CSR調達の推進

東芝テックグループでは、調達取引先の皆様とともに断続的に発展し、より良いパートナーシップを構築するために、また調達取引先の皆様まで含めたCSRを推進していくために、サプライチェーンを通じたCSRの取り組みを進めています。

東芝テックグループにおける事業部門別の調達構成比率(金額ベース)は、リテールソリューション事業(含む海外リテール)が62%、ワークプレイスソリューション事業が29%、ODM事業が8%、その他(インクジェットヘッド等)が1%です。

調達方針

東芝テックは、東芝グループの一員として「東芝テックグループの調達方針」に沿った調達活動を通じて、調達取引先の皆様との健全なパートナーシップの構築に努めています。

調達取引先の皆様に対して、調達方針を通じて人権・労働・安全衛生および環境への配慮を要請しており、また、新規調達取引先の選定においては、CSRへの配慮を重視している企業の優先取引を進めています。

「東芝テックグループの調達方針」は、東芝テックグループ各社の生産ならびにサービス提供に重要な役割を担う調達取引先の皆様に、東芝テックグループの調達方針をよりよくご理解いただくとともに、CSR推進にご協力いただくことを目的に2007年8月に制定しました。以降、社会情勢に応じて内容を改定しながら、調達取引先の皆様に実践をお願いしています。2014年10月には、東芝が参加する国連グローバル・コンパクト(UNGC)、RBA※(ResponsibleBusinessAlliance)行動規範の趣旨に沿った活動を推進するよう明示し、国内外の調達取引先の皆様に周知しました。

  • EICCからRBAへ2017年名称変更

調達におけるコンプライアンス

東芝テックグループは、東芝の調達遵法体制のもとで調達部門職制に連動した調達遵法体制を整備し、調達遵法の対応を強化しています。調達取引に関わる遵法関連の情報は、この調達遵法体制を通じて社内およびグループ会社へ周知・徹底されます。さらに、生産調達戦略部調達戦略室の調達企画担当から各グループ会社調達部門長を通じ各種施策を周知・徹底しています。また、グループ会社を含めた全調達部門を対象に月次で下請取引に対するモニタリングを行い下請法の遵守徹底に努めています。

また、2007年度から毎年、国内グループ会社従業員(社長以下役員含む)を対象に下請法のeラーニング教育を実施しています。2022年度は、国内グループ会社6社を含め、合計6,688人が下請法のeラーニング教育を受講しました。その他、 監督官庁などが主催している下請法講習会(Webセミナー)にも積極的に参加を行っています。さらに、調達視点でのSDGs・ESG推進・強化を目的として、東芝グループでのサプライチェーンにおける調達取引先調達DD調査にも参画しており、2022年度は、当社として主要取引先332社に調査を実施させていただいております。

調達におけるコンプライアンス

パートナーシップ構築宣言ポータルサイトへの参画

2021年12月に、内閣府と中小企業庁が主催する「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトへの登録を完了いたしました。「パートナーシップ構築宣言」は、経団連会長、日商会頭、連合会長および関係大臣(内閣府、経産省、厚労省、農水省、国交省)をメンバーとする「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」において創設が検討・構築され、現在、内閣府と中小企業庁が主催しているポータルサイトとなります。「パートナーシップ構築宣言」は、サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築することを、企業の代表者の名前で宣言するものであり、当社としても「①サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を越えた新たな連携/②親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行(下請中小企業振興法に基づく「振興基準」)の遵守」を宣言し、本ポータルサイトに掲載するとともに、実行に繋げることにより、より一層の企業価値向上を目指して参ります。

紛争鉱物の不使用について

2013年1月に米国金融規制改革法(ドッド・フランク法)の紛争鉱物問題に関する1502条が施行されました。米国証券取引所に上場してはいない東芝グループも、上場企業のサプライチェーンに連なる企業として、コンゴ民主共和国およびその近隣周辺地域で採掘された紛争鉱物の使用状況について調査し、顧客に報告しています。東芝グループは、この法施行に先立ち、2011年10月に紛争鉱物に関する社内体制を整備し、「東芝グループ紛争鉱物対応方針」を定めてホームページで公開しました。また、近年鉱物調達において、DRCおよび周辺国のリスクのみならず、その他紛争地域および高リスク地域での紛争、児童労働を含む人権侵害全般や汚職などにリスクが広がっていることを受け、2020年9月に紛争鉱物対応方針を見直し、「東芝グループ責任ある鉱物調達方針」に準拠した活動を開始しました。

2013年6月からは海外製造現地法人、静岡事業所の3TG※を使用している可能性のある調達取引先に対して、「紛争鉱物報告テンプレート」(CMRT:Conflict Minerals Reporting Template)を使用した紛争鉱物の使用状況や製錬所情報の調査を始め、2022年度においても調査を実施し、RMIが精錬業者と認識している業者のうち349の業者を特定しました。このうち233業者はRMAP適合精錬業者であることを確認しました。

  • 錫(Tin)、タンタル(Tantalum)、タングステン(Tungsten)、金(Gold)。
    それぞれの英語頭文字をとって「3TG」と称される。