に自らを高めて仕事の付加価値化につなげるという「正のスパイラル」を創出する活動です。

労働時間の削減・勤務時間への配慮

多様な人財の活躍推進およびワーク・スタイル・イノベーション促進の観点から、長時間労働の是正に向けた取り組みを進めています。従業員一人ひとりが仕事に取り組む意識と仕事のやり方を変え、生産性を高める活動を進めています。

労働時間にかかわる主な制度/施策

仕事と育児・介護の両立支援

すべての従業員が、やりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護など、個人の時間を持つことができる健康で豊かな生活が送れるようにするための各種支援制度の整備、さらなる拡充と柔軟化を進めています。

従業員が安心して働き続けることができる環境づくり

出産・育児というライフイベントを安心して迎え、イベント後も長く働き続けられる仕組みとして、2015年7月より「出産・育児相互理解プログラム」を実施しています。出産・育児の休業前後の期間にわたり、本人と上長が定期的に面談、相互理解を深めることで働きやすい環境づくりを目指すプログラムです。

また、プログラム導入後の2015年に当社で初めて男性が育児休職を取得して以降、取得人数は年々増加し、2022年度は17名の男性従業員が育児休職を取得しています。

男性育休取得率の推移

従業員意識調査

従業員の声を聞く仕組みとして、「従業員意識調査(TEAMサーベイ)」を実施しています。従業員のエンゲージメントの向上を図ることを目的に、従業員意識を把握し組織のパフォーマンスを測定することで、課題や認識のギャップを把握し、マネジメントスタイル、組織風土の改革につなげています。この調査結果をもとに、社長をはじめ経営陣が全てのコメント、声を確認し、真の課題について深堀することで問題意識を把握し、取り組むべきアクションプランを策定・実行しています。

働きがいある組織風土の醸成

多様な個人が枠にとらわれず思考し、ともに挑戦し、ありたい姿を目指せる風土を全社に浸透させるため、働きがいある組織風土の醸成に向けた取り組みを実施しています。そのためには、従業員一人ひとりが自律的・能動的に考え、建前ではなく本音の議論を行い実践することで、経営課題解決につなげる全社チーム活動としてトップからボトムまで縦横連携し広げていくことが重要と考えています。これまでに経営幹部や各事業部門ではチームビルディングのための気楽にまじめな話をするミーティングを数多く開催しており、経営層から従業員までが腹を割った本質的な議論を通しともに腹落ちすることでありたい姿に向け行動できる組織風土を目指しています。

また、2020年度には従業員の自律性を高める仕組みのひとつとして「セルフビズ」や、従業員同士で感謝の気持ちを贈り合う「TーPOT(ピアボーナス)」が導入されました。

2021年度には、従業員の成長支援・組織のパフォーマンス最大化を目指すコミュニケーションツールとして「1on1面談」を全社で展開。

また、勤務時間中の10%を通常業務を離れて従業員が取り組みたい事に費やすことができる制度として「10%の考える時間」を導入し、従業員の自律的な取り組みを推進しています。

ミーティング風景

ミーティング風景

シニアの活躍推進

年齢によらずイキイキと活躍できる仕組みづくりを目指して、2017年度から専門能力や期待される役割を明確にして処遇するシニアエキスパート制度を導入するとともに、シニアの意識改革を促す研修(キャリア30研修)を実施しています。

制度・研修を充実させるとともに、職場とシニア自身の意識をすり合わせ、お互いの理解を深めることにより、シニアのより一層の活躍を推進しています。